―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第46回:木村彩乃アナ]―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーとして活躍する木村彩乃アナが、カカオと奈良県の有機茶葉をかけ合わせた「カカオティー」をレポートします。
カカオの皮から抽出するカカオティー
カカオティーというお茶をご存じですか? カカオハスク(カカオ豆の皮)から抽出したお茶のことで、カカオ製品に目がない筆者にとって、お気に入りのひとつです。チョコレートのいい香りに、味わいはすっきり、ほのかな甘味があって、知らない人にはぜひ一度、試してほしいお茶です。
あくまで「カカオ」であって「チョコ」ではないので、味の想像が難しいかもしれませんが、試していただくとカカオ本来のおいしさに触れるいい機会にもなると思います。
そして今回は、いろいろなお店のカカオティーを飲んでいるなかで筆者がはじめて出合って、そのおいしさと意外性におどろいた、カカオと日本の茶葉を合わせたカカオティーをご紹介します。
カカオ単品から抽出するお茶よりも香りが弱かったり、えぐみや脂っぽさを感じるのでは? と少し意地悪な筆者の予想は飲んだ瞬間、見事に裏切られ、とってもおいしくてびっくり! カカオの可能性、日本の茶葉の可能性を思い知りました。
カカオ×ほうじ茶・和紅茶・煎茶を試飲
飲んでみたのは、奈良県にある月ヶ瀬(つきがせ)健康茶園の有機茶葉に、コスタリカ産のカカオハスク(カカオ豆の皮)を加えた、カカオほうじ茶・カカオ和紅茶・カカオ煎茶の三種。
とくに私の好みだったのが「カカオほうじ茶」です。こんなに上品なカカオティーってある⁉ と思うほど、カカオとほうじ茶がなじんでいたんです。しぶみやえぐみなど難しそうな組み合わせですが、とにかく自然でした。
続いて「カカオ和紅茶」は想像どおり、しっくりきます。ふんわりと香るカカオの香りは弱まることなく、ひと口飲んだときの幸せ度が高いです。カカオには、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの働きを助けてリラックス効果をもたらすポリフェノールの1種、エピカテキンが含まれているからでしょうか。
最後に「カカオ煎茶」は煎茶自体のリラックスする風味にカカオ効果も相まって一段と癒しを感じられました。味は合うのか?と思いましたが、合うんです。煎茶のほっこり感のあと、ふんわりとカカオが広がります。余韻が長く、香りをいちばん楽しめたのが煎茶です。
共通して言えるのは、カカオの香りが漂いつつも、お茶本来の味も楽しめるという点でした。カカオ和紅茶をホットミルクでいれる「ミルクカカオティー」のアレンジも、個人的にお気に入りです。高級サロン気分をおうちで味わえるようで、おすすめ。
カカオに合わせて茶葉を厳選できる茶園
今回ご紹介したカカオティーの開発者である「GOOD CACAO」の樹さんによると、茶葉とカカオハスクのバランスにこだわり、3種それぞれで配合比率を変えるなど、おいしさの秘密がいくつかあるそうです。なぜ月ヶ瀬健康茶園の有機茶葉を使ったか聞いてみました。
「月ヶ瀬の山間に点在する月ヶ瀬健康茶園は、方角・土質・傾斜度・陽当たり具合・標高など、お茶を栽培するうえで大切な自然条件である地形が茶園ごとにさまざまなため、多種多様なお茶の栽培が可能です。そのため、カカオハスクと相性のいい、煎茶・和紅茶・ほうじ茶を適した茶園から厳選することができ、ベストな香りと味わいのカカオティーをつくることができたんです」
カカオを熟知した開発者の選抜した茶葉だからこそ相性抜群だったんですね。ここまでのこだわりということは、きちんと温度を設定していれなければと思っていたのですが、こちらの製品はティーバック。気楽に飲めるのも気に入ったポイントです。しかも、お湯はもちろん、水出しもOKなので、これからの季節にもぴったりです。
カカオティーはカカオ豆の皮のアップサイクル商品
カカオティーは、カカオハスク(カカオ豆の皮)を活用することによるアップサイクル商品であることも、大切な目的のひとつとしています。「GOOD CACAO」は、もともとはビーントゥーバー(チョコレート)をつくるお店で、つくる際に出るカカオ豆の約30%を占めるカカオハスクは、ほとんど活用されていませんでした。そこで、食品ロスの軽減・リユースに貢献する製品としてカカオティーを開発したそうです。
樹さんは「アップサイクルというと、難しいと思われがちですが、私たちは、おいしく・たのしい商品づくりを心がけています。つくる過程で生まれる香味たっぷりのカカオハスクまで余すことなく、ありがたくいただく。それが、カカオのアップサイクルにもつながっていくと考えます。カカオティーで、心も体もホッとする、カカオ香るひとときをお楽しみいただければ幸いです」と話してくださいました。ひと口飲めば、樹さんたちの暖かい思いが感じられること間違いありません。
<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>
木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。
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地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト