イチゴまみれの電車も登場「いちご王国」栃木の旬がスタート

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第63回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、栃木県からイチゴの魅力をレポートします。

栃木県は生産量日本一の「いちご王国」

集合写真

 栃木県は、イチゴの生産量が半世紀以上に渡り連続で日本一となった記念に「いちご王国・栃木」としてプロモーションをスタート。生産量は約2万4400t(2021年)で、現在まで日本一が54年続いています。

 イチゴスイーツ好きの筆者は、3年前から始まったプロモーションのひとつとして、アンバサダー活動を3期連続で担当しています。今年も筆者含め19人が「いちご王国・栃木」の国王、栃木県知事の福田富一氏より、アンバサダーを委嘱されました。

いちご王国の看板

 2023年は栃木県誕生150年で特別な年でもあり、この冬は一段と盛り上がりを見せそうです。早速10月には、県庁前の県民広場に、各品種を美術作品に見立てたイチゴのボードが設置されました。イベントは冬に集中していますが、秋の行楽シーズンの楽しみをいくつかご紹介します。

駅構内の様子

 宇都宮駅と日光駅では、イミテーションのイチゴのプランターが出迎えてくれます。このプランターには中からイチゴの香りを出す装置が組み込まれ、「いちご王国」ならではの演出をしているんです。今年度は小山駅など、県内各地に設置エリアを広げています。

フォトスポット

 駅の中は道案内もイチゴのイラストで、宇都宮駅にはイチゴのフォトスポットもありました。

イチゴのオブジェ

 栃木県庁、昭和館の前庭にはイチゴの記念碑もあります。空に向かって長く伸びたヘタは生産量日本一を表しているとのこと。碑には「万里一空」と刻まれています。 「ひとつの目標に向かって努力し続けること」という意味ですので、日本一はまだまだ続きそうですね。

イチゴのオブジェ

 大きなイチゴのオブジェや垂れ幕、県庁の窓がイチゴカラーに変わるイルミネーションなども復活しました。

いちごのラッピング電車

 県内を走る電車もイチゴだらけ。鉄道連携プロモーションとして、東武宇都宮線の路線愛称名が来年5月まで「いちご王国」ラインに変更されています。車内外にイチゴの特別装飾をまとったラッピング電車、その名も「ベリーハッピートレイン」です。

いちごだらけの電車内

 座席、つり革、中つり広告、駅名標までイチゴ、イチゴ、イチゴ。広告を読めば、栃木で楽しめるイチゴの品種を学ぶこともできます。

農業大学校に「いちご学科」を新設

いちごの大学

 2021年4月、「栃木県農業大学校」に日本で初めて「いちご学科」が新設されました。

ビニールハウスの中で木村アナ

 座学よりも現場での経験を重視し、イチゴを育てるだけでなく販売店などでも学ぶので、2年通ったあとはすぐにイチゴ生産者として巣立つことができるのが特徴です。昨年は定員の10名を超え、13名が入学。第2回入学試験の出願期間は10/10から11/17とのことでした。

違いを知って味わってほしい、イチゴの品種

 イチゴの代表的な6品種をご紹介します。写真は、毎年全国からイチゴを求めてお客さまが来る大人気の農園、小竹いちご園のイチゴです。

とちあいか

とちあいか
 県がとっても力を入れている品種です。とちおとめを超えて主力になっていくという大きな期待を背負う新品種ですので、11月頃からぜひ、見かけたら食べてみてください。

とちおとめ

とちおとめ
 甘味と酸味のバランスが抜群で、だれからも愛される品種として有名。今年も10月に初出荷がスタートしました。

スカイベリー

スカイベリー
 大きくて、上品で、贈り物に最適。筆者は、今回の栃木出張では、スカイベリーのお酒も楽しみました。果肉の粒がいい感じでした。

ミルキーベリー

ミルキーベリー
 白いイチゴで、見た目よりもしっかり甘さを感じられます。筆者は香りが大好きです。

 このほかにも小竹農園では栽培していない品種で、やわらかくて流通が難しく、地元の人は幻のイチゴと呼んでいる「とちひめ」は、見かけたら絶対に食べることをおすすめします。ジューシーさは栃木県産ならではの特徴です。

 同じく「なつおとめ」は年により7~10月に楽しめると言われていて、筆者が取材した10月10日にも出合えました。栃木県では年中イチゴを楽しめるといわれるのはこの品種のおかげです。

小竹さん

 筆者と同じくイチゴアンバサダーでもある小竹いちご園の小竹哲夫さんに今期の意気込みをうかがうと、「当農園では4品種を、おいしく安全なイチゴを目指してつくっています。アンバサダー活動では、一般の方が普段あまり目にすることのないイチゴ農家の日常をとおして、栃木のイチゴの魅力を身近に感じていただければと思います。2年目のイチゴ王国アンバサダーがんばります」と答えてくれました。

 小竹さんのInstagramには、イチゴ農家の日常やイチゴの今がわかりやすく発信されています。これから本格的にイチゴシーズンの幕開。おいしいイチゴはもちろんのこと、イベントやプレゼントキャンペーンなど参加型の楽しみも増えていくので、いちご王国の活動に、ますますご注目ください。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>
<写真協力/小竹いちご園>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を活かし全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第63回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト