ケーキみたいなおはぎ。乙女心わし掴みのカワイイお土産2選

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第1回]

ビビっとくる日本全国おみやげ日記

西園フミコ

 はじめまして! 石川県生まれ東京都育ち、漫画家の西園フミコです。「おみやげどうしよう?」という漫画を描いたご縁で、今回このコラムを書くことになりました。

 さてさて、お土産のもつ魅力はさまざまあれど、私はその「自由さ」にグッときています。「記念」「思い出」「ご当地色」に重きを置かれるお土産は、普通のお菓子やグッズよりずっとユニークなものが多く、なんといっても「自由度が高い」気がします。

 美しい見た目であったり、意外な組み合わせであったり、ダジャレ一点突破であったり……果てしなく広がりを見せているのがお土産なんじゃないかと思うわけです。

 そんなわけで、毎回テーマごとに、個人的にビビっと来た全国のステキなお土産をご紹介できればと思いますので、気楽にお楽しみください。

いくらでもいけるおはぎと勝手にパリを感じられるカップケーキ

 さて、第1回目は「とにかく映える!乙女心わし掴みの進化系カワイイお土産」。近年のSNS映えブームの中でも燦然と輝く、いま私が最も乙女心を鷲掴まれている、カワイイお土産を東西1つずつご紹介したいと思います。

 1つ目は東京都世田谷区、「タケノとおはぎ」のおはぎ。

タケノとおはぎ

 まずは東京の「タケノとおはぎ」から。まるでケーキかドーナツかという見た目ですが、たしかにあの「おはぎ」なんです。お店には四季折々の食材を駆使したおはぎが常時7つ。すでに行列のできる人気店なため、ご存知の方も多いかもしれません。この進化系おはぎを求めて2019年12月某日、桜新町へ向かいました。

黒板

 店頭の黒板が教えてくれる「本日のおはぎ」はつぶあん、こしあん、麻の実ときなこ、干し芋とビーツ、ナッツ、ザクロとココナッツ、金柑と日高昆布。

 …ココナッツ? 金柑と? 日高昆布?? おはぎで??? 期待と不安が高まる中、7種入りをオーダー。1つからでも注文でき、3つ入り、5つ入り、7つ入りが選べます。

タケノとおはぎ

 いそいそと帰宅後、まずは王道の「こしあん」「つぶあん」から。ひと口食べると、とってもお餅が柔らかい! 一般的な「おはぎ」よりやや小ぶりかつアッサリした甘さなので、いくつでもいけそう……100個食べたい。

 「麻の実ときなこ」の麻の実の香ばしさ、「ナッツ」のザクザク食感と豊潤なうまみ、「干し芋とビーツ」のゴロゴロとした干し芋の楽しさ、「金柑と昆布」は金柑の爽やかさと昆布が不思議にマッチしていて、どれもすごくおいしい。

 なかでも一番感動したのは「ザクロとココナッツ」。ふわふわの白いココナッツに鮮やかなザクロの紅、という外見だけでもかなりグッと来ていたのですが、思わず「おいしい!」と口に出すほど。ココナッツの独特の甘みにザクロの酸味が合わさって、不思議に餅や餡とマッチしているのです。

ザクロとココナッツ

 店名の「タケノ」はオーナーのおばあ様のお名前で、おばあ様の作るおはぎが大好きだったことからつけられたとか。温故知新の進化系おはぎに大満足できました。

 2つ目は兵庫県芦屋市、「プティビズ芦屋」のカップケーキです。

「プティビズ芦屋」のカップケーキ
 
 続いては兵庫の「プティビズ芦屋」。こちらは焼き菓子とカップケーキを中心に取り揃えたお店。今回は定番商品「ビジュー」と、季節限定「雪の結晶デコレーションカップケーキ」をいただいてみました。「ビジュー」はカップケーキ4個、メレンゲ、ジャムサンドクッキー、フロランタン、こんぺいとう、ドラジェ、のギフトセットになります。

プティビズ芦屋

焼き菓子

「タケノとおはぎ」が「和」ならばこちらは「洋」の、メルヘンな世界観。「プティビズ(petit bisou)」はフランス語で、「ほっぺにキスのあいさつ」という意味だとか。甘めのペールカラーを中心としたデザインのお菓子たちは、箱をあけただけで気分はもうパリ。

 まずは、季節限定「雪の結晶デコレーションカップケーキ」から。カワイイ!のは言うまでもありませんが、近くで見ると結晶のアイシングが複数層重ねられていて、とても細かい仕事がなされていることがわかります。

プティビズ

 通販も食べ頃を見すえ、手作りだというカップケーキは、スポンジケーキのようなふんわり食感。砂糖細工のシャリシャリ感と控えめな甘さが、紅茶やコーヒーにとてもよく合います。セットの焼き菓子たちもとても美味しく、特に「こんぺいとう」の色彩とコロコロとした見た目がとても気に入りました。

気分はパリ…
 
 さて、今回はとにかくカワイイ東西お土産をご紹介しましたが、あらためて感じられたのは、お土産のもつ、日常に華を添えるエネルギーでした。現在子守と仕事に追われている私は「乙女」「映え」とは程遠いありさまですが、「今夜はすごく美しいお土産がある!」というだけでメキメキと精神力が回復するのを感じました。

 包みを解いた瞬間のときめきは「贈り物」であるお土産にとって重要ポイント。特に「タケノとおはぎ」は男性ファンも多いそうなので、「カワイイ!」と驚く顔が見たい人へ、贈ってみてはいかがでしょうか?

おじさん(夫)の感想

『タケノとおはぎ』
7種入り 1,790円(税込)

日持ち      ★☆☆☆☆
配りやすさ    ★★★☆☆
驚きとときめき  ★★★★★

【公式Facebook】
【公式Instagram】

『プティビズ芦屋』
「『ビジュー』カップケーキ、メレンゲ他〈6種〉」3,100円 (税込)
「雪の結晶デコレーションカップケーキ」700円 (税込) ※季節限定

日持ち      ★★★★☆
配りやすさ    ★★★★☆
乙女心鷲掴み度  ★★★★★

【公式ホームページ】

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第1回]

<イラスト・文/西園フミコ>

西園フミコさん
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のお土産をとりあげる「おみやげどうしよう?」を連載(全4巻 4巻は2020年4/8発売)