飯豊連峰のふもとにある山形県飯豊町は、良質な米の産地として有名です。今回は、薬膳アテンダントの池田陽子さんが、飯豊町のアンテナショップで買えるお酒とどぶろくを使ったケーキをご紹介。
体を温め、気の巡りをよくする効果もあるお酒
薬膳において、人間のエネルギー源である「気」を補うパワーがあるお米。ピカピカに炊きあがったご飯はもちろん、お米を使ったお酒でも、気をチャージすることが可能です。お酒は「百薬の長」ともいわれますが、中国伝統医学の中医学においても酒は薬として、古くは「酒剤」として用いられ、「酒療」という言葉もあるほど。体を温め、気や血の巡りをよくする効能があるとされています。今回は、山形県飯豊町のアンテナショップ「IIDE」から、日本酒、そして飯豊町ならではの、どぶろくグルメをご紹介します。
アンテナショップ限定のオリジナル日本酒
東京・高円寺駅にある「IIDE」。飯豊町は山形県南西部、最上川の源流部に位置し、総面積の80%以上が山林という緑豊かなまち。飯豊連峰の山々に抱かれ、雄大な白川が流れる田園地帯です。
飯豊町で唯一の酒蔵「若乃井酒造」。明治23(1890)年創業、飯豊・吾妻連峰など豊富な水源となる山々に囲まれて育った酒米、清流・野川の超軟水を使って、米本来の香りや味わいを引き立てた酒づくりを行っています。「IIDE」には常時、豊富なラインナップを常備。
全国燗酒コンテスト 第8回金賞を受賞した「特別純米酒 若乃井」や、特別純米酒「若乃井」を天然の雪を活用した貯蔵施設「雪室」で低温貯蔵、季節とともに移り変わる味わいが楽しめる「四季シリーズ」などを販売しています。
また、IIDEのみで販売される「高円寺純情純米酒」(550円)にも注目。オリジナルのワンカップは、IIDEのために特別に飯豊産「はえぬき」でつくった純米酒です。フルーティで、すっきりした味わい。店内で販売されている玉こんにゃくや、ぬか漬けとともに楽しんでみては? 高円寺名物の阿波おどりの風景を模したイラストもかわいいパッケージで、お土産にもぴったりです。
どぶろく特区の「どぶろくケーキ」は芳醇な味わい
飯豊町ならではのお酒といえば「どぶろく」。飯豊町は「どぶろく特区」として認定されているのです。中津川地区では冬が近づくと、地元で収穫されたお米、良質な水、麹、酵母を使って、毎年仕込みが行われます。口当たりがよく、豊かな発酵感のあるどぶろくは、多くのファンをもつ逸品。
その味わいをスイーツで楽しめるのが、飯豊町の菓子店「香月」の「どぶろくケーキ」(170円)。生地にはアーモンドプードル、卵、バター、はちみつ、そしてどぶろくを入れて焼き上げたパウンドケーキです。
しっとりなめらか、やわらかな食感のケーキは、最初は卵やバターの風味を感じますが、食べるうちに「どぶろく」のこくがジワジワあらわれます。こっくりした芳醇な味わいが深みを添えて大人のケーキに。どぶろくのおつまみにもなりそうです(笑)
池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)