鮭の町、新潟県村上市の ご飯にもおつまみにもぴったりの鮭グルメ

秋も深まり、朝晩の冷え込みもつのってきました。そこで、薬膳アテンダントの池田陽子さんに、冬の健やかなカラダづくりにぴったりの、冷えを改善する食材を教えてもらいました。新潟県のアンテナショップで買えるととっておきのアイテムも紹介します。

冷え対策におすすめなのが鮭

新潟食楽館
新潟県アンテナショップ ネスパス「新潟食楽館」

 薬膳において、冬のカラダのパワーアップにおすすめなのが、鮭。カラダを温めて冷えを改善する効果が高いのが特徴です。さらに、人間のエネルギー源である「気」、全身に栄養を与える「血」を補い、疲労回復、滋養強壮にも威力を発揮。また、胃の不調にもよいお魚。おなかを温めて胃の働きを高めたり、冷えによる胃痛の改善にも役立ちます。今回は 表参道・新潟館ネスパス物産販売「新潟食楽園」をお訪ねして、とっておきの鮭グルメをご紹介します。

 新潟県北部に位置する村上市は「鮭の町」。その歴史は古く、三面川(みおもてがわ)で漁獲された鮭は、平安時代には京都の王朝に献上されていたことが文献に残されています。江戸時代には村上藩の重要な財源となり、増殖のために大工事によって三面川の分流「種川」を設け、自然ふ化増殖も行っています。明治時代には日本で初めての人工ふ化にも成功し、漁獲量を大いに伸ばしました。

 長い歴史のなかで、鮭を食する文化も発展。村上では貴重なサケを余すことなく全身の部位を利用した、100種類以上の料理が受け継がれています。三面川では、秋になると川に「ウライ」とよばれる柵が設けられ、産卵のために遡上する鮭を漁獲。また、ウライより下流では「居繰網漁」といわれる伝統的な漁法が行われています。一艘にふたりの漁師が乗船し、息を合わせて網で鮭を獲る姿は村上の秋の風物詩です。

ご飯が止まらなくなる「鮭のしぐれ煮缶」

鮭ほぐし
村上こがねの「鮭ほぐし」(648円)

 村上市で海産物の卸販売、水産加工品を製造する「村上こがね」の「鮭ほぐし」(648円)は、三面川のサケとショウガを合わせて、しょうゆと砂糖などで炊きあげた缶詰。

鮭ほぐし
お酒のお供にもぴったり

 しぐれ煮のような仕上がりで、鮭の風味をいかしながら、素朴で甘辛い味わい。たっぷり入った千切りショウガもサクサクと心地よいアクセントになって、ご飯が止まらなくなるおいしさです。お酒のおともにもぴったり。 村上の鮭のおいしさを、満喫できる缶詰です。

村上の郷土料理「鮭の焼漬」

鮭の焼漬
斎藤食品「鮭の焼漬」(1480円)

 村上の多彩な鮭伝統料理のひとつが「鮭の焼漬」。焼いた鮭をしょうゆやみりん、酒を加えたたれに漬け込んだ料理で、江戸時代から保存食としてつくられていたといわれています。たれが身の中までしっかりとしみこみ、冷めても固くならずにふんわり。焼いた香ばしさと、しっとりした煮魚のようなおいしさを堪能できる一品です。

 塩引き鮭をはじめとする鮭の加工品が、地元でも高い人気を誇る、村上市・総合食品さいとうの「鮭の焼漬」(1480円)は、新潟食楽園でもリピーターの絶えないヒット商品。こんがりと焼き上げた鮭を、10年以上継ぎたして使用しているという秘伝のたれにじっくり漬け込んで仕上げます。

鮭の焼漬
混ぜご飯にしてもおいしい

 食べてみると、ふっくらした身の食感にびっくり。そして、濃すぎず、薄すぎずの絶妙な味つけのタレが、ほどよくしみた味わいに感動! ジューシーな皮の部分も、やみつきになるおいしさです。そのまま食べてもよし、ご飯にほぐした身とたれをかけて、混ぜ込んで食べるのもおすすめです。

酒粕のうま味で日本酒がすすむ「鮭×酒ジャーキー」

鮭×酒ジャーキー
永徳「鮭×酒ジャーキー」(750円)

 新潟食楽園には、お酒のおつまみにぴったりの鮭グルメも。三面川の伏流水が豊かな村上は、古くから酒づくりが盛んだった土地でもあります。村上市・永徳「鮭×酒ジャーキー」(750円)は、その名のとおり村上ならではのコラボグルメ。鮭を村上の酒蔵・大洋酒造の純米吟醸酒「大洋盛」の酒粕で味つけした商品です。

鮭×酒ジャーキー
日本酒のお共に最適

 大洋盛は、地元産の酒米「たかね錦」を半分近くまで磨き、新潟吟醸酵母で醸した、フルーティーな香りと、やわらかな口当たり、ナチュラルな米のうま味が魅力のお酒。その酒粕は鮭と、絶妙なマッチング! ソフトでほどよい食感のジャーキーは、鮭のうま味をまろやかに、濃厚に堪能できます。まるで、からすみのようなコクがあり、日本酒がすすむこと間違いなし!

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)