上越妙高のアンテナショップで見つけた米グルメでパワーチャージ

年齢を重ねるとだるい、やる気がでないなど疲れがとれないことが増えてきます。今回は、パワーチャージに役立つ、おいしいお米グルメを薬膳アテンダントの池田陽子さんに教えてもらいました。

米で「気」を補ってパワーチャージ

上越妙高 新潟食の蔵 雪國商店
上越妙高 新潟食の蔵 雪國商店

 中国伝統医学の中医学では、疲れやすい状態は人間のエネルギー源である「気」が不足した状態と考えます。気とは全身のいたるところを流れている目には見えないエネルギー。不足すると倦怠感や疲労感があるといった状態になりやすいので、しっかりと気を補ってパワーチャージに努めましょう。
 薬膳において、気を補充する基本食材といえば米。気を補い体力をつける効能があり、まさに主食としてふさわしい存在、毎日食べたい食材なのです。

 そして、お米といえば新潟。生産量日本一の押しも押されぬ「お米王国」です。新潟県の南西部の上越地域も有数の米の一大産地。上越地域のコシヒカリは10年連続で最高位の「特A」ランクの評価を受けています。今回は新潟県上越地域の特産品を販売する「上越妙高 新潟食の蔵 雪國商店」を訪ねておすすめ「米グルメ」を紹介します。

もち米「こがねもち」を使った久比岐の里「こだわりかきもち」

米ばっかかきもち
上越市・久比岐の里の「米ばっかかきもち」(530円)

 雪國商店には、米どころ・新潟の白米以外にも、もち米、玄米を使ったとっておき米グルメが販売されています。もち米のなかでも、最高品質といわれるのが「新潟県産こがねもち」。コシや粘り、香り、味の強さで高い評価を得ていて、雪國商店ではこがねもちを使った「かきもち」が大人気。上越市・久比岐の里の「こだわりかきもち」(530円)は自家栽培のこがねもちを100%使用したかきもち。久比岐の里は、全国でも先駆け的存在の農業法人。「自分たちの力で、商品の生産なら加工、販売まで行いたい」と1986年に創業され、米加工品に力を入れています。

米ばっかかきもち
止まらなくなるおいしさ

 こがねもちは、水の管理、収穫時期の見極めを誤ると粒が割れやすく、栽培が難しい品種。久比岐の里では、長年の経験ときめこまやかな管理で上質なこがねもちを栽培、収穫しています。自慢のこがねもちを使ったかきもちづくりにも、とことんこだわりがあります。杵つき製法でもちに仕上げたら、2週間かけてじっくり乾燥。時間をかけて水分をぬくことで、揚げたときにふっくらとした仕上がりになるそう。

 また、食感よく揚げられるように、厚みは1.5~2mmにカット。高温の米油で、短時間でカラりと揚げて、天日塩で味つけします。食べてみると、とんでもなくサクサク。口当たりよく、米の豊かな風味が軽やかに堪能できます。とにかく軽いので一度食べだすと、ついもうひとつ、と止まらなくなるおいしさ。空を飛べそうなほどの軽さが魅力のかきもちは、まさに無限かきもち! ゴマ、ヨモギ、のり、シソ、青大豆、アワ、キビ、白もちと8種類の味わいが楽しめるのも魅力です。

上越伝統のみそのうま味がしみ渡る絶品漬物

甘口みそ漬 大根
「甘口みそ漬 大根」(529円)

 上越市は「応用微生物学」の世界的権威で知られ、発酵学の父とよばれる坂口謹一郎博士の出身地。発酵文化が根差し、老舗のしょうゆ蔵やみそ蔵、酒蔵が多いまちです。上越市・杉田味噌醸造場の「みそ漬」も、雪國商店のベストセラー商品。

 杉田味噌醸造場は、文政3(1820)年に創業。米どころだけあって、米をぜいたくに使った「米糀」で醸す、上越地域伝統の「浮き糀みそ」を継承した「雪の花みそ」で知られています。良質な米糀、地元産のお米・大豆で仕込んだみそは、みそ汁にすると、その名のとおり「白い雪」のように米糀がふわりと浮かびます。 さわやかな発酵香、くせのないうま味が魅力です。

甘口みそ漬 大根
みそのうま味と甘味のバランスが絶妙

 みそ漬は、伝統の技で仕上げた自慢のみそに、じっくりと野菜を漬けこんだ商品。手間を惜しまず、何度も漬け替えて、ゆっくりと素材に味を浸みこませています。甘口みそ漬と田舎(からくち)みそ漬があり、野菜もさまざまな種類がありますが、今回は「甘口みそ漬 大根」(529円)を試してみました。

 黒糖などを加えた甘口みそは口当たりがよく、みそのうま味と甘味のバランスが絶妙。コリコリした食感でありながら、しっとり熟成した仕上がりの大根に、こっくりとなじんで、奥深い味わいです。炊き立てご飯とともにいただくと、お米の甘味とあいまって、なんともふくよかなおいしさ! お茶うけにもぴったりです。白い糀が浮いた漬けみそも、うま味がいっぱいなので、田楽や炒め物などの味つけにぜひ使ってみて。

玄米の食感も楽しい琥珀色の甘酒

玄気の舞
妙高市・鮎正宗の玄米甘酒「玄気の舞」(415円)

 銘酒で知られる新潟。雪國商店の三上遥加さんが、その技を使って仕上げた玄米の甘酒をおすすめしてくれました。妙高市・鮎正宗酒造の玄米甘さけ「玄気の舞」(415円)です。鮎正宗酒造は明治8(1875)年創業。新潟県内でも有数の豪雪地帯である猿橋地区に位置しています。敷地内に湧き出す、妙高山を源にして湧き上がる天然水で仕込んだ銘酒「鮎正宗」は、さらりとした甘味、雪解け水のように清らかなとしたあと味が好評を博しています。

玄気の舞
甘酒が好きではない人にもおすすめ

 玄気の舞は、玄米と玄米麹、そして、日本酒に使用する天然水を用いて、老舗酒蔵ならではの技で仕上げてあります。一般的な甘酒と違って琥珀色をした甘酒は、玄米ならではのこうばしい香り。甘味はほどよく、うま味とコクがあるのに、すっきりしたあと味。そして玄米のプチプチ食感が楽しい! かむとほんのり香ばしく、複雑さのある味わいに。玄米のフレーバーとキレのよさで、甘酒があまり好きではないという人にもおすすめです。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)