驚くほどの酸味。盛岡「すっぱい林檎の専門店。」アップルパイを食べ比べ

―[ビビっとくる日本全国おみやげ日記]―

タイトル

リンゴの酸味に特化した「すっぱい林檎の専門店。」

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専門店が好きです。なんでもそろう大型店もいいけど、「この道一筋」といったこだわりや、専門家の目利き商品を買える喜び。

箱

 そんななか、「すっぱい林檎の専門店。」という、リンゴの酸味に特化した岩手県盛岡市の専門店の存在を知りました。…とがってるな! そういうの大好き! がぜん興味がわいたので、早速お取り寄せです。

アップルパイ5種

 今回は初心者にオススメだという「5段階の「すっぱさレベル」で味わうアップルパイ カット済み5ピース」を注文。リンゴの種類は季節によって変わるものの、すっぱさの違う5種をアップルパイで食べ比べできるという楽しげな商品です。

 酸味の違いはリンゴ自身がもつ甘さ・すっぱさの違いで、レモンや酸味料などは無添加。「品種が違うだけで『リンゴってこんなに違うの?』とリンゴの奥深さが感じられます」とのことで、早速オープン。

 1から5までナンバーが振られ、数字が大きくなるほどすっぱいアップルパイになっていきます。今回リンゴの種類は以下のとおり。

5段階の「すっぱさレベル」で味わうアップルパイを食べ比べ

中身

1:シナノゴールド
2:ゴールデンデリシャス
3:ピンクレディ
4:ビスタベラ
5:ブラムリー

 リンゴの色みが違う程度で、アップルパイ自体の外見はほぼ同じですね。それでは1→5(甘い→すっぱい)の順で食べ進めてみます。

(1)シナノゴールド

シナノゴールド

 さすがいちばん甘いアップルパイ、クリームのように甘くてまろやかです。おいしい~。
リンゴは皮ごと薄くスライスし、生地の中で蒸し焼きするように焼いているので、煮たような食感になるんだとか。

(2)ゴールデンデリシャス

ゴールデンデリシャス

 これも甘いのですが、甘さの質が1とは違いますね! 味がハッキリして濃く、なんだかジューシーです。リンゴの味を前面に出すため、バターやシナモンは不使用、砂糖(てんさい糖)は最低限の量だそうで、たしかにとてもアッサリサッパリと食べやすい。

(3)ピンクレディ

ピンクレディ

 背番号1のすごいやつが相手。このあたりから酸味を感じてきますが、まだまだ甘いです。ピンクレディは生産者の少ないレア品種で、コクのある甘さのなかにピリッとした酸味があるのが特徴だそう。

(4)ビスタベラ

ビスタベラ

 すっぱ! 酸味と甘味がトントンくらいでしょうか。キメが細かく柔らかい果肉に、キリリとした酸味が特徴の珍しいリンゴだそうです。さわやかでおいしい。さて最後はすっぱさレベル最強の「5」ですが、果たして…。

(5)ブラムリー

ブラムリー

 ぬわーーっっ!! かなり酸味がハッキリしてます。「甘ずっぱく」はないです。完全にすっぱく、酸味>甘味です。イギリス生まれの青リンゴで、糖度が低く、生で食べると渋味を感じるほどすっぱいんだとか。

 そんなわけですっぱさレベル1から5まで食べてみましたが、「3」くらいから酸味を感じはじめ、「4」「5」はかなりハッキリとすっぱい、というか「5」が段違いですっぱくてびっくりした、という感じでしょうか。

 ちなみに夫にも試食してもらったところ、「3と4がおいしかった」といってました。夫はあまりすっぱいものが得意でないのですが、「3と4」くらいはむしろおいしいということですね。

 2018年に岩手県盛岡市にオープンしたこちらのお店では、リンゴ果実はもちろんすっぱさレベルごとのリンゴジュースやリンゴジャムなどを取り扱っていらっしゃいます。食べ比べのゲーム性あり、リンゴの奥深さに触れる楽しみがあり、皆でワイワイ食べたいアップルパイだなと感じました(ほぼほぼ1人で食った)。

 とくに5のブラムリーは驚きだったので、ジュースでも試してみたいです。リンゴのなかでもすっぱいリンゴを追求した個性的な専門店ならではのスイーツでした。

イラスト

すっぱい林檎の専門店。

アップルパイ カット済み5ピース 2700円
日もち     ★★★☆☆
配りやすさ   ★☆☆☆☆
素人でもはっきり分かるくらい味に違いがあって楽しい ★★★★★

※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。

―[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第83回]―

西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。