つるり、とろ~り。富山湾のホタルイカを使ったぜいたく海鮮丼

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(9)]―

 女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。《第9回》

海も山もある富山県の魅力を発信

富山はま作

 おいしいご飯のおともを探しに、東京のアンテナショップを巡っていますが、今回訪れたのは、富山県のアンテナショップ「日本橋とやま館」。

 富山といえば、日本海に面し、天然の生け簀とも呼ばれている海の幸が豊かな富山湾、そして山側には標高3000mを超える日本の名峰、立山連峰があり、名水の里としても知られています。そして名物といえば、ますずし、白エビ、ホタルイカ、お米、日本酒など海山の幸の宝庫でいっぱいです。東京からは北陸新幹線に乗ると2時間ちょっと。おいしいおすしを食べに友人と訪れたこともあります!

 「日本橋とやま館」を訪れたのは3月、まずは富山の幸を体験しようと、併設のレストラン「富山はま作」に寄りました!

 ランチで選んだのは、ここだけの海の幸を堪能したく、プチぜいたくに「富山海鮮丼」(小鉢、お味噌汁、お刺身付き。2,980円税込)。富山米のご飯の上に、富山湾で獲れたお刺身がのっています。

刺身丼

 この日のお刺身は、カニ、白エビ、カニみそ、ホタルイカ!! 白エビのお刺身は、とろりとしていて身がしまっていて、小さくても濃厚なうま味です。小さいエビをここまできれいにお刺身にするのは、丁寧な細かい作業が必要。ホタルイカも、きちんと処理されていて、目玉や吸盤もとってあり、つるりとしてまったくクセがありません。カニとカニみそも、もちろん期待に応えるおいしさです。

わっぱ丼

 一緒にいた友人は「富山米わっぱ」(小鉢、お味噌汁、漬物付き、1,530円税込)。白エビのから揚げ、鮭、シラス、イクラ、シイタケ、山菜がのっています。白エビのから揚げもおいしいのでおすすめ!

つるり、とろ~り。絶品ホタルイカの塩辛は丼やパスタにも応用

 富山湾の名産の1つホタルイカ。旬は2月下旬から5月中旬で、東京でもゆでたものが出回っていて、食べたときに目玉がプチっと口に残ったり、肝の苦味があったりするのが印象的。1つ1つが小さいので、下処理を丁寧にすると手間がかかります。でもちゃんと手をかけてあれば、つるりとしてほかのイカとは違う、独特のおいしさがあるのです。

 そんなおいしさを求めて手にしたのが、「ほたるいか塩辛」(1080円税込/180g 株式会社川村水産)。

ほたるいかの塩辛

 新鮮なホタルイカを真イカの肝であえた塩辛。ホタルイカの目玉を1匹1匹ていねいに取り除いてあると表示されていたのが目を引きました。

ほたるいか皿
 
 つるり、トロ~リ! ホタルイカの塩辛です。このまま日本酒の肴にもぴったりの味わい。新鮮さにあふれ、やわらかい身からうま味が口いっぱいに広がります。

塩辛ごはん

 白いご飯との相性も、もちろん抜群!!! 何度もおかわりしたくなりますよ~。

お店の味を再現!ホタルイカの塩辛がポイント、ちょっと豪華な富山風海鮮丼

 白いご飯にのせただけでは、朝食か夜の〆ご飯になってしまうので、ランチや夕食のちょっと豪華な海鮮丼に仕上げました。あつあつのご飯にお刺身をのせると、お刺身がぬるくなってしまっておいしくないので、ここでは粗熱をとったすし飯にしました。

ホタルイカのちょっとごちそう海鮮丼

 ホタルイカの塩辛が決め手です。添えるお刺身はなんでもいいのですが、食べやすく一口大に切って、ワサビじょうゆに漬けます。こうすると、おしょうゆの小皿を添えなくても、大丈夫。キュウリの角切りを混ぜると、その食感ですっきり! 新鮮なお刺身とホタルイカの塩辛の濃いうま味、最後まで飽きずにいただけます。

塩辛丼

【材料】2人分
ご飯…茶碗2杯分
すし酢…大さじ2
刺身…適量(写真はハマチと帆立の貝柱)
キュウリ…1本
しょうゆ・ワサビ…各適量
「ほたるいか塩辛」…大さじ1
青ジソ…2枚

【つくり方】
1 ご飯は熱いうちにすし酢を混ぜる。
2 刺身は一口大に切り、わさびを溶いたしょうゆに5~10分漬ける。キュウリは1㎝角ぐらいに切って薄く塩をして10分ぐらいおき、水気をきる。
3 器にすし飯を盛り、2の刺身、青ジソに「ほたるいか塩辛」をのせて盛る。

材料

 刺身は長く漬けるときは冷蔵庫に入れます。その場合は「漬け」になり、身が締まって味が濃くなるので、しょうゆだけでなく酒かだしで少し割るとよいでしょう。キュウリは塩をふって少ししんなりさせたほうが、お刺身やご飯となじみやすいです。

塩辛でおいしいパスタ。キリリと冷やした白ワインと一緒にボナペティ!

ホタルイカとグリーンアスパラのスパゲッティ

 ホタルイカの塩辛の濃厚なうま味を生かしたパスタです。つくり方は簡単、ペペロンチーノの要領でつくり、最後にアスパラガスと塩辛を混ぜるだけ。予熱で火が通ったぐらいのホタルイカは、塩辛とはまた違うおいしさになります。まわりの肝もソースになるのでばっちり!! 冷やした白ワインにも合います!

パスタ材料

 オリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子、グリーンアスパラに「ほたるいか塩辛」。これに好みのパスタがあれば、つくれます。

塩辛ペペロン

【材料】1人分
好みのパスタ…100g
グリーンアスパラ…2本
ニンニク…1かけ
赤唐辛子の小口切り…1本分
「ほたるいか塩辛」…大さじ2
オリーブオイル…大さじ1
塩・粗びき黒コショウ…各適量

【つくり方】
1 パスタは表示通り、塩を入れた湯でゆでる。
2 ニンニクはみじん切り、アスパラは斜め切りにする。
3 パスタがゆで上がったら、ざるに上げる。
4 フライパンにオリーブオイルとニンニク、赤唐辛子を入れて熱し、香りが立ったら、アスパラを入れる。緑色が鮮やかになったら1のパスタを入れ、全体をよくあえる。火を止め、「ほたるいか塩辛」を加えて全体に混ぜ、塩とコショウで味を調え、器に盛る。

粕漬けの濃厚な旨みが楽しめる、ホタルイカの粕漬けもおすすめ

 お酒に強く、酒粕の濃厚さがお好きな方には、「ほたるいか粕漬」(540円税込/120g かね七株式会社)もおすすめです。

粕漬け瓶

より発酵食品のうま味が楽しめる逸品、味の染みた酒粕も一緒に味わえます。

ほたるいか酒粕

 ホタルイカで熟成した酒粕もたっぷり。こちらも目玉はとってあるので、つるりとしています。1匹でご飯が茶碗半分は食べられてしまいそうな、濃さと甘味。これにはさらにコクをプラスするためバターをオン! バターのまろやかさが加わって、クセになる味に。おいしいですよ!! これでご飯1杯は軽くいただけてしまいました(笑)

ほたるいかバター

 もちろん、上記でご紹介したレシピは、こちらの粕漬でもできますので、お好みのほうをお選びください。

 どちらもホタルイカに魅了されるびん詰でした!

日本橋とやま館

とやま館

住所:東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F
TEL: 03-3516-3020 (ショップフロア〈物販〉
営業時間:10:30~19:30(年中無休、年末年始を除く)
和食レストラン「富山はま作」
TEL: 03-3516-3011
11:30~14:30、17:00~22:30(日・祝~21:00)

●臨時休館のお知らせ
期間:2020年4月8日(水)~5月6日(水)※今後の状況により期間を変更する場合があります

撮影・文・料理制作/坂口明子

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(9)]―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。