全国には花をモチーフにしたお土産が数多くあります。今回はマンガ家の西園フミコさんがお試ししたかわいい商品をご紹介。どちらも贈られた人が思わず微笑んでしまいそうな、キュートな逸品です。
おいしくて花びらがかわいいお土産たち
今回のテーマは「花咲くお土産たち」。以前「押し花のクッキー」をご紹介しましたが、花をモチーフにしたお菓子やお土産は少なくありません。今回はそのなかでも珍しい、山梨の金木犀の花をそのまま使ったジャムと、三重のまるで花びらのようなかりんとう「花咲かりん」をご紹介します。
金木犀の花びらをより分けてつくったジャム
まずは、山梨県南アルプス市のNPO法人「南アルプスファームフィールドトリップ」さんの「金木犀の花びらジャム」から。こちらの組織は南アルプスで果樹園を経営する若者たちが立ち上げた法人で、農産物の加工やグリーンツーリズム、食育体験活動などを通じて地域起こしに貢献しているのだとか。
花びらのジャムなんて珍しいな~というのと、子どものころ金木犀の花を集めてボトルに水と詰めては眺めるのが好きだったな~、という思い出がこちらに興味をもったきっかけでした。このジャムは花びらを1枚ずつピンセットでより分けながら選別して製造するという手間ひまがかかっており、かつ、人工着色料は一切使用せず、金木犀の自然な橙がジャムになっているそうです。
さっそくおすすめのレシピとされている小さじ1、2杯分をお湯に溶いて、「金木犀茶」として味わってみます。味はマーマレードや、ユズ茶に近いですね。少しだけ苦味のある甘さの後味に、花の風味と言いますか、金木犀の香りを感じてほっとリラックスできます。
ただパン系にはそれほど合わなそうなので、オススメとされている紅茶に溶いてロシアンティー、カクテル、ヨーグルト、杏仁豆腐などに添えるというのが最高に見た目もかわいくおいしいかもしれません。
こんな金木犀茶を飲みながら休日に映画でも見ようもんなら、QOL爆上げ間違いなしといったところ。ほかにもリンゴ、ブドウといったおなじみのものから、桃の花ジャム、ラベンダージャムまでラインナップがある様子でそちらも気になります。びんものは比較的配りやすいので、お土産向きでもありますね。
お花みたいな三重県伊賀市賀門(かもん)の花咲かりん
さてお次は、三重県伊賀市に本社を構える株式会社「 賀門(かもん)」さんの「花咲かりん」。かりんとうといえば、あの黒糖でテカテカに黒光りする例のお菓子を想像しますが、こちらのお土産はその名のとおり、まるで花が咲いているかのような形をしています。
プレーン・ホウレンソウ・紫イモ・カボチャ・トマトの5種類でとっても色鮮やか。国産野菜のみの色づけで、伊賀米の米粉や三重県産の小麦粉を使用し、職人が1枚1枚花の形に手揚げしているんだとか。
ふたをあけると本当に花束のような華やかさ。さっそく「プレーン」からいただいてみると、パリパリサクサクと小気味よい食感! 蜜のコーティングがない(もしくは薄い?)ぶん、かりんとうというよりは薄焼きの甘いおせんべいのような…?
紫イモも、カボチャといった野菜バージョンも結構しっかり味に変化があり、ヘルシーな印象。特徴的だったのは真っ赤なトマト味で、あのトマトの酸味や香りが漂ってきて、意外かつ美味です。すべて個包装で配りやすく、幅広い場面で役立ってくれるお土産だと思います。
そんなわけでお花モチーフのお土産2つ、いかがだったでしょうか? 今後もかわいい&おいしいお菓子をもりもり食べて、花咲く人生を送って参りましょう。
特定非営利活動法人(NPO法人)南アルプスファームフィールドトリップ
『金木犀の花びらジャム』
864円(税込)
日もち ★★★★★
配りやすさ ★★★☆☆
金木犀の香り ★★★★★
株式会社 賀門
『【K-012】花咲かりん詰め合わせ箱入り(10個入り)』
2250円(税込)
日もち ★★★☆☆
配りやすさ ★★★☆☆
パリパリサクサク食感 ★★★★★
西園フミコ
漫画家。「コミックDAYS」で2018年から全国のおみやげをとりあげる『おみやげどうしよう?』を連載(全4巻)。