―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(12)]―
女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。
黒ニンニクはニンニクを遠赤外線と高湿度で熟成
長野県のアンテナショップ ホームページの関連オンラインショップ「NAGANOマルシェ」で、なにか新しくチャレンジしてみたい調味料や食材はないかな、と探していたときに目にとまったのは、黒ニンニクでした。
黒ニンニクってご存知ですか? ニンニクを熟成させて、そのまま食べられるようにした健康食品。特有のにおいはほとんどなく、黒くねっとりとした粒は、甘味とかすかな酸味があり、バルサミコ酢を固めたような感じです。今まではわざわざ食べることもないかな、と思っていましたが、ニンニクというと、疲労回復や滋養強壮、免疫力を高めるなどの効能が期待できる点が、今の気分にぴったり。
さっそく取り寄せてみました。この黒ニンニクは信州産のホワイト六片にんにくを使用、その名のとおり6片大きめの粒が特長のおいしいニンニクで、それを中高温(遠赤外線)/高湿度の熟成機で30日間熟成させたとあります。
皮は簡単にむけて、中から黒い粒が登場。まわりは乾いているのですが、中はねっとりと濃厚です。これを料理にいろいろ使うには、そのままだと包丁にくっついて切りにくいことが判明。そこで冷凍庫へ入れました。
ひと晩以上入れて取り出してみると、カチカチにはならず、あまり変わりないようでしたが、包丁で切れるようになりました! 料理に使うのは冷凍保存がおすすめです。柔らかいので、おろすことはできません。
つくりおきなら黒ニンニクバター&黒ニンニクオリーブオイルが便利
黒ニンニクのみじん切りは、そのままサラダや炒め物にかけたりしてもいいのですが、料理に使うなら、バターに混ぜたり、オリーブオイルにつけておくと、便利です。
【黒ニンニクバターのつくり方】
まずは、黒ニンニク3片をみじん切りにして、室温に戻したバター50gと混ぜます。
これをラップで棒状にくるんで、冷蔵庫か冷凍保存しておくのが便利です。
切って、パンにのせガーリックトーストにしたり、オムレツにのせたり。
こちらはシイタケに塩、コショウして輪切りにした黒ニンニクバターをのせて、オーブントースターで焼いたもの。前菜や酒の肴にぴったりです。ご飯のおかずにするならしょうゆをちょっと垂らしても。バターが溶け、ほんのり甘味のある黒ニンニクとシイタケの相性は抜群です。
【黒ニンニクオリーブオイルのつくり方】
同じく、黒ニンニクのみじん切りをエキストラバージンオリーブオイルに漬けます。1日置くと、オイルに柔らかな香りとうま味が移って、ドレッシングや炒め物に使うと料理がおいしくなります。
黒ニンニクとツナ缶で、あっという間においしいパスタ
いろいろ使える黒ニンニクですが、今回はパスタ料理をご紹介します。アンチョビとキャベツを炒めるとおいしいのですが、アンチョビばないときには、ツナ缶と黒ニンニクでつくりましょう。
【黒ニンニクとツナのパスタのレシピ】
キャベツがたっぷり、赤唐辛子を入れなければ、お子さんにも喜ばれるパスタです。黒ニンニクがあれば、あとは家にある材料でOK。先述した黒ニンニクオリーブオイルでつくっても!
【材料】2人分
パスタ(スパゲッティ)…160g
黒ニンニク…2片
キャベツ…200g
ミニトマト…5個
赤唐辛子…1本分
ツナ缶…小1缶
オリーブオイル…大さじ1/2
【つくり方】
1.キャベツはざく切り、トマトは4等分に、赤唐辛子は輪切りにする。ツナ缶は汁気をきる。
2.パスタは表示どおりにゆで、水気をきる。
3.フライパンにオリーブオイルと黒ニンニク、赤唐辛子を入れて熱し、キャベツを炒め、少ししんなりしたら、トマトとツナ缶を加え、塩とコショウで味をととのえる。
4.2のパスタを入れて全体をさっと混ぜてなじませたら器に盛る。
毎日の料理をひと味元気にしてくれる黒ニンニク。使い方は多彩でした!!
<取材・文・料理/坂口明子>
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―
坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。