マイタケ・サトイモ・甘エビが絶品。アンテナショップで買える福井グルメ

最近なんだかやたらと眠い。夜しっかり寝ているのに日中、猛烈な睡魔で仕事にならない…。そんなときにおすすめなグルメを薬膳アテンダントの池田陽子さんが教えてくれました。今回は福井県のアンテナショップからとっておきを紹介します!

眠気やダルさもおすすめグルメで解消!

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福井県のアンテナショップ「ふくい食の國291」

 中国伝統医学の中医学では、眠気は「脾」(ひ)と呼ばれる臓器の働きが低下していると起きやすくなると考えます。脾は飲食物の消化や吸収をつかさどる臓器で、取りこんだ栄養を人間のエネルギー源である「気」に変えて、全身に送る働きがあります。いわば気を生み出す生命力の源ともいえる臓器です。

 脾の働きが低下すると、疲れやすい、だるいといった症状が現れやすくなり、睡眠時間に関係なく眠気が引き起こされることに。とくに食後に強く出る傾向があります。また、春は気が不足しているといよいよ眠気が強まりやすい季節。「春眠暁を覚えず」状態になりやすいのです。改善のために取り入れたいのは、気をスピーディにチャージする食材。イモ類、キノコ類、エビがおすすめ。とくにキノコ類のなかではもっとも気を補う作用の高いのはマイタケです。

 今回は福井県のアンテナショップ東京・銀座「ふくい食の國291」から気を補い、眠気対策におすすめの食材を使ったグルメをご紹介します。

絶品「上庄里いも」の煮っころがし

上庄里いものころ煮
大野市上田農園「上庄里いものころ煮」(540円)

 福井県大野市のブランドサトイモ「上庄さといも」。上庄地区で栽培されている大野在来とよばれる在来系統のサトイモです。緻密で身に締まりがあり、もちもちした食感と歯ごたえ、凝縮したうま味が特長のサトイモは、有名店でも高い評価を得ている食材。2017年には、地域の産品ブランドを国が保護する「地理的表示保護制度(GI)」にも登録されています。

 おいしさの秘密は、大野の豊かな自然。白山、荒島岳など1000m級の山々に囲まれた盆地は昼夜の気温差が大きく、サトイモのでんぷん含有量が増加。また、土壌も水はけがよく、山々からの清らかな伏流水にも恵まれ、良質なサトイモが育つ条件がそろっています。さらに上庄さといもは、煮崩れしにくいのも大きな特長。大野では煮っころがしで食べるのが定番だそう。大野市上田農園の「上庄里いものころ煮」(540円)は、「ふくい食の國291」でも一度食べるとリピーターになる人が続出するといわれる人気商品。自社農園で、きるだけ自然に近い状態で育てた上庄里いもを、煮っころがしにしてレトルトパウチに。厳選したしょうゆ、砂糖とともにていねいに大鍋で煮こんで仕上げたサトイモは、温めていただくのがおすすめです。

上庄里いものころ煮
栗のような甘味とうま味が口の中に広がる

 ころんと愛らしいサトイモを一口かじってみると、まずしっかりした歯ごたえ。続いてもちっとほどよくねっとり、なめらかな食感。そしてほっこりとまるで栗のような甘味とうま味が口の中に広がります。味つけは濃すぎず薄すぎず。上庄里いもの味わいを楽しめる優しい風味の煮っころがしに、ほっと心が癒やされるはずです。

森の牛肉みたいなマイタケどっさりのカレー

九頭竜まいたけカレー
昇龍「九頭竜まいたけカレー」(594円)

 福井県大野市には絶品のマイタケがあることでも知られています。大野市内東部に位置する和泉地区の特産品「九頭竜まいたけ」は、昭和60年代に町おこしの一環として栽培がスタートしました。ナラの原生林にごくまれに自生し、幻のキノコともいわれる黒マイタケを九頭竜川の源流近くに位置する、山間部の工場で菌床栽培。厳しい寒さ、澄んだ空気、豊かな水から育まれた黒マイタケは重量感があり分厚く、しっかりした歯ごたえ、豊かな香りと味わいが楽しめます。見事な見た目でギフトとしても人気。

九頭竜まいたけカレー
レトルトタイプですぐにつくれる!

 黒マイタケのおいしさを手軽に味わえるのが大野市・昇竜の「九頭竜まいたけカレー」(699円)。レトルトをあけてみると、九頭竜まいたけが本当にたっぷり! ひらひらした立派なマイタケは、まるで「牛肉」のようです。食べてみると、少し甘めのカレールーにしっかりとマイタケのうま味がしみ出して深い味わい。シコシコした食感もしっかり残って食べごたえも十分です。まさに「森の牛肉」のような九頭竜まいたけの実力を感じるカレー、ぜひ味わってみて!

甘エビグルメはねっとり感と甘味が強烈

三国湊 甘えびてんこ盛り
望洋楼「三国湊 甘えびてんこ盛り」(1240円)

 福井県といえば越前ガニ。けれど同じくらい絶大な人気を誇るのが「甘エビ」。サイズ、鮮度、時期などを限定したものは、「ふくい甘えび」としてブランド化もされています。とくに水揚げが多いのは、九頭竜川河口に位置する、坂井市三国港。海底がきれいな近海の水深200~700m付近の砂泥地で育った甘エビの味わいは、ねばりや甘味が格別として、高い評価を得ています。

 望洋楼「三国湊 甘えびてんこ盛り」(1240円)は、三国港で水揚げされた甘エビのおいしさを存分に堪能できる商品。手がけたのは、北陸屈指の老舗旅館・望洋楼。越前ガニをはじめ、日本海の海の幸を使った料理が楽しめる「美食の宿」としても知られています。甘エビは、頭つきのままだとあっという間に劣化が進んでしまいます。鮮度が高いうちに、職人が匠の技で一尾一尾ていねいに、手早くむいて超低温冷凍で保存。さらに料理長による「特製海老醤油」つき。甘エビの頭の殻をじっくりローストしてから、しょう油などの調味料で2日間も煮込んで仕上げたもので、さらに甘エビのおいしさを引き立てます。

三国湊 甘えびてんこ盛り

 甘エビてんこ盛りはそのままおつまみに、またはごはんにのせて食べるのもおすすめ。まず、解凍して甘エビそのものを食べてみます。プリプリのあとに、ねっとりしたとろみ、そして濃厚な甘味。その強烈さにたちまちノックアウト。人生史上、もっともおいしい甘エビです。失礼ながらカニが吹き飛ぶほどのおいしさ! エビならではのうまみを備えた、海老しょうゆをからめると、さらに豊かなコクが生まれます。極上のぜいたくな「甘えび丼」を堪能してみてはいかがでしょう。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)