おいしさ日本一の称号をもちながら認知度が控えめな「宮崎牛」。その魅力を広く知ってもらうため家庭でおいしく味わえるレシピを人気料理家・和田明日香さんが考えました。
20年間日本一の座を守り続ける宮崎牛
5年に1度しか開催されない全国和牛能力共進会、通称「和牛のオリンピック」。全国から優秀な和牛が集まりさまざまな成果や技術を競う大会で、宮崎牛は第9回大会から2022年の第12回大会まで連続で、日本一に輝いています。
「この大会では、体型などのよさをみる種牛の部、肉質を審査する肉牛の部があって、各部門の内閣総理大臣賞を受賞して初めて、日本一の称号が得られます。宮崎牛は20年間、日本一の座を守り抜いている唯一の和牛なのです」(宮崎県庁畜産振興課 北村明彦さん)
長きにわたり日本一を誇っているのに、認知度が低すぎるというのが宮崎県の悩み。そこで、家庭でも楽しんでもらえるレシピを人気料理家・和田明日香さんに考案してもらいました。
いちばんおいしい食べ方は焼いて塩で食べること
福岡のテレビ番組に出演していた和田明日香さんは、宮崎県の郷土料理にも詳しく家族で宮崎県に訪れたこともあるそう。家族が牛肉好きということもあり、今回の宮崎牛のレシピ考案にも気合が入ったそうです。
「いろいろと料理の試作をしました。…が、いちばんおいしい食べ方は、焼いて塩でいただくことです! 料理家いらずの食材ですよ(笑)。脂がたっぷりなのに重くなくて、さっぱりいただけます。とにかく牛肉自体が本当においしいので、肉の味を邪魔しないシンプルな味つけを考えました」(和田明日香さん)
和田明日香さん考案「宮崎のうま味ぎゅうぎゅうすき煮」
考案したレシピは、調理法も調味料もシンプルな牛すき煮。牛肉のうま味を引き立てる料理です。宮崎牛の特長は細かく入ったサシと上質な肉質、そしてオレイン酸が豊富に含まれるため豊潤な和牛香があり、火をとおしてもやわらかいこと。
「すき煮は、だしで煮込むのが一般的。でも、宮崎牛はうま味があるのでだしはいらないです。ネギや豆腐といった材料が宮崎牛のうま味でレベルアップしますよ。このお肉は火をとおしてもやわらかいままなので、ほかの具材といっしょに煮込んで牛のおいしさを具に加えることがポイントです」
●宮崎のうま味ぎゅうぎゅうすき煮
【材料】3~4人分
宮崎牛ロース薄切り肉…250g
タマネギ(くし切り)…1/2個
豆腐(木綿・水切りして2cm厚さに切る)…1/2丁(150g)
しらたき…1/2袋(100g)
米油…大さじ1.5
砂糖・しょうゆ…各大さじ2
水…50ml
【つくり方】
1. 鍋に米油を入れて中火で熱し、タマネギと豆腐を焼く。豆腐はキツネ色に焼きつける
2. タマネギと豆腐にしっかりと焼き色がついたらしらたきを加え、水分を飛ばすように炒める
3. 具を寄せて鍋に隙間をつくり、 砂糖を加えて溶けたらその上に宮崎牛をのせ、からませる
4.宮崎牛にしょうゆを加え、 からませたら水を加える。弱火にして落としぶたをして、鍋ぶたをして5分煮る
5. 味をみて、しょうゆ(分量外)を加え、鍋をゆするようにしてなじませる
「宮崎風土くわんね」で郷土料理と焼酎を
JR新宿駅南口、アンテナショップ「新宿みやざき館KONNE」の2階にある「宮崎風土 くわんね」では郷土料理をご用意。宮崎牛炭火焼きのほか、冷や汁、鶏南蛮、宮崎地鶏の炭火焼きも人気です。
また麦焼酎、芋焼酎、米焼酎など焼酎の種類が充実している宮崎県は、焼酎の出荷量が8年連続日本一! 他県にはない20度の焼酎があることも特長のひとつです。宮崎牛や郷土料理を堪能しながら焼酎もぜひ味わって。
<取材・文/カラふる編集部>