米どころとして有名な新潟県。東京にあるアンテナショップでは、お米を使ったおいしいアイテムが販売されています。薬膳アテンダントの池田陽子さんが、元気が出るお米グルメを選んでくれました。
疲れやすいときに食べるべきはお米
なんだか最近疲れがとれない…。そんなときは「お米でパワーアップ」がおすすめ! 中国伝統医学の中医学では、疲れやすい状態は人間のエネルギー源である「気」が不足した状態と考えます。気とは全身のいたるところを流れている、目には見えないエネルギー。不足すると疲労、倦怠感、やる気がでないといったトラブルを引き起こしてしまいます。しっかりと気を補ってパワーアップに努めましょう。
薬膳において、気を補充する基本食材といえば米。お米を中心とした食卓は日々のエネルギーチャージに役立つのです。そして、新潟県は生産量日本一の押しも押されぬ「お米王国」です。今回は、新潟県アンテナショップ「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」で見つけた、とっておきお米グルメを紹介します。
白ワインにぴったり! ハーブ&チーズ風味の洋風せんべい
お米を使ったおやつといえば、せんべい。THE NIIGATAは他の追随を許さないほどのせんべいパラダイス! そのなかでもユニークな商品を発見しました。新発田市・さくら製菓の「バジルモッツァレラ」(410円)はハーブとチーズで仕上げた洋風のせんべいです。さくら製菓は1950年創業、新潟県産のお米と全国の厳選された素材で、精米から味つけ、包装までを一貫して製造。新潟のお米のうま味を、最大限に引き出した商品を送り届けています。
バジルモッツァレラは、新潟県産コシヒカリを使用した生地にバジル・オレガノ・タラゴンと3種のハーブに、カマンベール・チェダー・モッツァレラチーズをブレンドして味つけ。お米のつぶつぶをいかしたカリッとしたせんべいに、ハーブの香り、チーズのコクが加わって、新鮮な感覚。白ワインやシャンパンに、ぴったりの味わいです。
ほろりととろける米粉を使ったクッキー
THE NIIGATAには、お米を使ったスイーツも数多く並んでいます。スタッフの佐藤あかねさんが「その名のとおり、ホロッとした食感なんですよ」とすすめてくれたのが柏崎市・かしわ堂の「米ほろり」(540円)。新潟で親しまれているせんべい「カルシウムせん」で知られるかしわ堂が手がけた、新潟県産米粉と小麦粉をミックスした生地が特徴の「口の中でほろりとほどける」食感のクッキーです。
「米ほろり 雪国ほうじ茶味」は、日本における北限の茶所である村上市の「雪国ほうじ茶」を使用。渋味が少なく、まろやかな味わいのお茶、国産バター、隠し味に天日塩を混ぜこみ焼き上げてあります。
ころんとしたクッキーをかじると、やさしいサクサク食感のあとに「ホロホロ」。確かに「ほろり」! 上品なほうじ茶の豊かな風味が「ほろり」とともに、口の中にとろけていきます。おしゃれなパッケージでお土産にもぴったりです。
コシヒカリのおいしさを堪能できる「おかゆ」
THE NIIGATAにはお米、お米加工品がズラリとそろいますが、新潟のお米のおいしさをおかゆで堪能するなら、五泉市・ヒカリ食品の「レトルトパウチ入りおかゆ」はいかが? ヒカリ食品は代々受け継がれた農家。新潟が誇るすばらしいお米の味わいをもっと多くの人に知ってもらいたいと「おかゆ」に特化した製品開発を始めました。
お米は新潟三大名産地のひとつである、岩船産コシヒカリを使用。濃厚な甘味、うま味と歯ごたえのある食感がおかゆ向きなのだそう。お米を炊く水は地元・五泉市で自噴する良質な水。さらに、製造工程にもこだわり、一度炊いてからパウチに入れるのではなく、うま味や栄養価をいっさい逃さないように独自の製法でパウチに閉じ込めています。
シンプルな白がゆから、さまざまな味つけのものまで幅広いラインナップがありますが、今回は「とりがらほたてがゆ」(270円)をチョイス。5分づき精米したコシヒカリを鶏がらスープ、米油、焼き塩などで味つけして北海道産ホタテ貝柱を加えて仕上げたおかゆです。
温めていただくと、まろやかで洗練された味わい。お米のやさしい甘味を消すことなく、ほんのりと鶏がらスープとホタテがうま味を添えて、心が穏やかになり、体が喜ぶような「滋味あふれる癒し系」。驚くことに、冷たいままで食べても美味! まるでお米の冷製ポタージュのよう。こだわりおかゆのポテンシャルを実感できるはずです。
池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)