頭髪にやさしくておいしい。福島県アンテナショップのとっておきグルメ

なんだか最近、抜け毛が多い。髪の毛のコシがないし、生え際や頭頂部がさびしくなってきた…。そんな髪の悩みにぴったりの食品があると教えてくれたのは、薬膳アテンダントの池田陽子さん。今回は福島県のアンテナショップで見つけたおすすめグルメを教えてもらいます。

頭髪ケアの決め手は血の量

日本橋ふくしま館 MIDETTE
福島県アンテナショップ「日本橋ふくしま館 MIDETTE」

 気になる頭髪ケアは外からだけではなく、体の中から「抜け毛を防ぎ、毛を育てる」というダブルの食養生で増毛を図りましょう。まず「抜け毛」対策で重要なポイントとなるのが「血」。中国伝統医学の中医学において、血は髪の維持や成長に大きく関わっています。古来、「髪は血の余り」=「血余(けつよ)」といわれ、血が充実して余裕があれば髪の状態がよく、その量があり、血が不足して余裕がなくなると、髪にコシがなくなったり、パサつくうえにヤセて細くなったり、しまいに抜け落ちてしまうのです。血を増やすために魚介ではイカ、野菜はニンジン、フルーツはベリー類がおすすめです。

 さらに、増毛のカギとなるのは、老化をつかさどる「腎」と呼ばれる臓器。腎の機能をパワーアップさせることは頭髪のアンチエイジングにも役立ち、髪に若さをみなぎらせることにつながります。腎に働きかけて、増毛効果が高いのが海藻類。中国ではご長寿食材とされ、豊かな頭髪維持に役立ちます。今回は、福島県アンテナショップ「日本橋ふくしま館 MIDETTE」から頭髪ケアに役立つグルメをご紹介します。

福島のキャロットラペ。ニンジンがフレッシュな「いかにんじん」

いかにんじん
ももがある「いかにんじん」(580円)

 福島県北地方で愛されている郷土料理「いかにんじん」。その名のとおり、刻んだスルメイカと生のニンジンをしょうゆ、みりん、酒などの調味料に漬け込んだ料理です。北海道の松前漬けがルーツという説があり、江戸時代末期頃から食べ継がれ、お正月には欠かせない料理です。シンプルながらスルメイカのだしがしみ込み、歯ごたえのあるニンジンが、やみつきになるおいしさで、おつまみに、おかずに、お茶受けにと親しまれています。

いかにんじん
おつまみとして日本酒にも、ワインにもぴったり

 日本橋ふくしま館 MIDETTEにもさまざまないかにんじんが並んでいますが、思わず手にとってしまうおしゃれなパッケージの商品を見つけました。それは福島市・ももがある「いかにんじん」(580円)です。
 ももがあるは、現在、福島の桃を使った商品をメインに扱っていますが、もともと、東日本大震災の影響で閉鎖が決まっていた、いかにんじん工場を買い取ったという経緯があります。ももがあるのいかにんじんは、生のニンジンの食感を大切にするため、丁寧に手切りして、スルメのだしをきかせた素朴な味に仕上げてあります。

 パリポリとした細めのニンジンは、驚くほどフレッシュで生のニンジンがもつ優しい甘味が残っています。そこにスルメのコクがさりげなくきいて、すっきりした味わい。どちらかというとお漬物というより、サラダに近い感覚。これはもう、福島が誇るキャロットラペ! あっという間に食べつくしてしまうおいしさです。おつまみとして日本酒にも、ワインにもぴったり。

ふわとろ食感にうっとりする「あおさの佃煮」

あおさと山椒
マルリフーズ「ごはんのおとも あおさと山椒」(680円)

 相馬市東部に位置する潟湖「松川浦」は、小島が点在し、古くは万葉集にもうたわれた風光明媚な景勝地。そして、「アオサ(ヒトエグサ)」の名産地でもあります。海面に青々とした「ノリ棚」が広がる風景は、松川浦の冬の風物詩。海水と淡水が混ざり合い、湾になった地形で穏やかな波のもと育まれた松川浦のアオサは、風味豊かな磯の香り、やわらかく、うま味にあふれているのが魅力。地元では、みそ汁、天ぷら、酢の物などさまざまな料理で親しまれています。

 マルリフーズ「ごはんのおとも」は、松川浦のアオサのおいしさがギュッとつまった佃煮。マルリフーズは創業以来、松川浦で養殖したアオサの加工・販売を行っています。高品質加工に徹底的にこだわり、独自の洗浄工程など高い技術によって、アオサの香り高さをさらに引き立て、風味や色合いを引き出しています。
「ごはんのおとも あおさと山椒」(680円)は、アオサをスチーム炊き製法でふっくら炊き上げ、粗びき山椒を加えた商品。ビンのふたをあけると、心地よい食をそそる磯の香り。食べてみるとふわっとした食感、なんともなめらかな口あたりにノックアウト! ピリッとした山椒の風味がアクセントになって、ご飯がすすむ、すすむ! うどんにのせるのもおすすめです。

あおさと山椒
ごはんはもちろん、うどんにもぴったり

 アオサの風味をいかした、「コクがあるのにくどさのない」ナチュラルな味わいなので、パスタやトーストにもぴったり。ごはんのおともシリーズには「あおさと梅」「あおさとわさび」もあります。

ラズベリーを使ったエレガントな味わいのジャム

ラズベリージャム
「矢祭町の木苺100% ラズベリージャム」(1000円)

さまざまなおいしいフルーツで知られる福島。日本橋ふくしま館 MIDETTEのジャムコーナーにも、選ぶのに困るほど多彩な商品が並んでいます。中でも注目なのが珍しい「国産ラズベリー」のジャム。福島県南部に位置する矢祭町で栽培されているラズベリーを使った、白河市・しらかわ五葉倶楽部「矢祭町の木苺100% ラズベリージャム」(1000円)です。
 日本で流通しているラズベリーは、90%以上がアメリカ産の冷凍もの。そんな中、矢祭町で花の育種を行う「矢祭園芸」の金澤美浩さんが、企業の依頼を受けて、日本の気候にあった育種の開発に成功しました。育種の開発は簡単なものではなく、高温多湿の日本ではラズベリーの栽培は難しいとされています。その結果、栽培までにかかった月日は15年! 金澤さんの情熱と、たゆまぬ努力から誕生したラズベリーは甘味が強く、ほどよい酸味が魅力。

ラズベリージャム
珍しい日本でつくられたラズベリー

 矢祭町の「木苺100% ラズベリージャム」を手がけた農業法人・しらかわ五葉倶楽部は、桃のジャム「ももれーど」など福島のフルーツを使用し、原料、製造工程にこだわった絶品ジャムで知られています。矢祭町のラズベリーの味わいを生かした無添加ジャムは、香り、そして甘味と酸味の調和を大切に仕上げてあります。濃く華のある香り、あと味に独特の気品がある甘味。荒々しさがないエレガントなジャムは、これまで食べてきたラズベリーとは別モノ! パンやヨーグルトにはもちろん、チョコレートやクリームチーズとのマリアージュも最高です。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)