5年に1度開催される全国和牛能力共進会、通称「和牛のオリンピック」は、全国から優秀な和牛が集まり、さまざまな成果や技術を競う大会。昨年の秋に開催された第12回大会で、日本一のおいしい牛肉に選ばれた「宮崎牛」をご紹介します。
日本一のおいしさを競う「和牛オリンピック」
「和牛のオリンピック」は、生産者や食肉業界はもとより肉マニアも注目する大会。厳正なる審査のもと、「種牛の部」「肉牛の部」それぞれで、内閣総理大臣賞=日本一おいしい牛肉の称号が与えられます。
宮崎牛は、第9回から3大会連続で内閣総理大臣賞を受賞し、日本一の称号を手にしていました。迎えた2022年の第12回大会は全国41道府県から438頭が出品され、そのなかで見事、肉牛部門に新設された「脂肪の質」の評価にて同賞を獲得。5年に1度の大会なので、20年もの間、宮崎牛はその座を守っていることに。
アカデミー賞でもふるまわれた宮崎牛
宮崎牛は、アカデミー賞のアフターパーティでも3年連続で採用されています。
「特定の食材が選ばれたのは、宮崎牛がはじめてだそう。また、輸出量も伸びていて、令和3年は過去最高に。アメリカへの輸出和牛の3割は宮崎牛。かつては別のブランドが人気だった和牛ですが、現在、有名なステーキハウスでは宮崎牛が人気という声も聞かれます。宮崎牛のおいしさが世界に広がっています」(宮崎県農政水産部・中武誠司さん)
なめらかな口どけは脂肪の質のおかげ
和牛肉のおいしさには、客観的な基準として、脂肪の質があります。脂肪の大半を占めるオレイン酸、その含有量が高いと脂の融点が下がり、口どけがよく肉のうま味が伝わりやすい。室温で表面が溶けるほど繊細で、オレイン酸を多く含んでいる質の高さが、「宮崎牛」のおいしさ秘密なのです。
その味を堪能するなら、東京・新宿にある「宮崎風土 くわんね」へ。宮崎県のアンテナショップ2階にある、郷土料理が楽しめるこのお店では、ディナーコースやアラカルトで宮崎牛の炭火焼きを用意。肉を口にいれた途端、牛肉の脂がとけだし、まろやかさが広がります。クリーミーなのにしつこくない上質さは、日本一の評価も納得の味です。
鶏肉や果物もおいしい宮崎県
牛肉のほかにも、名産品がたくさんある宮崎県。肉用牛は全国3位ですが、ブロイラーも豚肉も2位の産出量を誇っています。
「宮崎県は肉料理がおいしいですよ。そして、日照時間が長く、年間を通して温暖な宮崎は、農業産出額が全国第4位という農業県でもあるんです。夏のフルーツはマンゴーが有名ですが、冬は『きんかん』。全国でも圧倒的な生産量です」(中武さん)
きんかんを普段からよく食べるという宮崎県民。アンテナショップ・新宿みやざき館KONNEでも人気商品です。なかでも、完熟フルーツきんかん「たまたま」は、樹上で完熟させた甘さが魅力。ビタミンCとビタミンEを豊富にふくむ栄養機能食品で、皮ごと食べられます。手軽に栄養が取れるうえに、一度食べたらクセになるおいしさです。
宮崎県の肉料理や名産品が食べたくなったら、アンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」や郷土料理店、宮崎県へのグルメ旅はいかが? 「てげうめー!」(すごくおいしい!)ものが、たくさん待っていますよ。
取材・文/カラふる編集部