ロブションのショコラトリーがオープン。日本各地のおいしいものを生かす

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第68回:木村彩乃アナ]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て、現在はスイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーとして全国で活躍する木村彩乃アナが、本格和素材を使った究極のショコラをレポートします。

ロブションのショコラトリーが表参道にオープン

ルイ・ロブションさんと木村アナ

「20世紀最高の料理人」とも称されるフレンチの巨匠、ジョエル・ロブション。店舗は日本だと東京都内がメインですが、パンや焼き菓子も手がけているので、ロゴを見たら知っていると気づく方もいらっしゃるかもしれません。世界でもっとも多くミシュランの星をもつことでも有名です。

 ご本人は残念ながら2018年に永眠されましたが、生前の夢であったショコラトリーを2024年3月、ご子息のルイ・ロブションさんが表参道にオープンしました。店名の「エクラ ドゥ ショコラ ルイ・ロブション」には、ショコラのカケラに幸せを願う心と人生に輝きを、という願いがこめられています。

 フランスと日本にルーツをもつルイさんは、「日本の素晴らしい名産を知ってもらうきっかけづくりをすることも、私のテーマのひとつです」と、同じ産地でも優れた生産者さんを見つけることに余念がありません。幼少期から父の料理哲学を目の当たりにしてきて食材選びへのこだわりが強く、自身で何か所も食べ歩くそうです。

 たとえば静岡の本ワサビや福岡の玉露、大分のカボスなど、各地で選び抜かれた食材が、素材のよさに甘えることのないこだわりの調理法でオリジナルのショコラとなったそのひとかけらの味わいは、店名のとおりまさに輝くようです。

厳選したワサビや玉露。ショコラとの意外な組み合わせ

9個入りのショコラ

「ラ・デギュスタシオン」という9個入りの商品の1種、ワサビのショコラは、静岡県伊豆市塩谷吉郎さんの、無農薬の本ワサビを使っています。すりおろしたものをあえるだけでは安易だと試行錯誤を続けた結果、しょうゆと日本酒に漬け込んだワサビを使っています。和食の店でタレを食べたときに思いついたそうです。辛さや刺激を出しやすい食材だからこそ製法にこだわり、もちろん分量も考え抜いています。茎だけでなく葉も使い、みじん切りにして入れることで食感も楽しめるようにしました。

筆者はワサビの強いツーンという刺激が苦手ですが、このショコラのワサビは独自配合のタレに漬け込むことで、穏やかで心地いい刺激と香りになっていました。辛味と香りのバランスがよく、マイルドなので「じつはワサビ好きだったのかも」と錯覚するほどのおいしさでした。

3粒入りの商品

「ル・ジャポン」という和素材をベースにした商品は、福岡県八女市の伝統本玉露、鹿児島県喜界島の純黒糖、大分県の有機カボスをそれぞれ使った3粒です。抹茶ショコラは数多く存在しますが、玉露のショコラはあまり見かけることはないと思います。

 ルイさん曰く、「以前、父がうま味の奥深さにほれ込んだ、日本の最高峰の玉露です。NYのロブションの店舗でコラボした経緯もあったので、ショコラにしてみました。うま味と余韻のマリアージュをお楽しみください」とのことでした。玉露の苦味をマイルドに仕上げているのと、玉露とチョコを合わせた感触におもしろさを感じました。

 黒糖を使ったショコラもよくあるからこそ、国内の生産各地を食べ歩き、ショコラに合うベストな鹿児島県の松村隆之さんの純黒糖をチョイスしたそう。黒糖の雑味やしつこさがないどころか、爽快感すらあってびっくりしました。それでいながらミネラル感やコクはもちろん、深い奥行きも感じます。ダークチョコレートと黒糖の、両方の甘味を同時に楽しめる点も魅力でした。

 筆者イチオシのカボスは、大分県の國枝剛さんが有機栽培しています。みずみずしく、もぎたてを調理したんだな~と感じるショコラです。食べる前はそこまで香りを感じなかったのに、食べたら果汁がぶわ~っと広がります。ミルクチョコレートで甘さもしっかりありバクバク食べたくなってしまいますが、余韻も長く、1粒をじっくり味わうべき確かな技術と歴史に裏打ちされた完成度が感じられました。

ショコラをきっかけに知る日本の名産品

オランジェット

 商品のなかにはオランジェットもありました。オランジェットとは、砂糖漬けしたかんきつ類の皮をチョコレートコーティングしたフランス生まれのお菓子です。これこそ世界中のかんきつを知るルイさんがなにを使うのか気になる商品でもあります。

 ルイさんは和歌山県有田市の三宝柑(サンポウカン)というかんきつにほれ込んだそうです。殿様に献上されていた最高級品で、献上する際、三宝という台に載せて献上していたことからこの名前がついたそうです。

 皮本来のシャキッ、ショリッとした食感や、かんきつならではのほろ苦さも生かされ、三宝柑の味を知るきっかけになりました。ビターチョコとの相性は言うまでもなく抜群で、気づかない程度の塩味でおいしさが引き立てられているそう。

 ほかにも京都の「一保堂 いり番茶」を使ったショコラや、12年寝かせた秋田県の梅酒「悠久の梅雫」入りのショコラ、長野県の「信州ヘーゼルナッツ」、石川県の金粉があしらわれた「フォアグラ~ロッシーニ仕立て~」など、どれもこれも合わせる素材から逸品で、味わいにもこだわりがあふれていました。

「まだ見ぬショコラの新たな可能性を届けたい」という強い思いをもち、ルイさん自身の経験を生かしたショコラの数々。日本だとショコラは冬のイメージですが、季節関係なく没頭できる世界観です。今後はアイスやケーキも誕生予定ということなので、楽しみにしています。

※ショコラはセット販売のみとなります。商品ラインアップは変更する場合があります。

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>

木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を生かし、全国で食の取材を行う。

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第68回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト