エーゲ海の旅のような味わい「地中海バトン」が人気の生駒のパン屋さん

パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事にいかせたり、特別なイベントや体験会への参加もできます。今回、奈良県のパンシェルジュがおすすめするのは、シェフの愛情がたっぷり詰まった奈良県生駒市にあるベーカリーです。

毎日通いたくなる地元密着のパン屋さん

店内
朝7時から焼きたてパンが並ぶ

 パン好きの母の影響で、幼少期からパンが欠かせなかったという奈良県在住のmokoさん。パン屋さんとの交流が広いmokoさんがイチオシするのが「HESTIA BAKERY(ヘスティア ベーカリー)」。2021年にオープンした地元で愛される人気店です。店内には素材や組み合わせにこだわった約50種類のパンがずらり。目移りするほどおいしそうなパンのなかから、mokoさんが選んだ4つをご紹介します。

ふんわり&プチプチ食感がたまらない「クルミと白イチジク」

くるみと白いちじく
くるみと白いちじく170円(税込み)

 胚芽が練り込まれた生地に、クルミとラム酒漬けの白イチジクが入った食事パン。

「ふんわりとした生地と、イチジクのプチプチとした食感、クルミのカリッとした食感のバランスが絶品。胚芽の香ばしさの後に、ラム酒の香りが鼻に抜けます。栄養面も考えられた女性に大、大人気の1品です。オーブントースターで軽く温めると、クラストがサクっとなり、よりおいしくいただけます」(mokoさん)

オリーブやハーブのうま味が詰まった「地中海バトン」

地中海バトン
地中海バトン340円(税込み)

地中海バトン カット

 こちらのフランスパンは、黒と緑のオリーブと、地中海沿岸でとれたガーリックオイルとハーブで漬け込んだドライトマトやアンチョビを包み込んだもの。

「もちっとしたかみごたえと、小麦の風味が感じられる生地。口に運ぶたびに、オリーブの塩味やさわやかさ、ドライトマトの甘味や酸味、アンチョビのうま味が次々と押し寄せてきます。初めて食べたときの感動は忘れられません。まるでエーゲ海を旅しているような気分にさせてくれる1品です」(mokoさん)

ナスと豚バラがたっぷり、新食感の「豚バラナスロング」

豚バラナスロング
豚バラナスロング330円(税込み)

 マヨネーズ、ポン酢、ガーリックで味つけした、長ナスの豚バラ肉巻きがどかんと乗った総菜パンは見た目もインパクト大。

「フワフワの生地に、マヨネーズのコクが効いた豚バラナスをのせた新感覚の総菜パン。青ジソのさわやかさ、ピンクケッパーのスパイシーな香りがアクセントになっています。ボリュームもあり、満足度の高い1品です」(mokoさん)

お客さんのリクエストで生まれた「オレンジショコラコロネ」

オレンジショコラコロネ
オレンジショコラコロネ240円(税込み)

オレンジショコラコロネ 

 サクサクとした食感が人気のコロネは、数種類をラインナップ。ベルギー産カレボーチョコレートと自家製カスタード、生クリームを合わせてオレンジピールを混ぜ込んだこちらのコロネは、お客さんからのリクエストから生まれた1品だそう。

「サックサクのデニッシュ生地、濃厚でしっとりとしたチョコレートクリームにオレンジピールの食感とさわやかな香りのコントラストがたまりません。クリームがこぼれないよう、両端をチョコレートでフタした心配りもうれしい。小麦の風味・香ばしさを求めるなら、できたて朝8時頃の来店がおすすめです」(mokoさん)

家族みんなが楽しめるようなパンを提案

店内2
心もお腹も満たすパンが約50種類

 奈良県内のベーカリーや大阪岸和田の「パン屋・カフェ キャトル」などで腕をみがき、2021年に出身地である生駒で待望のお店をオープンした奥田シェフ。店名の「ヘスティア」とは、ギリシャ神話のかまどや囲炉裏の女神のこと。「自分がつくるパンが、健康に生きていく、命をつなげるパンであり、地域の人が集う場所でありたい」という思いを込めているそう。お店に入ると、工房から「いらっしゃいませ!」「こんちには!」と、奥田雅紀シェフの明るい声が聞こえてきます。

「高校生のときに食べた明太フランスパンに感動し、パン職人を志したという奥田シェフ。お店は住宅地にあり、家族みんなが食べられるようにと、食パンやフランスパンをはじめ、菓子パン、総菜パンなどバリエーション豊かにそろえています。小麦粉は、国産やフランス産をはじめ10種類ほどを、パンの種類によってブレンドし、使い分けているそうです」(mokoさん)

コンフィチュールや取れたて野菜も販売

コンフィチュール
フランス産ジャムや紅茶も並ぶ
野菜
地元の採れたて野菜も販売

 店内には、奥田シェフおすすめのフランス産ジャムや紅茶、ドイツ産岩塩など、日々のパン生活が楽しくなるアイテムも。

「四季を感じてほしいと、季節限定のコロネや地元の農家『いこま満天ファーム』さんの野菜も並びます。こちらの季節限定のパンは売り切れ必至なため、予約がベターだそう」(mokoさん)

■ショップ情報

shop外観

 奈良県生駒市で2021年6月オープンして以来、地域に愛されるベーカリーに。松美台の閑静な住宅地に佇み、最寄りのバス停は松美台。早朝7時からオープンしているので、朝食に焼き立てのパンが味わえるのも地元で喜ばれる理由です。

 パンシェルジュ検定事務局が運営するサイト「ぱんてな」でも、さまざまなパン情報を紹介しています。こちらもぜひ、チェックしてみて!

協力/パンシェルジュ検定運営事務局

<取材・写真/moko、文/寺川尚美>

◆パンシェルジュ mokoさん(パンシェルジュ1級)
デニッシュ食パンの美味しさに感動しパンラバーに。パン屋巡りやパン教室通いをはじめ、シェフのセミナーやイベント、麦畑にも訪れ、パンライフを満喫中。パンシェルジュを取得後は、栄養面を考慮したパン作りを研究し、シェフと共同でパンの開発、販売を。現在は、パンに関する情報を自身のSNSで発信中。夢は、パンに関わる仕事に就くこと