新潟の希少なナシ「ル・レクチエ」のスイーツフェス。とろ~りなめらか食感が魅力

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第78回:木村彩乃]―

全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化など地方の魅力をお届け。今回は、NHKでのキャスター・リポーターを経て、現在はスイーツコンシェルジュとして全国で活躍する木村彩乃アナが、新潟県の洋ナシ「ル・レクチエ」を使ったおいしいスイーツをレポートします。

三条市周辺で栽培される幻の西洋ナシ「ル・レクチエ」

ルレクチェ断面

「ル・レクチエ」は、「ラ・フランス」と同じフランス原産の洋ナシの一種です。ラ・フランスはとろんとした果肉の中からザラッとした食感がありますが、ル・レクチェは、よりとろりとなめらかなのが特徴。

 農林水産省によると新潟県は国内洋ナシの生産量が令和4(2022)年度第2位。信濃川流域の豊富な水資源と肥沃な土壌の恩恵を受け、なかでも高級西洋梨のル・レクチェは全国の約8割が、三条市を中心に栽培されています。

 繊細で栽培が難しいル・レクチエは「幻の西洋ナシ」とも称されるほど希少。収穫後に一定期間保存して熟成させる「追熟」をすることで、芳醇な香りとなめらかな果肉が完成します。旬は短く、11月下旬から12月に楽しめる特別なフルーツなのです。

 三条市は地域が誇る果物の魅力を発信するため、2024年8月から首都圏の人気パティスリーと連携し、三条産フルーツを使った限定スイーツを販売する「季節のフルーツフェス」を展開しています。12月1日(日曜日)~12月25日(水曜日)の第3弾のフルーツは第1弾、第2段のモモ、ブドウに続き、「ル・レクチェ」。参加するパティスリーは都内の9ブランドです。

ルレクチェのスイーツと木村アナ

 フルーツ大好きなスイーツコンシェルジュとしてはだまっていられません。早速、取材に行ってきました。もともとル・レクチェ自体の風味はラ・フランスに比べ、口に入れた瞬間に高く広がる印象をもっていましたが、今回の取材でそれは思い込みに過ぎず、シェフの扱い方や使われるスイーツによって、感じ方が変わることを実感しました。

ゴロっと大きな果肉がジューシー。ケーキとエクレア

ショートケーキ

 最初に食べたのは、新潟県・渡辺果樹園のル・レクチエを使用した「INFINI depuis 2020 (アンフィニ)」による「ル・レクチェのショートケーキ」です。「ル・レクチェの果肉感やジューシーさを感じてもらいたく、大き目にカットし、サンドしました」とパティシエの金井史章さん。おっしゃるとおり、こだわりのスポンジの中にゴロっと果肉が入っています。

「乳風味も甘さもしっかりありながらキレがいい」という乳脂肪分42%フレッシュクリームがたっぷり使われ、やわらかくとろけるようなル・レクチエの味と香りが交ざり合い、ほんのり酸味もあって相性のよさが感じられました。

 下にはキャラメルカスタードクリームの層があり、キャラメルにはリンゴの果汁を使っています。「洋ナシに似たフルーティさがあるから」だそう。春夏秋冬、国産の果物にこだわり目利きが鋭いシェフらしい構造です。トップにかかったシナモンシュガーもよいアクセントとして、さらにル・レクチエの味を引き立てていました。食べていると最後は再びクリームの風味が広がり、ル・レクチェのはかなさが感じられ、香りが移りゆく美しさを堪能できました。

エクレア

 2つ目は「ル・レクチェのエクレール」。こちらも同果樹園のル・レクチエを使用しています。TOPにシャンティキャラメル(キャラメルのクリーム)、中にキャラメルカスタードクリームの2種が仕込まれ、そのなめらかさや香ばしさがル・レクチエと合わさり、とってもおいしい。

 角度を変えて見ると、ル・レクチェがドーーーーン!と迫ってきます。とってもフレッシュでジューシーでしたたるような果汁が、かむたびにナッツが乗ったエクレア生地にしみ込んでいきます。もう1個買っておけばよかったと後悔したほど。

 新たにル・レクチェが追熟されると、パリパリのパータフィロ(極薄のパイ生地)に丸ごとル・レクチエを乗せたデザートや、週末・本店限定で出すタルトなど、まだまだ予定があるそう。キャンペーン期間中、目が離せません。

クロワッサン生地ともマッチ。取り寄せも可

ルレクチェのパン

 最後は「Eclat des Jours(エクラデジュール)」で「ジャルダンフリュイ・ル・レクチエ」を購入。ジャルダンフリュイとはフランス語で果実の庭という意味で、パンの上にはル・レクチエが実る庭のように果実がたくさん乗っています。

 オーナーシェフの中山洋平さんの実家は有名な老舗ベーカリーで、お店のショーケースにはいつもケーキと、上にはパンが並んでいます。「ル・レクチエは、ねっとりとした食感、上質な洋梨らしい濃厚な味わいと、香りが特徴的なフルーツです。エクラデジュールでは、クロワッサン生地と合わせることで、テクスチャーの違いでそれぞれのメリハリを楽しめるように、おつくりしています」と中山シェフ。

ジャルダンフリュイルレクチェ

「乗せただけですよ~」なんて謙遜されていましたが、パリパリとしたクロワッサン生地を食べていたら、中からしっとりとしたクレムダマンド(アーモンドクリーム)も出てくるサプライズ。メリハリの楽しさはもちろんのこと、生地のバターの香りと、豊潤なル・レクチエの香りがマッチし、ひと口食べれば虜になること間違いありません。ル・レクチエ自体には少しシャキシャキ感がありました。調理法によっていろいろな顔が見られ、こちらも1個ではたりなかったので、また買いに行きたいです。

スイーツ3種

 キャンペーンスイーツは都内のみですが、ふるさと納税や、新潟直送計画などのサイトでお取り寄せも可能です。
 希少といわれているとおり、筆者はル・レクチエを毎日スーパーで探していますが、単体の購入はオンラインがベストな気がしています。この冬は「幻の西洋ナシ」を味わってみませんか?

<取材・文・撮影/木村彩乃(地方創生女子アナ47)>
<写真協力/新潟県三条市>

―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第78回:木村彩乃アナ]―

地方創生女子アナ47
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