沼津の美食イベントを武相荘で開催。絶品アジフライも登場

駿河湾に面し、温暖な気候で知られる静岡県沼津市。富士山観光の拠点としてもおなじみのエリアです。そんな沼津の食を体感できるイベント「NUMAZU 富士の麓の美食体験会 in 武相荘」(東京都町田市)が開催。その内容をご紹介します。

沼津の食の魅力を盛り込んだ、プレミアムイベント

武相荘レストラン入口

今回のイベントの舞台は、実業家・白洲次郎氏と、その妻で文筆家の白洲正子氏ご夫妻ゆかりの『レストラン&カフェ武相荘』。沼津市にある沼津御用邸西附属邸は、もともと正子氏の祖父・川村純義伯爵の別荘であり、沼津市は正子が幼い頃より何度も訪れるなど縁の深い場所でもあったことから、実現しました。

来場者と料理の様子

 イベントには一般のお客さまのほか、白洲夫妻の長女である牧山桂子ご夫妻、「OAD世界のトップレストラン」レビュアーランキングで2018年から6年連続でNo.1を獲得しているフーディーの浜田岳文氏らが出席。さらに沼津市の出身で、「燦々(さんさん)ぬまづ大使」を務める俳優の磯村勇斗氏もテーブルを囲みました。

沼津の恵みを生かしたブランド食材

沼津市賴重市長

 まずは、主催者の沼津市の賴重秀一市長がご挨拶。「沼津市は富士山を望み、世界一深い駿河湾を有する土地です。とくに駿河湾は全国でもトップ10の水質のよさを誇ることでも知られています。また富士山系からの水で育った魚のおいしさも格別。そして牛肉や野菜など、大地の恵みを生かしたブランド食材もたくさんつくられています。そんな沼津という土地が生んだ食の魅力を、ぜひ堪能していただけたらと思います」。

冬と春の競演をテーマに、名産品がコース仕立てで登場

大中寺芋巾着仕立て

<椀 大中寺芋巾着仕立て>
 沼津のサトイモを使ったお椀。今回、巾着に仕立てた大中寺芋の底には、2025年の巳年にちなみ、ヘビの形をした、大根の飾り切りが。目にも楽しく、冷えた身体が温まる一品。

真鯛、鯵の刺身

<造 真鯛、鯵>
沼津の内浦漁港より獲れた真鯛とアジ。枯れ葉と氷であしらわれ「霜柱立つ武相荘の庭」をイメージした盛りつけに気分が上がります!

牛すねの煮物

<炊 牛すね>
じつは海の幸だけでなく、お肉のクオリティも高い沼津市。愛鷹山麓裾野で育ったあしたか牛のスネ肉は、柔らかく煮込まれ、口の中でほろりととろけます。牛肉の上には菜の花、下には地元の野菜「ねがた白ねぎ」のペーストが。

真鯛と蕪の蒸し物

<口 真鯛 蕪>
沼津育ちの鯛を、頭、骨と余すところなく使っただし汁に、鯛の白身、みぞれ仕立てのカブ、プチヴェールを合わせた一品。

鯵フライと生姜結び

<揚 鯵フライ>と<飯 生姜結び>
内浦漁港から直送された、新鮮なアジをフライに。地元の名産・戸田塩をつけていただきます。戸田塩は駿河湾の黒潮から、昔ながらの製法を守ってつくられる塩で、しっかりとした味わい。一等米「するがの極」をショウガでさっぱり炊き込んだご飯も一緒に。ショウガの風味が上品に漂います。

焼きみかんと芋餡最中、緑茶

<水菓子 焼きみかん>と<甘味 芋餡最中 緑茶>
デザートは、沼津市で栽培されている「西浦みかん」を、武相荘のレストランの外にある囲炉裏端で焼きました。炭火の優しい香りに、会場からは喜びの声が。甘味もより強く感じられ、趣向が凝らされた一品です。さらに、大中寺芋を裏ごししたあんでつくった最中をぬまづ茶とともに。コースの締めくくりに相応しい、上品な味わいでした。

日本酒「白隠正宗」

今回、お料理とともに楽しんだのが、沼津市を代表する日本酒「白隠正宗」。静岡県産の酒米、そして富士山から雪解けした水を使ったぜいたくな日本酒は、きりっとした辛口な味わいで、お魚はもちろん、肉や野菜との相性も抜群!

脇役と思われがちな「塩」が放つ存在感に感動!

浜田氏と沼津市長

 会の締めくくりには世界No1.フーディーの浜田氏から感想が。「魚や肉はもちろんですが、ネギやカブの甘さなど、野菜の味のまろやかさが印象的でした。そして戸田塩は、沼津の海と大地の豊潤さを感じられた食材でしたね。塩は料理のなかでは脇役と思われがちですが、アジフライと一緒にいただいた戸田塩はしっかりとした存在感を放っていると感じました」。

 賴重市長も、「自然に恵まれた沼津には、本日紹介した食材はもちろん、まだまだおいしいものがたくさんあります。地元の空気を味わいながら、沼津の食の魅力に触れていただけたら、さらなる幸いです」とアピールする沼津市。東京からは新幹線や車でわずか1時間ほど。食と自然の魅力がつまった土地・沼津市の新たなグルメを見つけに、出かけてみてはいかがでしょうか。

「燦々(さんさん)ぬまづ大使」磯村勇斗さんの沼津インタビューはこちら!

撮影/林 紘輝 取材・文/石井絵里