―［地方創生女子アナ47ご当地リポート／第76回：木村彩乃］―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の情報をお届け。今回は、NHKでのキャスター・リポーターを経て現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、希少な梅を使った期間限定のスイーツをレポートします。
福井県でのみ栽培される「紅映梅」
福井県は梅の生産が盛んで、農林水産省によると2023年の収穫量は和歌山県・群馬県に次いで全国第3位です。『紅映（べにさし）梅』とは、福井県産の梅の発祥地といわれている三方五湖（みかたごこ）湖畔の若狭町で生産されている在来種で、現在も福井県でしか栽培されていない貴重な品種です。
特徴は、果肉が厚く、種が小さいこと。酸味の成分が少なく、うま味成分を多く含んでいることから、まろやかな味わいで果物のような甘酸っぱさがあるといわれます。その味わいを生かして、福井県おおい町「企業組合うめっぽ」では「完熟梅ゼリー」や「完熟梅ジャム」などさまざまな製品を販売しています。
北陸新幹線が福井県敦賀まで延伸したことから、若狭湾観光連盟が「梅とスイーツで福井県と東京をつなぎたい」とのコンセプトで、東京のパティスリーとのコラボレーション企画をスタートしました。
紅映梅を使ったスイーツ2種
東京都の清澄白河と渋谷にある「アンヴデット」と、そのラグジュアリーブランドとして八重洲にある「アンヴデット リュクス」というパティスリーで、紅映梅を使ったスイーツが展開されています。第1弾は終了してしまいましたが、第2段は2024年9月10日から。「9月中は確実に楽しめます」というお話しでした。第2段のスイーツは2種あります。
●トロぺジェンヌUME
「トロぺジェンヌ」とは、フランスの銘菓でブリオッシュ生地にクリームをはさんだもの。アンヴデットでは、生地に梅シロップを染み込ませたあと、カスタードクリームと、刻んだ梅コンポートを挟んでいます。
フランスの有名店で勤務していた森大祐シェフならではの発想です。シェフは「梅っておもしろいんですよ。モモとかリンゴは、甘く煮たら甘くなるでしょう？ でも梅は、フルーツのように甘く煮てもすっぱいままなんです。その甘酸っぱさが、甘いスイーツにとても合うんです」と話しました。
早速いただいてみると、濃厚なクリームの真ん中で梅コンポートの酸味がキリっと引き立てられていておいしい！ なにより梅の香りがふわわわ～っと広がり、あと味まで華やか。生地からも梅を感じられるし、しっとりしているのでクリームとなじんで、残暑の時季にぴったりな味わいでした。梅というと梅干しのイメージでしたが、「梅はフルーツとしてのポテンシャルが高い」というシェフの言葉に納得です。
紅映梅100％の梅酒をスイーツの味変に
2つ目のスイーツ、「ババ」はフランスやイタリアでは有名なお菓子で、アルコールを効かせるのが特徴。梅といえば梅酒。森シェフは梅酒品評会の審査員も務めており、200種以上の梅酒を吟味して、甘いものからすっきり飲めるもの、さまざまなる味わいの梅酒を知りくしています。
●ババ・オ・UME
アンヴデット リュクスでは、ふわふわな生地にシロップを染み込ませてあり、自家製バニラジェラートとコンポートした梅が添えられ、さらに好みで梅酒をかけていただきます。
今回用意されたのは『BENICHU』という福井県の梅酒ブランドから、紅映梅を100％使用したノンシュガー・微糖・たる熟成の3種です。「同じブランドで異なる味わいを楽しめる展開は珍しいんですよ。デザート自体はアルコールなしで仕上げているので、好みの味を選んで味変してほしいです」とのこと。生地は梅を感じられる糖度に抑えていますし、自家製バニラジェラートやコンポートした梅と組み合わせると何通りもの味変が楽しめます。
コラボ企画として、これらのスイーツを食べてアンケートに答えると、梅酒や梅ゼリーなどのプレゼントもあるそう。まだまだ暑い日が続く2024年、おいしい紅映梅のスイーツで元気をチャージしませんか？
＜取材・文・撮影／木村彩乃（地方創生女子アナ47）＞
＜写真協力／ENVEDETTE Luxe、若狭湾観光連盟、若狭三方ビバレッジ株式会社＞
木村彩乃アナ
千葉県出身。宇都宮CATVからNHK釧路放送局キャスター・リポーターを経て現在はフリー。アナウンス業のほか、スイーツコンシェルジュ・ショコラアドバイザーなど製菓関連の資格を生かし、全国で食の取材を行う。
―［地方創生女子アナ47ご当地リポート／第76回：木村彩乃アナ］―
地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト
