―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第7回:木村彩乃アナ]―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、キャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、夏に食べたいおすすめの京都のお菓子2種をレポートします。
甘納豆とナッツを使ったジェラート
まずは、唯一無二のコンセプトにひかれたジェラートをご紹介します。1926年創業の甘納豆屋、斗六屋(とうろくや)から2023年に生まれたばかりのブランド『SHUKA』です。SHUは種、KAは菓。種と糖だけでつくるお菓子というコンセプトで、「甘納豆の技術を世界に届けたい」という思いのもと4代目の近藤健史さんが立ち上げました。
甘納豆用の豆(斗六豆・瑞穂大納言小豆・丹波黒豆)を使いながら、甘納豆になじみのない世代にも好きになってほしいと新たにナッツ(カカオ・ピスタチオ・カシューナッツなど)を取り入れ、豆やナッツ=種として、構想から5年。牛乳などは使わず、種にこだわって豆乳を使った植物性ジェラートです。食品添加物不使用で最初は少し固めですが、練っているとおいしい食感に変わります。
植物性でも濃厚で満腹感あるジェラート
筆者のイチオシは、高級な白花豆を使用した『斗六豆バニラ』です。斗六豆の甘納豆をつくるときに出る煮汁を使っているので、アップサイクルな商品でもあります。なおかつ、豆のうま味が強く、意外にもバニラが引き立て役に。さらに驚いたのが、ジェラートに豆本来のホクホクとした食感があったことでした。イモやクリに近い食感と言ったらわかりやすいでしょうか。
より濃厚なものが好みの人は瑞穂大納言小豆、もっとコクを感じたい人は丹波黒豆がおすすめです。ともに地場産の豆で、京都を感じられるフレーバー。ちなみに豆のジェラートは満腹感も高めだなと感じました。
いちばん人気は『スーパーグリーンピスタチオ』です。若摘みの鮮やかな緑色にこだわっていて、合わせる豆乳は湯豆腐で有名な南禅寺豆腐に使われています。濃厚ながらも豆由来の臭みがないので、若くさっぱりしたピスタチオもしっかりと感じられます。
熟練した職人が伝統製法で生み出す「らむね」
もう1種ご紹介したいのは、「昔ながらの京らむねどすえ」と書かれた『京の鈴らむね』です。製造元は創業63年の岡本製菓。「京菓子業界のなかでは、まだまだ歴史も浅く小規模な会社です」と謙遜されていましたが、製造現場には80歳の職人を筆頭に23歳の若手職人見習いまでいると聞くと、さすが京都だなぁと思います。
「氷菓はあまり食べないけれど夏らしいお菓子を」と考える人にぜひお届けしたい、あっさりしてやさしい口どけの、ついパクパクと手がのびるお菓子です。
繊細で京都らしくはんなりした涼しげな色合いは、すべて天然着色料を使用しています。安心して食べられるやさしさが見た目にもにじみ出ていますよね。コロンと丸い形もかわいく、鈴の音を想像しながらいただく楽しさがあります。
ラムネは、湿式製法という和菓子の伝統的な技法を使った、日本発祥の菓子といわれています。熟練した和菓子職人がひとつずつ丁寧につくっているからこそ、ひと味違うのかもしれません。打ち菓子・落雁なども17世紀以降に誕生した日本のお菓子で、同じ製法だそうです。
筆者ははじめて食べたとき、ゆっくりながらもシュワシュワととろける食感のよさはもちろんのこと、どこか懐かしいようなぬくもりに包まれる感覚に、とりこになりました。
営業部の岡本さんにおすすめの食べ方を伺ったところ「お好きな食べ方で召しあがってください。私の好みの食べ方は口に入れたあと、少し溶かして甘酸っぱさを感じてから、ホロホロっとした食感を楽しんでいます」とひかえめに教えてくれました。
夏向け盆菓子として『お供えらむね』や、『清夏』という金魚や清流のさわやかなラムネもありました。機械ではつくれない、手づくりならではのその食感をぜひ、この夏は堪能してもらいたいです。
<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)、写真協力/岡本製菓、斗六屋>
木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を生かし、全国で食の取材を行う。
―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第7 回:木村彩乃アナ]―
地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト