尻子玉、うんこ…名前がアレだけど実はおいしいお土産シリーズ

―[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第2回]―

ビビッとくる日本全国おみやげ日記

アレなお土産たち

 個人的にビビっと来た全国のステキお土産をご紹介するこの連載、第2回のテーマは「アレなお土産たち」。一体何にビビっときてるのか。

「食べ物で遊んではいけません」

 誰もがそう教わるはず。が、お土産売り場をご覧ください。「ゴリラの鼻くそ」(島根)、「鹿のデカうん」(奈良)、「ちんこすこう」(沖縄)。そこにはめくるめくウンコちんちんワールドが広がっており、食べ物と相性最悪の下ネタが堂々とまかり通っています。見た目の工夫がすごい。ちんこって言っちゃってるし。

 そんなアレなお土産たちの中でも、私が特にド肝を抜かれた「かっぱの尻子玉入りカレー」「パンダのうんこ」の2つを今回は実食レビューしていきたいと思います。実食したくなーい。したーい。アンビバレンツな気持ちに揺れる30代自営業。

かっぱの尻子玉入りカレー

パンダのうんこ

 まずは「かっぱの尻子玉入りカレー」から。こちらは兵庫県の神埼郡福崎町観光協会が発売しているパウチのレトルトカレーで、パッケージにはおどろおどろしいかっぱの「ガジロウ」の姿が。かっぱは人間を水中にひきずり込み、尻子玉を抜く…というエピソードくらいまでは皆さんご存じかもしれませんね。

 ちなみに尻子玉とは、人間の肛門内にあるとされる“架空の”臓器。これを抜かれた人間はフヌケになったり死んでしまったりするそうです。キャンタマとは別の臓器なんですね。そんなに知りたくはなかったですね。

 さて、このカレーの特徴は「尻子玉」を表現するために「うずらの卵」がカレーの具として入っているということ。さっそくパウチを5分ボイルし、ご飯にかけていただきます。

かっぱの尻子玉入りカレー

 具もゴロゴロと大きく、肝心のうずらの卵こと尻子玉も豪華に3つ入っています。これが…例の…とおののきつつ口に入れると、少しピリ辛(中辛程度)のカレーで美味しい。キーマをベースにしているという、ややもったり目のルーはご飯が進みますし、尻子玉もカレーの辛さとマッチしてパクパクいけます。

うずらの卵

 福崎町は、柳田國男(日本の民話・伝承の研究で有名な民俗学者)が幼少期を過ごした“民俗学のふるさと”。妖怪を町おこしにPRしているため、このどうかしているお土産も確信犯的なもので、狙いががっちり成功している例だなと感じつつ、じっくり尻子玉を噛みしめるのでした。

ご当地カレー

売り切れになる?パンダのうんこ

 お次は「パンダのうんこ」。

パンダのうんこ

 その正体は「抹茶味の麩菓子」で、東京・上野駅構内にある「上野ランド」限定商品となっています。老舗お麩メーカーによる手作りなため、売り切れの場合もあるとか。

 上野のおみやげといえばパンダ、パンダと言えば上野。「パンダのうんこ販売所」(パンダのうんこ販売所?)によれば、

・パンダは主食の竹を十分に消化することが出来ないため、緑色のうんこをする
・麩菓子「パンダのうんこ」の大きさは、子どものパンダのうんこと同じくらいの1個約5cm

 とのこと。かわいい赤ちゃんパンダのうんちだと思えばパクパクいける気がしませんか? しませんわ。

 さて、かじってみると、抹茶の風味が濃い! パリパリサクサクの麩菓子と抹茶の組み合わせがなんとも草っぽく、風味がリアル! 笹味! かわいい赤ちゃんパンダがムリムリとこぼしたうんちをひょいパクひょいパクと拾って食べる風景が目の前に広がります。これはまさに本物のパンダのうんこ!

 作者がうんこっ食い(※蕎麦っ食いのイントネーションで)になったところでまとめに入りますが、普段は怒られそうな商品もお土産ならシャレで済まされる治外法権ぶりもお土産の魅力の一つ。

 取り返しのつかない事態になりたい時や大切なあの人へ、贈ってみてはいかがでしょうか?

モリモリ食べる母

福崎町観光協会『かっぱカレー(5箱セット)』
2850円(税込)

日持ち      ★★★★★
配りやすさ    ☆☆☆☆☆
尻子玉      ★★★★★

【公式ホームページ】はhttps://fukusakikankou.stores.jp/

パンダのうんこ販売所『パンダのうんこ3箱セット 抹茶味』
1782円(税込)

日持ち      ★★★★★
配りやすさ    ☆☆☆☆☆
迫真度      ★★★★★

【公式ホームページ】はhttps://www.pandanounko.com/

―[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第2回]―

<イラスト・文/西園フミコ>

西園フミコさん
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から「おみやげどうしよう?」を連載(全4巻 4巻は2020年4/8発売)