国産ブドウでつくった「日本ワイン」を表彰。5つ星は16ワイナリーに

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第52回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、ミスワイン2019でTOP7に選出された木村彩乃アナが、日本ワインのアワードをレポートします。

日本の優れたワイナリーを表彰するアワード

木村アナとワイン

「日本ワイン」を飲んだことはありますか? よく「国産ワイン」との違いを聞かれるので簡単にお伝えすると「日本で栽培・収穫されたブドウを100%使用し、日本で醸造されたワイン」のことです。海外の原料を国内で製品化した国産ワインと区別すべく、2015年に制定されました。

 日本のワインはあまりおいしくないと思っている方もいらっしゃるようですが、そんなことはありません。和食と合う、飲みやすい、繊細など、いろいろな特徴があり、国内外さまざまなワインを飲んでいる筆者は、日本にはおいしいワイナリーがたくさんあることを断言します。

「日本ワイナリーアワード」とは、⽇本ワイナリーアワード協議会による⼀定の基準を満たす、日本ワインのワイナリーを審査員が評価する賞で、第6回表彰式が2023年6月2日に開催されました。

 審査対象は原則、設⽴より5年以上が経過した国内ワイナリーで、2023年は全国319のワイナリーが対象に。当日は、開式・主催者あいさつ・来賓あいさつに続いて、受賞ワイナリーが発表されます。

5つ星の16ワイナリー

 最優秀の5つ星がつくのは、「多くの銘柄・ヴィンテージにおいて傑出した品質のワインを生み出すワイナリー」として評価された16ワイナリー。続いて4つ星が64ワイナリー、3つ星が104ワイナリー、そのほか、個性あるワインを生み出す「コニサーズワイナリー」として58ワイナリーが表彰されました。

 審査基準は、⾚や⽩などスタイル別で品質にばらつきはないか? 収穫年に左右されず品質の安定感があるか? などなど。とくに5つ星ワイナリーは、それらを優にクリアしたということになります。

全国各地の個性豊かなワインが集合

各ワイナリーの日本ワイン

 受賞ワイナリーは、筆者も訪れたりワインを飲んだことの場所も多く、発表を聞いているだけでも心躍りました。

 5つ星を受賞した長野県の「Kidoワイナリー」や北海道の「ドメーヌ・タカヒコ」など、なかなか手に入らない希少品で、どれもうっとりするおいしさです。

 筆者はもともと山梨県や長野県のワインをよく飲んでいましたが、ドメーヌ・タカヒコに出合ったときの衝撃が忘れられず、北海道のワイナリー巡りが趣味になり、今では九州にまで興味が広がっています。

勝沼ワイナリー

 同じく5つ星の山梨県のワイナリー、「勝沼醸造」にはブドウ果汁(ブドウジュース)もあり、アルコールが飲めない方にも大変喜ばれるので、贈り物によく利用しています。

タケダワイナリー

 行きつけのワインバーで「日本ワインならコレよ」とお勧めされた山形県「タケダワイナリー」も5つ星でした。1920年からワインづくりを始めた老舗で、約15ヘクタールにおよぶ自家農園をもっています。

 すべて紹介しきれないのが残念ですが、審査結果はインターネットにも公開されているので、興味のある方はぜひ、のぞいてみてください。

日本ワインのファンを増やしたい

廣瀬さんが選ぶワイナリー

 アワードには特別審査員として、株式会社HiRAKU代表取締役CEOの廣瀬俊朗さん(元ラグビー日本代表キャプテン)が選ぶ「特別審査員賞 廣瀬俊朗賞」もありました。「ワインとラグビー?」と思うかもしれませんが、廣瀬さんは熱烈なワインファンとしても有名なのです。

 廣瀬さんが選んだのは、北海道の「モンガク谷ワイナリー」。会場の廣瀬さんと電話を繋いだモンガク谷ワイナリーさんは、「ラグビーとワインには共通点があります。ラグビーは15人で構成され、ワインもさまざまな品種のブレンドによって完成します。それぞれのさじ加減で大きく変わるんです。ワールドカップで感動を与えてくれた廣瀬さんに選んでもらえたことを感謝します」とおっしゃっていました。

 廣瀬さんも「もともとあまり知られていなかったラグビーが世界で活躍できたように、日本ワインも、もっと世界へ羽ばたけるようサポートしたい」とお話されていました。筆者はモンガク谷ワイナリーのワインはまだ飲んだことがないので、早速、探してみたいと思いました。

 式典の最後には、アワードとは別に、日本ワインのイベントの紹介もありました。日本ワインの原料になるブドウの一種「マスカット・ベーリーA」(品種名)のワインだけを集めた「全国MBAワイン大集結2023」では、ワインの香気成分「フラネオール®︎」に焦点を当てたセミナーなども予定されているそうです。

 このように日本ワインのイベントはさまざまな形で、全国各地で開催されています。フランスやイタリア産の王道ワインももちろん好きですが、筆者は今回のアワードに参加して、日本ワインがあらためて好きになりました。興味があれば旅行を兼ねて気軽にワイナリーを訪ねることも一つの楽しみにできますし、少しでもワインが好きな人は、自分の国にお気に入りのワインがあるのはすてきなことではないでしょうか。

 日本ワインのファンが増え、おいしい日本ワインがますます増える未来を楽しみに、これからも注目していきたいと思います。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第52回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト