バーニャカウダから混ぜご飯まで。福井アンテナショップの美肌グルメ

日差しが強くなってくると気になるのが、紫外線対策。シミのない白く美しい肌を目指すなら、体の中から食べてケアすることも大切と教えてくれたのは、薬膳の池田陽子さん。福井県のアンテナショップで見つけた、美白対策におすすめのグルメを紹介します。

血のめぐりにおすすめのサバグルメ

ふくい食の國291
福井県のアンテナショップ「ふくい食の國291」

 中国伝統医学の「中医学」では、シミ、そばかすは血のめぐりの悪さが原因であるとしています。血は肌に栄養を与える大切な成分。それが滞って、体のすみずみにまで行き渡らないと、新陳代謝が下がって老廃物がたまり、シミ、そばかすができやすくなることも。血の滞りはそれ以外にもクマ、肌のくすみと美容の大敵。輝く白肌を目指すなら、体内の血をめぐらせてたっぷり肌に栄養を与えることが大切です。シミ、そばかすに効果的なのは薬膳でいうところの「活血」食材。文字どおり、滞った血のめぐりを改善してくれる食材です。おすすめはサバ。血液をサラサラにして流れを促進し、老廃物を洗い流してくれるパワーがあります。肩こり、ダイエット、婦人科系トラブルにもおすすめ!

 今回は、サバが古来郷土料理として身近な「鯖街道」を有する福井県のアンテナショップ東京・銀座「ふくい食の國291」からとっておきサバグルメをご紹介します。

サバグルメがそろうアンテナショップ

サバカンコーナー(1)
豊富なラインナップが揃うサバ缶コーナー

 2024年春、北陸新幹線が金沢からの延伸開業を控え、注目を集める福井県。「ふくい食の國291」は、2月にリニューアルオープンしました。1階は、県産品を販売するショップと観光移住情報コーナー。そして地下1階はイートインスペースとイベントスペース、県産の工芸品のショップで構成されています。約2000点もの商品が並ぶモダンなインテリアの店内には、さすが「サバグルメ王国」福井。数多くのサバ商品がそろっています。

焼き鯖寿司コーナー(2)
焼き鯖寿司も充実

骨まで食べられる、うま味いっぱいの焼きサバ

まるごと骨まで食べられる焼き魚
福井市・越前たからやの「まるごと骨まで食べられる焼き魚 サバ」

 なかでも手軽においしく味わえるとリピーター続出なのが、福井市・越前たからやの「丸ごと骨まで食べられる焼さば」(648円)。創業60余年、福井県越前町の漁港近くに加工場を構え、日本海の新鮮な魚介を使った干物やカニ加工品が高い人気を誇る「越前たからや」です。

 丸ごと骨まで食べられる焼さばは、サバに圧力釜で熱と圧力を加えることで、頭からしっぽまですべて残さず食べられる商品。やわらかくなった骨も食べられるのでカルシウムを多く摂取することが可能。さらに常温保存ができ、パックから出せばすぐ食べられる手軽さも人気の秘密です。水揚げされたサバのコンディションを確かめながら丁寧に手作業で処理。浸透力・溶解力の高いイオン水、ミネラル分が豊富でうま味、甘味が豊かな越前塩を使用して、サバ本来の味わいが引き立つ「低塩仕上げ」を実現しています。さらに、じっくりと冷温乾燥で2時間干しあげてうま味を凝縮させてから加熱。サバのおいしさをとことん引き出しています。

サバサンドにもおすすめ
サバサンドにもおすすめ

 そのままでもおいしくいただけますが、レンジ、あるいは湯せんで温めて食べるのもおすすめ。身がホグホグ、かみしめるたびにうま味がジワッとあふれる焼サバは、ご飯のおともにはもちろん、パンとの相性もバツグン。サバサンドにもおすすめです。香ばしく少しスモーキーな風味もあるので、クレソンなどの野菜と組み合わせてサラダにすると、おつまみにもバッチリ!

箸がとまらなくなる! 焼きサバを使ったご飯の素

Mikole 焼きさばごはんの素
「Mikole 焼きさばごはんの素」

 福井を代表するサバ料理といえば、サバを一尾まるごと串にさして焼いた「浜焼き鯖」。焼きサバずしをはじめ、焼きサバのアレンジ商品も豊富です。小ダイの笹漬けで知られる、小浜市の老舗水産加工販売会社・小浜海産物の「Micolle 焼きさばごはんの素」(540円)は、焼サバを混ぜご飯で楽しめる商品。Micolleは、若い女性をターゲットに地元の魚を使った調理が手軽で、見栄えもよいおしゃれな加工品を取りそろえたブランドです。

あっとう間に、焼きサバごはんが完成
あっとう間に、焼きサバごはんが完成

 焼サバごはんの素も、スタイリッシュなデザインのレトルトパウチ入り。たっぷりの香ばしく焼いたサバをニンジン、タケノコなどの野菜を合わせ、ショウガ、ゴマで風味豊かに仕上げてあります。炊き立てご飯に混ぜ込めばあっという間に、サバの炊き込みご飯が完成!

焼きサバのうま味をとことん堪能できるご飯は、コクうまで箸が止まらなくなるおいしさ。まぜ込まずにご飯の上にのせて、お茶漬けにして食べるのもおすすめ。濃厚なダシにノックアウトされるはず! ご飯だけではなく、豆腐の上にのせたり、オムレツに使ったりしてもおいしくいただけます。

サバのぬか漬け「へしこ」は絶品!

へしこコーナー
へしこの町として知られる美浜町をはじめとする、絶品へしこが並ぶ

「生き腐れ」といわれるほど傷みやすいサバの鮮度保持のために、福井では独自の加工技術が発達しています。代表的なものが「サバのへしこ」(サバのぬか漬け)。独特のうま味がクセになる味わいでご飯にも、酒の肴としても最高! 一度食べるとリピーターになるサバファンが多いのもうなずけます。

 へしこといってもつくり手によって味わいはさまざま。「ふくい食の國291」では、入口すぐに「へしこコーナー」を設置。約10種類ものへしこがズラリと並びます。

へしこ
へしこ。そのまま刺身、あるいは焼いて食べる

福井といえば銘酒でも知られています。地酒コーナーには、県内30以上の酒蔵でつくられた、個性際立つ日本酒がそろっています。ぜひ、福井のお酒とともに「利きへしこ」を楽しんでみてはいかが? また、へしこを使った加工品も多く販売されています。へしこ初心者は、まずこちらから味わってみるのもおすすめです。

へしこ刺身
独特のうま味がクセになる味わい

バーニャカウダもへしこでアレンジ

へしこバーニャカウダ
小浜市・まちづくり小浜の「へしこバーニャカウダ」

 小浜市・まちづくり小浜の「へしこバーニャカウダ」(640円)は、イタリアの郷土料理・バーニャカウダをへしこでアレンジした商品。アンチョビの代わりに、発酵と熟成によってサバのうま味と塩分が凝縮されたへしこを使用。イタリア産オリーブオイル、牛乳、サバの魚醤と麹を合わせた「鯖こうじ」などを加えて仕上げています。 地元道の駅でも大好評の逸品は、おしゃれなビンをあけるとなんとも豊かな食をそそる香り。芳醇で奥深いうま味、まろやかでコクがあるのにあと味はスッキリ。洗練された上品な味わいで、バーニャカウダ以上のおいしさ! へしこのポテンシャルに驚きます。

まろやかでコクがあるのにあと味はスッキリ
まろやかでコクがあるのにあと味はスッキリ

 バケットにのせれば白ワインのおともに最高。バーニャカウダ同様温野菜につけたり、パスタにしたりしてもよし。鶏肉にもみこんでから揚げにしたり、料理の下味に使ったりしてもワンランク上の仕上がりになりそう。多彩なお料理でへしこのうま味を楽しんで。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)