連載史上もっとも入手困難なゼリーも。夏に贈りたいお土産たち

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記]

ビビッとくる日本全国おみやげ日記

日本全国のお土産を取り寄せてお試ししている、マンガ家の西園フミコさん。今回は、夏にぴったりのさわやかなポンチとゼリーをご紹介。なかでも、福島のお店でつくられるゼリーはあっという間に売り切れてしまい、挑戦すること3度目にしてようやく購入できたのだとか。

夏に食べたい&喜ばれるおみやげ!

わかやまポンチ ゼリーのイエ

 ジメジメと蒸し暑い夏、皆さんはどう乗り越えていますか? 筆者は冷やし甘酒の2Lパックを冷蔵庫に常備しておくのがお気に入りなのですが、おいしいうえに夏バテ知らずで最高ですよ。てきめんに肥えることもできます。

 さて今回はそんなときにもつるっとサッパリ食べられる、夏にぴったりのお土産を2つご紹介。1つ目は和歌山県のご当地フルーツポンチ「わかやまポンチ」、2つ目はこのコラム史上、もっとも入手に手こずった福島県の大人気ゼリー「ゼリーのイエ」さんのゼリーです。

地元のフルーツを使った「わかやまポンチ」

 まずは、和歌山県有田川町(ありだがわちょう)の「紀州ふみこ農園」さんの「わかやまポンチ」からご紹介。和歌山県は温暖な気候から果物の生産が盛んなことで有名ですが、そんな果樹王国わかやまをPRするために生まれたご当地スイーツが「わかやまポンチ」。

わかやまポンチ
 
以下の3点を満たしていれば「わかやまポンチ」として登録が可能なようです。

(1)県産うめの甘露煮又はシロップ漬け等が食材として使用されていること
(2)1つ以上の県産フルーツが食材として使用されていること
(3)県産うめ及びフルーツの使用についてメニュー又は商品に明示するなど、消費者等にその使用が認識できる工夫がなされていること

わかやまポンチ
 
 さて、この「紀州ふみこ農園」さんのびんの中身は梅の甘露煮、温州ミカン、ハッサク、若桃がジュレにとじこめられたフルーツポンチ。梅・ミカン・ハッサクは生産量全国1位、桃は4位ですから、まさに和歌山県の魅力をぎゅっと閉じ込めたフルーツポンチといえます。

わかやまポンチ

 早速冷やしていただくと、一般的なフルーツポンチに比べて梅やかんきつ類の割合が多いからでしょうか、非常にさっぱりしたさわやかな甘味でおいしいです! 梅はもちろんですが、ハッサクがうれしいですね。後味がベタつかないというか、食後のデザートに最適な印象。

わかやまポンチ 盛り付け

 他店のわかやまポンチをのぞいてみると、梅ジュース+炭酸シロップのものもあれば、アイスクリームがトッピングされているもの、更には回転寿司のメニューに加わっていたりと、かなりバリエーション豊かな様子。和歌山県のホームページに食べられるお店も公開されているので、これはさまざまなわかやまポンチ楽しめそうです。お中元や手みやげにも喜ばれそうですね。

福島県いわき市の「ゼリーのイエ」は大人気で予約も大変!

 さて次は、福島県いわき市「ゼリーのイエ」さんのゼリー。1988年に自宅の庭を改装して始まったという小さなゼリー専門店ですが、今やSNSやメディアを中心にとても人気のあるこのお店。

ゼリーのイエ

 インターネットでは毎週金曜日21時からの限定通販ということで、数分後には瞬く間に完売。2週連続で購入に失敗して、原稿の締め切り交渉が頭をもたげてきたあたりでなんとか購入できました。宇多田ヒカルのライブチケットでもこんなに苦戦しなかった。

ゼリーのイエ ミッション
ありがとうございます…!(編集)
 
 激戦を勝ち抜いたかいあって、1つ1つのゼリーが非常に美しいです! 今回はあずきムース・ブルーハワイ・メロン・ミックス・コーヒー・カルピス・オレンジ(グレープフルーツかも?)の8個入り。季節によって内容は変わるようで、ほかにも「桜の花」「豆乳黒ごま」「ミルク」などなど気になるメニューが盛りだくさん……。

ゼリーのイエ

 そして味も「おっ!?」と驚くくらいおいしいです。このレトロかわいい見た目からは想像できない濃厚さ。果肉そのものが入っているタイプではないので、フルーツ味のゼリーだけだと凡庸になりそうなものですが、層になっているムースがものすごくうまくカバーしています。

ゼリーのイエ
 
 ムース部分がすごーくなめらかでおいしいので、ゼリーというよりケーキを食べている感じ。正直最初は「福島で、ゼリー専門店って、攻めてるな……」と思ったんですよね。そもそも「ゼリー専門店」自体が耳慣れないし、もし自分の家族が「脱サラしてゼリー屋になる!」って言い出したら「ちょっと?」とはなると思います。

 なので、実食してその人気を納得できました。ふだん甘味や「映え」には比較的反応の薄いおじさんこと夫も「これね…また食べてもいいよ?」と言っていたので、本当においしかったのだと思います(自分で買うように)。

 そんなわけで夏に食べたいお土産たち、いかがだったでしょうか? とくに食品系のお土産文化は日本独自のものと聞きますが、四季おりおりの味が楽しめるのもまた魅力の1つだと思います。さわやかに夏を過ごしていきましょう。

西園フミコさん 夫

紀州ふみこ農園
『わかやまポンチ6個入』
3499円(税込)

日もち             ★★★☆☆
配りやすさ           ★★★☆☆
甘すぎないさわやかさ      ★★★★★

ゼリーのイエ
『8個詰め合わせセット』
2400円(税込)
日もち             ★★☆☆☆
配りやすさ           ★★☆☆☆
映え&ケーキのようなおいしさ  ★★★★★

[ビビっとくる日本全国おみやげ日記/第16回]

西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。