愛知県のロングセラー商品「しるこサンド」
「しるこサンド」をご存じでしょうか? 1938年愛知県小牧市生まれ、松永製菓さんのロングセラー商品です。少し前に、X(旧Twitter)で「しるこサンド」がトレンド入り、ネットは一時騒然としました。
トレンド入りの理由は、もはや国民的キャラクターとも呼べる漫画「ちいかわ」に「しるこサンド」が凶器として登場したからだったのですが、その詳細はおのおのググっていただくとして。
そんな「しるこサンド」の高級版「生しるこサンド」なるものの存在を確認。ロングセラー商品を味わいつつ、「生」とはどう違うのかということをレポートしてまいりたいと思います。
まず、定番のしるこサンドとはビスケットにあんをサンドした焼き菓子。さまざまなラインナップがありますが、いちばんよく見かけるのが袋入りでしょうか。一方、生しるこサンドは箱入り。
生しるこサンドは、しっとりビスケットにあんのクリームをサンドしたもの。サイズも大きく違いますが、「生」と言うだけあってどちらかと言うと形状はバターサンドに近い印象です。
また、しるこサンドにも期間限定で抹茶味や桜味などが存在しますが、生しるこサンドは通常「つぶあん」と「こしあん」、「抹茶」の3色入り。
「しるこサンド」と「生しるこサンド」を食べ比べ
袋から出してみると、だいぶ違うものだということがよく分かります。しるこサンドの高級版が生しるこサンドという位置づけですが、これもういわれないと分かんないな!? さっそく実食。まずは定番のしるこサンドから。
…けっこう固い!? 記憶よりビスケットがボリボリと歯ごたえがありました。たとえるならカンパンくらいの硬度でしょうか。あんの主張はそこまで強くないですが、素朴な甘さが口に広がる食べやすいお菓子です。わが家の2歳児もニッコリ。この素朴なお菓子がちいかわではあんなことになるなんて…。
さて、生しるこサンドの「つぶあん」もいただきます。
ノーマルしるこサンドとは対照的にビスケット部分がとてもやわらかくしっとりしていて、まさに「生」! バターサンドに近いと書きましたが、むしろ一般的なバターサンドよりもビスケットがほろほろと柔らかいです。絶妙な食感と卵の風味、そこにつぶあんクリーム。
そしてもう1つノーマルとの大きな違いは、しっかり甘い点。ノーマルしるこサンドがポリポリと小気味よく素朴な甘さなのであれば、生しるこサンドはしっとりどっしり甘~い、といった感じ。
母(70代)は「甘い…!」と若干おののいていましたが、息子(4歳)は大喜びで食べていました。
「抹茶味」のほうも、抹茶の風味とあんはもちろんベストマッチ。より甘いのはつぶあんの方かなと感じました。
私は「定番商品の高級版」は土産にとてもいいと常々思っていまして、自分のお土産漫画でも「うなぎパイ」の高級版「うなぎパイV.S.O.P」を取り上げさせていただいたりしました。
あんまり冒険したくない、「皆の知ってる感」はほしい、けどなんか芸がない気も…そんな絶妙なラインを埋めてくれるのが「定番商品の高級版」だと思うんですよね。その点この「生しるこサンド」はとてもいい働きをしてくれそうです。
お近くのスーパーでしるこサンドをポリポリつまむもよし、たまにはリッチに生しるこサンドを嗜むもよし。今後も「定番商品の高級版」、探求していきたいところです。
松永製菓
生しるこサンド アソート12個入り 2592円
日持ち ★★★★☆
配りやすさ ★★★★★
しっとりしっかり甘い定番土産の高級版 ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。コミックエッセイ『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』が好評発売中!