1930年代に日本にやってきた「ロシアケーキ」
皆さんは「ロシアケーキ」をご存知でしょうか。母(70代)は「あらっ、ロシアケーキ? 懐かし~」といっていて私(30代)は知らなかった、そんな感じの「ハイカラ洋菓子」のようです。
今回は東京都東村山市に本社のある「洋菓子ホワイエ」さんからお取り寄せしてみました。早速包み紙を開けていくと、
「ケーキじゃなくてクッキーでは?」という声が聞こえてきそうですが、これが「ロシアケーキ」、別名「ロシアンクッキー」。
2度焼きしたクッキーにジャム、クリーム、チョコレート、ナッツなどを乗せたもので、固めのクッキー生地にやわらかめの生地をのせて焼き上げるのが最大の特徴なんだとか。
1930年代にロシア(当時のソ連)から日本に渡った洋菓子職人のスタンレー・オホッキーが日本に製法を伝えたとされる「ロシアケーキ」。つまり、「ロシア人の伝えたクッキー」というニュアンスなので、ロシアで「ロシアケーキ」といっても伝わらないそうです。名古屋の名物が台湾ラーメンみたいな話?
そしてこちら、いまいち伝わらないかもしれませんが、クッキーにしてはだいぶデカいのです。小ぶりな手のひらサイズといった感じでしょうか。
こちとら大きいスイーツは大歓迎。パールチーズ、パンプキンフラワー、チョコシード、ブルーベリーサン、キウイフルーツ、ピーナッツホワイト、エディマカロンの7種を早速いただいていきます。
洋菓子ホワイエのロシアケーキ7種を食べ比べ
「パールチーズ」
2度焼きが最大の特徴というだけあって、生地の食感がまず印象に残りますね。ソフトクッキー部分はサブレっぽさもあり、一般的なクッキーよりほろほろとソフトでおいしいです。ホワイトチョコ入りのチェダーチーズペーストは甘いのとしょっぱいのが混ざった好きな味。ちょっとチーズせんべいを思い出します。
「パンプキンフラワー」
ホワイトチョコにパンプキンシード。シンプルな構成なのでいちばん生地のおいしさが伝わってくるかもしれません。それにしてもこのボリューム、ケーキと呼ぶのも分かる。1枚120~130kcalと、効率的に肥えることもできそうです。
「チョコシード」
ココア味の生地にチョコペースト、松の実。生地もチョコペーストも濃厚なチョコの味わいでガツンと甘い。松の実も香ばしくてうれしいですね。
「ルブーベリーサン」
オーソドックスなタルト型にブルーベリージャム。これパッと見はイチゴジャムなのかと思っていたので意外でした。甘味と酸味、ジャムのねっとり食感がおいしいです。
「キウイフルーツ」
ブルーベリーサンのキウイジャムバージョン。ちゃんと甘酸っぱいです。これだけ包装になにも記載がなかったのでネットで調べ直すまで「謎の緑色のジャム」でした。
「ピーナッツホワイト」
ホワイトチョコとクラッシュピーナッツ。おいしくないわけがない。というかロシアケーキはそもそも生地が絶品なので、どれもだいたいおいしい。
「エディマカロン」
こちらのみ「クッキー生地+ソフトクッキー生地」ではなく、「クッキー生地+マカロン生地」。メレンゲにピーナッツの粉末を練りこんだ生地を焼き上げたものにホワイトチョコ。これもマカロン部分の食感が違ってザクザクとおいしいです。
そんなわけで7種食べ終わりましたが、ホワイトチョコが特に生地と合うと感じたので「パンプキンシード」がいちばん好きでしたでしょうか。
今や「レトロかわいい」「懐かしの」といった冠が当てはまるジャンルのお菓子だと思いますが、デザインといい大きさといい、数個あるだけでパッと華やかな印象があり、お土産やおもたせにも重宝しそうです。年齢層によっては「懐かしい!」と話題になるかも?
落ち着いた、でも華やかな土産ものが欲しいとき、ロシアケーキを選択肢に入れるのはいかがでしょうか。
洋菓子ホワイエ ロシアケーキ10個入り 1296円
日もち ★★☆☆☆
配りやすさ ★★★☆☆
レトロかわいさ&おいしさ ★★★★★
※紹介した商品は、取材時に販売されていたものです。同じ商品がない場合や価格変更、すでに販売終了している可能性もありますので、ご了承ください。
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。コミックエッセイ『ゴミ屋敷住人の祖父母を介護した話』が好評発売中!