肌が乾燥して困る…。そんなお悩みには、外からのケアだけではなく、体のなかからうるおいをチャージすることが大切です! と話す、薬膳アテンダントの池田陽子さんにおすすめの“食べる保湿フード”を教えてもらいました。
石川県アンテナショップのグルメ3品を紹介
中国伝統医学の中医学において、しっとりした美肌づくりの要となるのが「肺」とよばれる臓器。肺は皮膚との関連が深く、肌にうるおいを与えたり、その表面をガードしたりする考えられています。そのため、肺の働きが弱ると肌にその状態が現れて、肌が乾燥しやすくなるのです。つまり、肺がうるおっていれば肌はしっとり保てるということ。いくら高級な美容液を塗ったり、エステに行ったりしたとしても、肺が乾燥したままでは意味がないのです。そんな肺をうるおわせる食材を取り入れて「食べる保湿」を心がけましょう。
おすすめはレンコン。肺をうるおわせ機能を高めるとともに、血液の流れを促進して美しい肌をつくる効果が高い野菜。また牛乳やヨーグルトも、全身にうるおいをたっぷりチャージしてくれます。また、肉では豚肉がおすすめ。その効能は「潤燥」。文字通り、乾燥を防いで潤いを与える作用があるんです。今回は石川県アンテナショップ「八重洲いしかわテラス」を訪ねて、大人気のヨーグルトと豚肉グルメ、絶品レンコンを紹介します。
ごほうび気分で味わいたい「能登ミルク」の飲むヨーグルト
八重洲いしかわテラスで高い人気を誇るのが、七尾市和倉の和倉市に本店をもつ「能登ミルク」。能登の酪農家6軒と契約し、能登半島の豊かな自然のなかで育った「農薬不使用の牧草のみ」を食べて育った乳牛の生乳だけを使用しています。牛にストレスをかけない環境づくり、ほかの生乳と混ざらないように専用タンクやタンクローリーを用意、殺菌時間は通常120℃で2~3秒のところ、牛乳特有のにおいを出さないために60℃で1時間半かける…。
酪農家とともに徹底的にこだわった生乳は、芳醇な甘味、優しい味わいが魅力。アジア最大級の食イベント「FOODEX JAPAN」でも金賞を受賞するなど、高い評価を得ています。原料に能登ミルクを使った「能登ミルクヨーグルト」も絶品。
とろりとしたヨーグルトは、飲んだ瞬間からなめらかすぎる舌ざわり。飲んでいるとひたすらナチュラルで、体におだやかにしみこんでいくよう。酸味もマイルドでふくよかな風味、ほどよい甘味。そして、あと味も優しい余韻。「なんとも気品あふれる」飲むヨーグルトは、ごほうびにぴったりのぜいたくな味わいです。
いしるのうま味が際立つ「能登豚のみそ漬け」
緑豊かで、塩分を含んだ潮風がふく能登半島は、畜産業も盛ん。ブランド豚「能登豚」は、もちもちした食感とかむほどに広がる甘味が魅力です。そのおいしさがとことん堪能できるのが「のとのみそ漬 能登豚」。羽咋郡志賀町に位置する、明治37年創業の老舗肉店「寺岡畜産」が手がけた商品です。
能登豚の肩ロースを少し甘めの特製白みそにじっくり漬け込んであります。さらに隠し味は、能登半島ならではの調味料「いしる」。イカやイワシなどを塩漬けにして発酵・熟成させてつくられた魚醤のいしるを加えて、能登豚のうま味を引き立てています。
フライパンでじっくり蒸し焼きにすると、香ばしいみその香りが食欲をそそります。こんがり焼けた能登豚は、食べるともちもち、しなやかな食感。しっかりとしみこんだ、こっくりしたみその風味のなかに、能登豚ならではの甘味が優しく感じられます。そして、なんとも不思議な「あと引く感じ」。
みそだけではない「奥行きのある味わい」はおそらく、いしるの効果! みそ、いしる、能登豚のしみじみため息がもれるようなおいしさったら(涙)、ひと口で食べるのがもったいないほどです。そしてひと口でご飯がぐいぐいと進みます。特筆すべきはフライパンに残るであろうみそのおいしさ。能登豚の脂とうま味がしみこんだみそでまたまた、ご飯が止まらなくなること間違いなし(笑)
優しい味わい、ハニーマスタード風味のピクルス
石川県を代表する加賀野菜といえば「加賀れんこん」。加賀藩五代藩主・前田綱紀のころから栽培されていたとされる歴史あるレンコンは、シャキシャキとモチモチを兼ね備えた食感、奥深い味わいが特長です。そのおいしさをピクルスで堪能できるのが、金沢市・KAMIYAの「金沢のピクルス 加賀れんこんとハニーマスタード」。金沢のピクルスは、品質にはなんの問題もないのに規格外となってしまった野菜を使用し、長期保存可能なピクルスにしたシリーズです。素材がもっともおいしい旬の時季に合わせて生産、酸味をおさえて素材の味をいかした保存料や添加物一切不使用のピクルスは、八重洲いしかわテラスで多くのファンをもつ人気商品です。
加賀れんこんのピクルスは、粒マスタードとはちみつをあわせて仕上げてあります。レンコンはピクルスになってもちっ、シャキッ。マスタードのピリッとした辛味とほのかな、はちみつの甘味が優しい味わいの加賀れんこんにピッタリ。一度食べだすと止まらなくなるおいしさです。おしゃれなボトルで手土産にもぴったり。
池田陽子さん
薬膳アテンダント、食文化ジャーナリスト、全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。宮崎県生まれ、大阪府育ち。立教大学社会学部を卒業後、広告代理店を経て出版社にて女性誌、ムック、また航空会社にて機内誌などの編集を手がける。カラダとココロの不調は食事で改善できるのでは? 関心から国立北京中医薬大学日本校に入学し、国際中医薬膳師資格取得。食材を薬膳の観点から紹介する活動にも取り組み、食文化ジャーナリストとしての執筆活動も行っている。趣味は大衆酒場巡りと鉄道旅(乗り鉄)。さばをこよなく愛し、全日本さば連合会にて外交担当「サバジェンヌ」としても活動中。近著に『中年女子のゆる薬膳。』(文化出版局刊)『1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日』(JTBパブリッシング)ほか、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)