沖縄アンテナショップの豚&豆腐グルメ。「チラガー」はコラーゲンたっぷり

肌がカサカサ、目尻やおでこのシワが深くなっているなど、年齢を重ねるにつれ肌の悩みがふえるもの。薬膳アテンダントの池田陽子さんに、沖縄県のアンテナショップで見つけた、肌トラブルにおすすめのグルメを教えてもらいました。

豚肉、豆腐でうるおいをチャージ

ginza
銀座わしたショップ本店
 若々しく、みずみずしい肌をつくるには、外からのケアだけではなく、体の中からうるおいをチャージすることが大切。薬膳において肌をしっとり保ち、シワ改善におすすめの食材は、豚肉。その効能は「潤燥」とされ、しっかりと肌にうるおいを与えます。また、豆腐も全身に水分を補給し、乾燥状態を改善する優れた効能が。今回は、沖縄の食の幸がそろう「銀座わしたショップ本店」で見つけた、美肌に役立つグルメを紹介します。

むちむち食感が魅力の美肌グルメ「チラガー」

むちむちチラガー
「むちむちチラガー」(500円)

 沖縄の料理に欠かせない食材といえば「豚肉」。三枚肉を煮込んだ「ラフテー」、甘辛く味つけしたスペアリブをのせた「ソーキそば」などが、よく知られています。また沖縄では「鳴き声とひづめ以外は食べる」といわれるほど、肉だけではなく皮、内臓、足までむだなく料理に使う習慣があるんです。

「わしたショップ」にも、普段見たことのない豚の部位を使った商品がズラリと並んでいますが、「チラガー」もそのひとつ。チラガーとは「豚の顔の皮」。沖縄の方言で、面は「チラ」、皮は「ガー」とよばれることからついた名前です。地元では、炒め物、煮物、あえものなどで親しまれています。

むちむちチラガー
未体験の食感を楽しんで

 沖縄の市場などでは、まさに「顔そのもの」という「生のチラガー」が販売されています。かなりのインパクトですが、コリコリ、むちむちした独特の食感が人気。そして低カロリーで、コラーゲンがたっぷり含まれた美肌にもうれしい食材です。

 中頭郡読谷村(なかがみぐんよみたんそん)の沖縄ハム総合食品(通称:オキハム)の「むちむちチラガー」(500円)は、チラガーをしょうゆ、みりん、ニンニク、ゴマ油などを加えたタレで煮込み、食べやすくカットした商品。そのままでもいただけますが、湯せんかレンジ加熱して食べるのがおすすめ。

 ほどよくタレがしみたチラガーは、まったくクセがなく商品名のとおり「むちむち」。そしてコラーゲンたっぷりがよくわかる、とろりとした食感です。豚足に近いプルプル食感ですが、舌でおすととろけるくらいのなめらかさ。そしてところどころ軟骨がコリコリ。ちょっと未体験の食感ですがハマるおいしさ! そして明日のお肌は、絶対プルプルになる予感に満ちています。ぜひ、一度トライしてみて。

カリっとした食感が魅力「豚皮スナック」

TONPI
「TONPI」(540円)

 わしたショップでは「豚皮」を使ったグルメも好評。豚皮は、高タンパクで、糖質ゼロという体にうれしい食材です。この魅力をいかすべく開発されたのが島尻郡南風原町(しまじりぐんはえばるちょう)「日新ミートフーズ」の「TONPI」(540円)。ブランド豚「金アグー」の皮を使った「豚皮スナック」です。

「アグー」とは、中国から約600年前に伝わった在来種の豚。原種の飼育頭数は少ないため、西洋種と交配させて誕生したのが金アグーです。アグー本来のうま味を引き出すために、独自の飼料を開発。発酵させた泡盛粕、トウモロコシのくきや種などを配合したエサを与えて育てます。その味わいはやわらかくてクセがなく、脂肪の融点が低いため、甘味がありジューシーな脂を堪能できます。

TONPI
お酒のおともにぴったり

 TONPIは、金アグーのいちばんやわらかい「背皮」を食べやすくスライスして、短時間で高温加熱。ノンフライでカリカリした食感を楽しめるヘルシーなスナックです。金アグーならではの、うま味もギュッと凝縮。そのおいしさを楽しめるように、味つけは沖縄産の塩のみ。無添加で仕上げてあります。

「風味がよく、パリパリポリポリした食感で止まらなくなる」とリピーターが続出する人気商品。紹介するスパイシー風味は、ターメリック、コリアンダー、クミン、フェネグリーク、陳皮などのスパイスで味つけしてあります。せんべいばりに、カリッ、ポリッとした歯ごたえ、ブレンドされたスパイスの風味が絶妙なバランスで、たしかに食べだすと止まらない! そしてかんでいるうちに、ジワジワとしつこくない豚皮の脂とうま味がしみ出してきます。ビールやハイボールも止まらなくなるはず。

豆腐ステーキにしても絶品「島豆腐」

おばー自慢の島豆腐
「おばー自慢の島豆腐」(453円)

 沖縄を代表する郷土料理「チャンプルー」に欠かせない食材「島豆腐」には、一般的な木綿豆腐や絹ごし豆腐とは大きく異なる特長があります。一般的な豆腐は、大豆を水に浸漬させて、すりつぶしてドロドロになった「呉(ご)」を煮てから、こしてつくられています。一方、島豆腐は、呉を煮ることなく絞った豆乳と生おからに分けてから、にがりなどを加えてから煮込み、凝固させる「生絞り」が伝統的な方法。そのため大豆本来の風味がいきた仕上がりに。

 タンパク質も一般的な豆腐より豊富です。型に入れてしっかり水きりをしているので、固くてずっしり。その重さは、一般的な豆腐の3倍! 固さがあるおかげで、炒めものにしてもくずれずにかたちが残り、食べごたえがあります。また、塩が入っているため、大豆の甘味がより引き立つ仕上がりになっています。

おばー自慢の島豆腐
重さは、一般的な豆腐の3倍!

 わしたショップにも、さまざまなメーカーの島豆腐が並びますが、絶大な人気を誇るのが那覇市・ひろし屋食品の「おばー自慢の島豆腐」(453円)。最近では労力や生産効率から、一般的な豆腐の製造方法に切り替えるメーカーも多いなか、ひろし屋食品では伝統の生絞りで、手間ひまかけた豆腐づくりを行っています。

 大豆を生のまま絞り、地釜に入れて直火で沸騰させてから海水からつくった天然のにがり、塩、水を加えます。型に入れてから重しをして25分かけて水をきり、最後にプレスして仕上げ。独自製法で風味を損なわずに、真空パックにすることに成功したので、できたてのおいしさを楽しむことができます。

おばー自慢の島豆腐
豆腐ステーキにしていただくのがおすすめ

 チャンプルーなどの炒めものにもちろんぴったり。また豆腐ステーキにするのもおすすめ。水きりの必要がなく、こんがりとした焼き上がりになります。大豆のうま味と甘味とコクが際立つ仕上がりで「肉超え」のおいしさ! バツグンにおいしい豆腐ステーキが完成するのでぜひ、お試しを。

―[日本全国アンテナショップでゆる薬膳/池田陽子]―

池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)