北海道の隠れたスーパーフードとして知られるハスカップ。栄養がたっぷりのフルーツが、北海道中川町のアンテナショップで買えると教えてくれたのは、薬膳アテンダントの池田陽子さん。ハスカップをつかったおすすめグルメを紹介します。
栄養豊富なハスカップ
北海道ならではのフルーツとして知られている「ハスカップ」。北海道に自生するスイカズラ科スイカズラ属の植物で、5~6月にかけて筒状の白い花が咲き、その根元に青紫色の小さな果実を実らせます。ハスカップはもともとサハリンやシベリアなどの寒冷地に自生し、渡り鳥によってその種が北海道に運ばれたといわれています。愛らしい名前はアイヌ語で、枝の上にたくさん実るものをさす「ハシカプ」からきているもの。その味わいは、酸味が強めで甘酸っぱくジューシー。現在は特産品として栽培が盛んになり、ジャムやお菓子などによく使われています。
ハスカップは、ビタミンCやアントシアニンなどさまざまな栄養素を多く含んでいるのも魅力。じつは、中国伝統医学の中医学において、ハスカップは「金銀花」とよばれる生薬と同族の植物。体の余分な熱をとり、解毒をうながす作用があるとされ、風邪、化膿、皮膚炎、のどのはれや痛みなどの改善によいとされています。夏バテにも役立ち、中国では金銀花のお茶は暑い時季の定番です。今回は北海道中川町のアンテナショップ「ナカガワのナカガワ」をお訪ねして、ハスカップグルメを紹介します。
甘味と酸味のバランスが絶妙なハスカップジャム
中川町もハスカップ栽培が盛ん。さまざまな商品に加工されていますが、匠舎「ハスカップジャム」(700円)は、約25年前に販売がスタートして以来のロングセラーです。使用するハスカップは自社農園で育てたもの。苫小牧や美唄などから移植された木のなかから、独自に選抜を重ね、「深く濃い甘味」「酸味が余韻に残るさわやかな風味の果実」の栽培に成功。丁寧に1粒1粒手づみして、デリケートな実をつぶさないように気をつけながら、じっくり煮つめます。
果実感のあるブリザードタイプのジャムは、食べごたえ十分。味わいはブルーベリー+プルーン+レーズンといった感じ。しっかりした甘味とコクがあり、追いかけるように酸味がひろがりスッキリとしたあと味。森の中でつみ取った果実を口にしたような、ナチュラルな味わいが楽しめます。
おいしさが2通り楽しめるウインナー
ナカガワのナカガワで、ハスカップを使ったユニークな商品を発見! 匠舎の「ハスカップ&チーズウインナー」(600円)です。匠舎で高い人気を誇る手づくりのウインナーは北海道産豚肉を100%使用。羊腸に詰めてパリッとした食感、ジューシーな味わいが楽しめます。ハスカップ&チーズウインナーは、ドライハスカップとプロセスチーズ入り。冷たいままいただくとハスカップの酸味が際立ってワインにぴったり、温めるとチーズがとろけてウイスキーにぴったりになるのだそう。
そのまま食べてみると、確かにハスカップの酸味がきいて、さわやかな味わい。冷えた白ワインがさらにキレよくすすみます。焼いたものをかじると、パリっと香ばしくチーズがとろり、ハスカップの豊かな甘味が広がり「ハスカップチーズソースがかかったウインナー」といった感じ。たしかにウイスキーのおともにぴったり。ハスカップのおいしさとともに、2WAYで味わえる魅力的なウインナー、ぜひお試しを。
池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)