広島サミットのデザートをアレンジ。東京湯島で味わう「縁起デザート」

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第51回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーとして活躍する木村彩乃アナが、G7広島サミットで提供されたデザートメニューをレポートします。

各国首脳が舌鼓。広島サミットのデザート

木村アナとシェフ

 2023年5月19~21日に、第49回先進国首脳会議(G7広島サミット)が広島県で開催されました。そのワーキングディナー1日目に提供されたデザートのアレンジメニューを東京でいただけるお店があるということで、スイーツには目がない筆者は、いち早く味わいたい!と早速、取材してきました。

 お店は東京都湯島にある「パティスリー ドゥ ボンヌ オーギュル」。オーナーの鈴木崇志シェフが、広島サミットでワーキングディナー1日目の会場となった宮島の老舗旅館「岩惣(いわそう)」で2021年からデザートの監修をしており、広島サミットのデザートも、メニュー開発から担当。

 そして、「各国首脳が広島で食べたものをぜひたくさんの方に食べていただきたい、広島サミットの意義を考え、知ってもらう機会にしたい」との思いから、広島サミットでのメニューをもとにしたアレンジデザートを5月22日から販売しました。

G7で提供されたデザート

 写真は実際に提供されたデザートプレートで、左から瀬戸醤油香る備前納言と和三盆の羽二重蒸し、八朔大福、もみじ饅頭、三次米(みよしまい)薫る雷おこし。ワーキングディナーでのテーマは「瀬戸内のデザートを世界に」「和洋温故知新」とし、瀬戸内の食材である瀬戸醤油・和三盆・三次米、ハッサクなどを使用すると同時に、世界へ発信するという観点から、海外の方も食べやすく、なじみがあるデザートになるよう、チョコレートを使用したり、パウンドケーキをベースにしたり、試行錯誤したそうです。

ずっしり陶器入りの「宮島プリン」

プリン

 さて、東京のお店で味わえるアレンジメニューのひとつ目は「宮島プリン」(580円)。注文後、仕上げに生クリーム・大納言・抹茶のラングドシャをのせてくれます。容器は簡易カップではなく、ずっしりと重たい陶器に入っていて、この価格はお得感がありました。なにより美しい…(※容器は変更する可能性があります)。

「和三盆と瀬戸醤油を使用し、濃厚ですが甘すぎず、味のバランスにこだわりました。口に入れたときの滑らかな食感も大切にしています。上にのせたラングドシャは抹茶をたっぷり使用しているので、それだけでとてもおいしく召し上がっていただけます」とシェフ。

重厚感があるプリンの器

 また、「瀬戸醤油はプリンにうま味と深い味わいをプラスできて、とてもよかったと思います。みたらしは海外でも人気のテイストですし、プリンにも合わせやすかった」とのこと。確かに和三盆のやさしさに加え、瀬戸醤油のコクも感じられて、とてもおいしかったです。

「しょうゆは日本の伝統食材ですので、今後もしょうゆを使ったデザートなど検討していきたい」とも話していて、広島サミットは終わったけれど、今後への広がりを感じました。

もみじ饅頭のオマージュ、「福寿の種」

もみじ饅頭をオマージュした福寿の種

 アレンジメニューのふたつ目は「福寿の種」(350円)です。瀬戸内デザートとして外せないと考えた「もみじ饅頭」をオマージュした焼き菓子だそう。平和の種を植え続けて幸せが末長く続くように福寿の種という名前にし、種の型で焼きました。

福寿の種を割ると…

 白あんの練り込まれた和の素材を楽しめるパウンドケーキはしっとり。ひと口ほおばると、小豆の粒あんが入っていてびっくり。知らずに食べたので、サプライズな幸福が訪れました。

現代版「チョコおこし」は縁起物

チョコおこし

 最後は「チョコおこし」(680円)。「おこし」は日本でもっとも古い歴史をもつお菓子で、「身をおこす」「国をおこす」にたとえた縁起物。また、日本の主食「米」が原材料であることも、今回のサミットにはちょうどいいと考えたそうです。

 おこしをチョコレートコーティングしたり、フィアンティーヌ・アーモンド・マシュマロを入れたり、現代風にアレンジしており、しっかり甘さもありました。筆者が購入したものは抹茶味ですが、ほかにもイチゴ味・ミルク味、また、いくつかまとめられる贈答用の箱入りセットもありました。

 広島まではなかなか行けないという方も多いかと思いますが、焼き菓子は全国へ発送していますし、アレンジとはいえ世界中の来賓を納得させるために考え抜かれたデザートの味わいは、ギフトとしても喜ばれそうです。

紹介したお菓子の集合

 販売期間は未定ですが、2023年内は販売しているそうです。筆者は事前にお店のInstagramで完売商品を目にしたので、お取り置きをお願いしてからお店へ伺いました。

 お店は湯島天神から徒歩5分の場所にあり「縁起のいいパティスリー」として、ダルマや梅をモチーフにした、湯島ならではのスイーツも人気です。ぜひお気に入りを探しに行ってみてください。パティシエヲタクの筆者は、すてきなシェフに出会えただけでも十分、ご利益を感じられました(笑)。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第51回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト