漬物も絶品。美と健康にうれしい山形のサクランボの魅力

山形県名産の赤い宝石のようなサクランボ。サクランボは見た目のかわいさだけでなく、美肌にもいいというのは薬膳アテンダントの池田陽子さんです。山形県のアンテナショップから、とっておきのサクランボグルメをご紹介。

美容薬膳で使われるサクランボ

 サクランボは、アンチエイジングにうれしい食材。中医学において老化をつかさどる臓器「腎」のパワーを高める働きがあります。また、美肌によいとして、古来より美容薬膳としてよく使われ、中国の宮廷料理には「サクランボと豚肉の煮込み」というメニューも。70歳を過ぎても10代の肌の美しさを保っていたといわれる西太后も愛食していたそうです。

 さらに、体を温めるパワーも大。人間のエネルギー源である気を補い、滋養強壮にもよく、むくみの改善にも役立つなど、愛らしい姿からは想像できないほど美と健康に役立つフルーツなのです。

おいしい山形プラザ
山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」

 今回、紹介するとっておきグルメを見つけたのは、サクランボ生産量日本一を誇る山形県アンテナショップ「おいしい山形プラザ」。サクランボの全国生産量の7割を占める山形県は、高い山々に囲まれ、昼と夜、そして夏と冬の寒暖差が大きく、梅雨の時期に雨が少ないという気候が、良質で甘味の強いサクランボを育みます。明治初期に日本各地でサクランボの栽培がスタートし、最初はどの地域でもあまりうまくいかなかったものの、山形県だけが実績を残したという歴史があるのだそうです。

 旬は初夏。山形のサクランボを代表する「佐藤錦」をはじめ、「紅秀峰」「紅さやか」「紅てまり」などさまざまな品種が5月下旬から7月にかけて収穫されます。この時季には、サクランボ狩りも県内各地で行われ、もぎたてを味わう人々でにぎわいます。それでは早速、とっておきのサクランボグルメを紹介します!

愛らしい「サクランボの漬物」

さくらんぼ漬け
漬物店・渡辺近七商店の「さくらんぼ漬け」(590円)

 おいしい山形プラザにはさまざまなサクランボ商品がそろいますが、なかでも珍しいサクランボグルメを発見。創業350年を誇る山形市の漬物店・渡辺近七商店の「さくらんぼ漬」(590円)はなんとお漬物。山形のサクランボのおいしさを、四季をとおして味わってもらいたいとう思いから完成した商品だそう。

 使用するのは「佐藤錦」と「ナポレオン」の朝づみ。朝のサクランボは、気温が下がる夜に実に栄養分が集まるので、おいしさが凝縮されています。ベストコンディションのサクランボを新鮮な状態で塩漬けにしてから、リンゴ酢、シソの葉とともに丁寧に漬け込んで仕上げます。

さくらんぼ漬け
やわらか&ジューシーな実の食感とさわやかな甘酸っぱさが口に広がる

 美しいピンク色のかわいらしいお漬物は、封を開けたとたんに、ふんわりした甘い香り。口に入れると生のサクランボ同様プリッとした皮、そしてやわらかでジューシーな実の食感とともに、さわやかな甘酸っぱさが広がります。リンゴ酢のマイルドな酸味がサクランボの甘味と相性がよく、お漬物というよりもピクルスのような感じ。つい、もうひとつ、もうひとつ、と止まらなくなります。お茶うけとして、またサラダやおすしなど料理のトッピングに使えば彩りもグンとアップ。日本酒やハイボールのおつまみにするのもおすすすめです。

上品な甘さと酸味が魅力のヨーグルトソース

ヨーグルトソース
高畠町・たかはた果樹園の「ヨーグルトソース」(702円)

 サクランボをヨーグルトとともに味わうのはいかが? 高畠町・たかはた果樹園の「ヨーグルトソース」シリーズは山形県産のフルーツをふんだんに使った、プレーンヨーグルトに合わせるのにぴったりのソース。「ヨーグルトソース さくらんぼ」(702円)は、種をとったさくらんぼの果肉やピューレを使って仕上げてあります。

 使われているサクランボは「ナポレオン」。缶詰加工に適しているとして、昭和30~40年代に盛んにつくられていた品種で、大粒で酸味と甘味のバランスがよく、昔からのファンが多いサクランボです。

ヨーグルトソース
食べごたえ十分で上品な甘さが特長

 優美な香りがかぐわしいソースには、プリッとした食感のよい果肉がたっぷり入っていて食べごたえ十分。上品な甘さ、ほどよい酸味で、ヨーグルトに絶妙にマッチ! パンケーキやチーズケーキのソースとして使うのもおすすめです。

サクランボがゴロゴロ入ったとろとろゼリー

さくらんぼ5656ゼリー
天童市・サクランボ農園の「さくらんぼ5656ゼリー」(540円)

 サクランボ入りのゼリーも山形プラザの人気商品。天童市・サクランボ農園の「さくらんぼ5656ゼリー」(540円)は、その名のとおりサクランボがゴロゴロどっさり入ったゼリー。
「やまがたさくらんぼファーム」は、サクランボをはじめ、さまざまな農産物をつくる山形県内最大級の観光果樹園「王将果樹園」を運営。佐藤錦、紅秀峰、高、ナポレオンなど、さまざまな品種のさくらんぼ狩りを楽しめる人気スポットでもあります。

さくらんぼ5656ゼリー
自社農園で収穫、加工されたサクランボはふっくらジューシー

 収穫されたサクランボを使った加工品も人気。「さくらんぼ5656ゼリー」は、直径8cm高さ6cmの大き目サイズ。とろとろやわらかめの、果汁入りゼリーの中に、自社農園で収穫、加工されたふっくらやわらかでジューシーなサクランボがザクザク!

 サクランボにゼリーがからまったような「食べるさくらんぼゼリー」は、癒やされる優しい味わい。食べる幸せがギュッっとつまっていますよ!

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)