会津名物ソースカツ丼を専用ソースで簡単に。アレンジ料理もいける

―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案(15)]―

 女性誌の料理企画の編集歴はウン十年。フードコーディネーターの顔ももつ、編集者兼、出版プロデューサーの坂口明子さんが、都内アンテナショップで見つけた「ご飯のとも」やご当地調味料を使ったおいしいレシピを紹介します。

福島県会津のソースカツ丼は元気になるご飯

ソースカツ丼ソース
 
 がっつり食べて元気になりたいときに思う浮かぶメニューの1つがカツ丼! 関東では卵とじが定番ですが、B級グルメで人気なのが、ソースカツ丼です。地方によって、またお店によってもいろいろですが、2大ソースカツ丼といわれているのが福島県の会津と福井県のもの。

 どちらも甲乙つけがたい味わいですが、今回はキャベツもたっぷりの会津のソースカツ丼をつくります。そのためになくてはならないのがソース。本場の味を再現するべく、福島県のアンテナショップ「日本橋ふくしま館MIDETTE」でソースカツ丼用のソースを手に入れました。
 
 選んだ『会津ソースカツ丼のソース』(540円税込/会津ブランド館)は、普通のとんかつソースと比べると色が淡く、酸味が少なめの甘さがあるフルーティなソースです(写真のふくしま応援ポケモン「ラッキー」バージョンは販売終了)。
 
ソース2種
 

会津のソースカツ丼はキャベツの千切りを敷きます

 私は以前、仕事で会津と福井でソースカツ丼を食べ比べた機会がありました。福井のソースカツ丼は、シンプルに白飯の上にミラノカツレツのような薄めのカツをソースにドボンと浸したもの何枚かのせていました。それはそれでボリューミーでくせになる味わい。

 対して会津は、ご飯の上にキャベツの千切り、その上に厚めのロースカツがこれもソースをまとって、盛られていました。キャベツがあると、飽きずに食べられます。その味を家庭でも、と会津式ソースカツ丼に挑戦。ソースはかけるのではなく、全体にまとわせるのがポイントです。
 
●アレンジレシピ 「ソースカツ丼」

ソースカツ丼
 
【材料】2人分
豚の肩ロース肉 トンカツ用2枚
コショウ 少々
溶き卵 1個分
薄力粉、パン粉 各適量
揚げ油 適量
「ソースカツ丼のソース」 適量
ご飯 茶碗2杯分
キャベツの千切り 適量
しば漬け 好みで

【つくり方】
1 豚肉は両面に格子状に軽く切り目を入れる。コショウをふり、薄力粉、溶き卵、パン粉の順に衣をつける。10分ぐらい置いてなじませたら、中温の揚げ油で揚げる。
2 ソースカツ丼のソースを皿に入れ、1のトンカツの両面にソースをつけてから、食べやすい大きさに切る。
 
ソース漬け
 
3 器に温かいご飯を盛り、キャベツの千切りをのせ、その上に2のカツを盛る。好みでしば漬けを添える。
 
●アレンジレシピ【ソースカツ卵丼】

ソースカツのせ卵丼
 
 卵とじのカツ丼が大好きな人は、とじるのではなく、卵焼きを下に敷きましょう。ソースカツ丼には、卵とじよりも、キャベツの上に半熟の丸い卵焼きをのせてから、ソースカツをのせる方法がおすすめ。上には万能ねぎの小口切をちらしました。どちらも、カリカリに上がったカツに甘めのソースがからんで、絶妙なおいしさです!

つくりおきなら、野菜入りソースそぼろがおいしくて簡単便利!

 ソースカツ丼のソースは甘めなので、肉そぼろにぴったり。野菜も入れて肉そぼろにしておくと、栄養バランスもクリア。ご飯や豆腐にのせたり、ゆで野菜にかけたり、オムレツに入れたり、麺の具材にと応用は自在です。

 冷蔵庫なら2、3日、1回分ずつ小分けして冷凍保存しておくと、便利です。ひき肉は、ソースとの相性のいい豚がおすすめ。もちろん鶏肉でも。
 
●アレンジレシピ 「野菜入りソース肉そぼろ」

そぼろ

【材料】つくりやすい分量
豚ひき肉 150g
タマネギ 1/2個
ニンジン 1/2本
ピーマン 2個
「ソースカツ丼用ソース」 大さじ3、4
サラダ油 大さじ1/2
塩、コショウ 各適量

【つくり方】
1 野菜をみじん切りにする。
2 フライパンにサラダ油を熱し、豚ひき肉を炒める。色が変わったら、タマネギとニンジンを加え、さらに炒める。タマネギが透きとおってきたら、ピーマンを加えて炒め、ソースを加えて炒め合わせる。ソースがなじんだら、塩とコショウで味を調える。
 
●アレンジレシピ「野菜入りソースそぼろ丼」

 丼やお弁当には、炒り卵と盛り合わせて2色に。間違いなくおいしい組み合わせです。

2色そぼろ
  
●アレンジレシピ「野菜入りソースそぼろジャガチーズ」

 もう1つ応用編。ビールやワインのおつまみにぴったり。ジャガイモを千切りにして、炒め、軽く塩、コショウします。器に敷き、その上にスライスチーズ、肉そぼろ、スライスチーズとのせて、電子レンジでチーズが溶けるまで温めるだけ。これがまた止まらないおいしさです。

 グラタン風にオーブントースターで焼いてもOKですが、電子レンジならあっという間。まさに時短でできます。
 
チーズのせ
 
 野菜入りソースそばろは、甘めの「ソースカツ丼のソース」だから、肉そぼろにたっぷりめに入れても、まろやかに飽きのこない味に仕上がります。「ソースカツ丼のソース」は福島県のアンテナショップ「ふくしま館MIDETTE」で購入しました。ほかにもいろいろな種類の調味料や特産物がそろっています。
 
福島アンテナショップ

<撮影・文・料理制作/坂口明子>
 
―[アンテナショップで見つけたご飯のともでおいしいレシピを提案]―

坂口明子さん
編集者、編集プロデューサー、フードコーディネーター。女性のライフスタイル全般(料理、グルメ、旅、ほか)の企画提案から、執筆、スタイリングなどの製作、WEB媒体でのアンテナショップめぐりの連載、企業の商品開発アドバイスなどを行う。長年の料理企画編集者として培った料理の腕は料理家並。おいしいレストランにも詳しい。「ご飯のとも」の識者としてテレビ出演も多数。