パン好き必携の資格として注目を集めている「パンシェルジュ検定 」。合格するとパンシェルジュとしてパンにまつわる仕事に生かせたり、特別なイベントや体験会への参加もできたりします。和歌山県のパンシェルジュが、おいしいパンを求めて訪れたのが、和歌山市塩屋にあるクロワッサンとチャバタがメインのベーカリー。
10種類のクロワッサンが楽しめるPanpot(ぱんぽっと)
小学生の頃は、毎朝食パン1斤をたいらげ、今は国内外のパン屋巡りがライフワークという和歌山県在住の木許智佳子さん。生地の素材や焼きあがったときの小麦の香り、料理やドリンクとの相性など、パンへの探求心と愛情が深まる日々。そんな木許さんが今回おすすめするのが、和歌山市塩屋に2024年3月オープンした「Panpot(ぱんぽっと)」です。
夫婦で営む地域密着型のベーカリー。約10種類の「クロワッサン」と約6種の「チャバタ」を中心に、子どもから大人まで食べやすいパンをそろえています。そのなかでも、木許さんが絶賛するパンたちをご紹介。
ボリューム満点の「卵サラダクロワッサン」
北海道産小麦「美瑛のちから」を使用した、店の看板商品「クロワッサン」。しっかりと焼かれた表面はザクっと、中身はふんわり。約10種類あるクロワッサンのなかでもとくに人気なのが、「卵サラダクロワッサン」。
「焼きたては小麦の香ばしさが味わえ、冷めてもバターの風味が感じられる生地が特徴。中に、ゆで卵とマヨネーズのフィリングをたっぷりサンドした食べ応えのある1品です」
種類豊富なクロワッサン。季節メニューは必見
甘い系から総菜系まで約10種類の「クロワッサン」が楽しめるのも「Panpot」の魅力。とくに季節を感じられる限定商品見逃せません。
「取材時に出会えたのは、宇治抹茶使用の自家製抹茶クリームをサンドした『バイカラークロワッサン』(324円税込)。桜の塩漬けをアクセントになっていて、抹茶の風味がしっかり感じられました」
外はパリッ、中はもっちり食感の「チャバタ」
「スリッパ」という意味のチャパタはイタリアの食事パンで、パスタとの相性も抜群。ライ麦を含む3種類の小麦を独自配合。卵・牛乳・バターを使わず、オリーブオイルを練り込み、14時間発酵した高加水の生地が特徴です。
「小麦の風味がしっかりと感じられ、表面はパリッと中身はもっちりとした食感がたまりません。チャパタは6種類あり、プレーンのほか、チーズやブラックオリーブ、トウモロコシを練り込んだもの、ハムとタマネギをサンドしたものなどがあり、目移りしてしまいます」(木許智佳子さん)
自家製あんがたっぷり入った「粒あんぱん」
国産小豆を長時間煮てつくる自家製の粒あんがたっぷり入ったぜいたくなあんパン。甘さ控えめで小豆の風味がしっかり感じられます。
「パン生地と粒あんの量のバランスが絶妙においしい。表面のつやつや感とこんもりした丸いフォルムが本当にかわいらしいあんパンです」
まちのパン屋さんを目指してオープン
2024年3月のご夫婦でオープンしたベーカリー「Panpot(ぱんぽっと)」。大阪や和歌山のパン屋さんで修行した妻が製造を、夫が販売を担当しています。
「バトンショコラが3本も巻かれている『パン・オ・ショコラ』もおすすめ。チョコ好きにたまりません」
「お店に入ると、パンのいい香り。食欲がそそられ、あれもこれも食べたくなります。価格もリーズナブルなので、トレーいっぱいにパンを買う人が続出。『地域の方々に毎日食べてもらえる、まちのパン屋さんになりたい』との思いを語ってくれた秋田夫妻。自身が食べて『おいしい』と感じた素材を使い、子どもから大人まで食べやすい味に仕上げているのも魅力です」
■ショップ情報
お店があるのは、和歌山駅から車で15分ほどの塩屋街道沿い。2台分の駐車場も完備。支払いは現金のみなので要注意。夜はアルコールに合うパンを提供する「呑めるパン屋」のオープン準備中とのこと。2つの顔を持つパン屋として期待が高まります。
協力/パンシェルジュ検定運営事務局
<取材・写真/木許智佳子、文/寺川尚美>
◆パンシェルジュ 木許智佳子〈きもとちかこ〉さん(パンシェルジュ1級)
パンの素材や製法に興味を持ち、パンシェルジュ資格取得を目指す。パンの知識を得たことの喜びは、パン職人やパン好きの方との交流が深まっていること。自分好みの味を追求しながらパンつくりをしたり、友人と数種類の食パンの食べ比べなどを楽しんでいる。いつか、和歌山県のパン屋さんをはじめ、全国の食パンを集めた「食パンフェスin和歌山」を実現させるのが夢。