もっちりと上品な甘さ。福井県黒龍酒造が高級食パン店とコラボ

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第67回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て、現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、福井県の日本酒を使った高級食パンをレポートします。

酒蔵とパン店の業界をまたぐコラボ

黒龍酒造

 福井県永平寺町の黒龍(こくりゅう)酒造は、1804年に創業。全国に先駆けて大吟醸酒を発売したことや、大吟醸酒の市販化に成功したこと、日本一高価な日本酒などで有名な、歴史ある酒蔵です。7代目蔵元の水野正人氏は、同じ醸造酒としてワインに深い興味を抱き、フランスやドイツを歴訪し、ワインの熟成方法を日本酒に応用させるなど、常に進化し続けてきました。

酒造の酒類

 近年は8代目蔵元の水野直人氏が日本酒人口を増やす取り組みに尽力、EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチ氏や鎌倉発祥のアロマ生チョコレートブランド「MAISON CACAO」、漫画「東京卍リベンジャーズ」などとのコラボレーションで話題を呼んでいます。2023年には、酒蔵やレストランはじめ福井県の伝統工芸・自然・文化を体感できる複合施設「ESHIKOTO」をオープンしたことでも注目されました。

 その黒龍酒造が、今度は銀座の高級食パン店「銀座に志かわ」とコラボレーションすると聞き、もともと食パンのファンでもある筆者は見逃せるはずがなく、早速お話しを伺いました。

水へのこだわりから高級食パン店と意気投合

ふたりの社長

 贈り物にもなる高級食パンのお店として人気の「銀座に志かわ」。黒龍酒造との共通点に水へのこだわりがありました。「銘酒の原点は、仕込み水」という黒龍酒造は、醸造所近くに白山山系の雪解け水が湧き出ており、その伏流水を仕込み水に使用しています。
 一方、独自のアルカリイオン水を仕込み水に使用する「銀座に志かわ」は、レギュラー商品名が「水にこだわる高級食パン」であることにも、水への思いが表れています。両社の代表はその「水へのこだわり」からすぐに意気投合し、コラボの話が進んだそうです。

パンを切る前

 福井県は三国地域の名物に酒まんじゅうがあるように、もともと酒とあんになじみがありました。酒を使ったあんを食パンに使うという、黒龍酒造の水野社長のアイデアをきっかけに生まれたのが「大人のあん食パン」。まずは大吟醸の酒粕と日本酒を使ったこだわりの白あんの開発から始まりました。

 水野社長によると「大吟醸は、白米の50%以上を削っています。雑味の原因となる白米の外側を排除することで、フルーツのような香りや上品な口当たり、豊かな味わいになります。パンに使用してもらっている酒粕は、もろみの発酵だけで1か月ほど、通常のお酒より時間をかけてゆっくり丁寧に低温発酵した大吟醸の酒粕です」とのこと。

 この白あんに合わせて、パン生地は通常商品とは異なる国産小麦の生地に玄米由来の米油を使うことで、素材の味を引き出しつつ、はちみつでやさしい甘さを加えています。「日本酒に触れる機会が少なかった方にも」という水野社長の思いを受け、配合には極限までこだわったそう。炊いた黒米を練りこんだのは、「黒龍」にちなんだそうです。

お酒のように風味の変化を楽しむ食パン

パンの断面

 食パンをそのまま口に入れると、もちもちしたなかで黒米の粒がプチッと立ってアクセントになっていました。白あんの甘さは控えめで上品。白あんに使われているのはあくまで酒粕なのでお酒の味ではないけれど、甘酒のようにうま味をじっくりと感じられます。お酒が飲めない知人にも好評でした。

 焼き上がった日とその翌日に食べ比べてみたところ、翌日のほうが食感がよりモッチリしたように感じました。一緒に比較した家族は味が濃くなったように感じたそう。製造部長の竹村喜和さんに聞くと「当日は日本酒の香りが立ち、翌日は全体的に香りが落ち着き、日本酒や酒粕の味わいを強く感じるようになります」とのこと。酒の味わいが時間の経過で変化するのと同じように、パンでも風味の変化を楽しめるおもしろさがありました。

 筆者は今まで銀座に志かわのパンはカリッとトーストしてバターをのせていただくのが好みでしたが、今回の商品はトーストをしない方が酒粕を感じられました。常温、トースト、バターをのせたトーストなど、いろいろ食べ比べてみるともっと楽しめると思います。酒粕は食物繊維やビタミンB、黒米は抗酸化作用があるアントシアニンを豊富に含むことから、健康や美容に気づかう方にもおすすめというお話もありました。

パン2種

「銀座に志かわ」では、日本各地の旬の食材を使った食パンを月替わりで10日間のみ販売する企画も人気。筆者は以前、徳島の黄金鳴門金時あん、熊本の和栗あんの食パンを購入しました。3月10日までは「春爛漫」をテーマに、静岡県西伊豆の大島桜が練りこまれた「さくらあん」が販売されていました。

木村アナ

「黒龍酒造監修 大人のあん食パン」は2024年3月20日~4月19日限定販売です。3月16日からは北陸新幹線・金沢―敦賀間の開業とともに、北陸応援割「いしかわ応援旅行割」も始まりました。まずは福井のお酒を使ったとっておきのパンを味わって、旅行気分を高めてみてはいかがでしょうか。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>
<写真協力/銀座に志かわ・黒龍酒造>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を生かし、全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第67回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト