千葉県民が楽しみにしている秋の味覚、ゆで落花生。とれたてを殻ごと塩ゆでするのですが、なかでも近年誕生した品種「おおまさり」は、粒が大きく甘味も強いのだそう。絶品ピーナツバターと一緒に紹介します。
生の落花生は日持ちしないので地元で流通
やってきました! 今だけ、ココだけの味わい、千葉のご当地グルメ「ゆで落花生」のシーズン到来です。あの硬い落花生をゆでるの? と思った方も多いでしょうが、まったく違います。とれたての生落花生を殻ごと塩ゆでするんです。ゆでたての落花生はホクホクふっくら。かみしめるほどに広がる豆の甘味にほどよい塩気がきいて、感動的なおいしさです。
落花生の生産量日本一の千葉県では9〜11月にかけて直売所やスーパーに生の落花生が並びますが、収穫後日持ちがしないので県外に出回ることはほとんどないようです。生産地の人しか口にできない隠れた逸品でしたが、現在では通信販売などでも手に入れることができます。期待を裏切らないおいしさなので、ぜひチャレンジしてくださいね。
甘くて大粒の「おおまさり」は2007年に誕生
館山市で栽培されているのは「おおまさり」という品種。大きさや味が勝っている、というのが名前の由来だそう。品種改良の末2007年に千葉県で誕生しました。一般的な落花生の約2倍もの大きさがありながら実はやわらかく、甘味が強いのが特徴です。
たくさんの実がついた枝を土中から引き抜いたらさやを1つ1つ取り外し、丁寧に水洗いをして泥を落とします。天日で乾かしたら袋に詰めて出荷。鮮度のいいものを市場に出すために作業はスピード勝負。この時期、農家さんは大忙しです。
生の落花生があれば、ゆで落花生は簡単にできる
ゆで落花生のレシピはとっても簡単。水洗いをしたら殻ごと鍋に入れて塩ゆでするだけ。水は落花生がひたひたになるくらい。塩は3%(水1リットルにつき塩大さじ2杯程度)が適量と言われていますがお好みで。殻ごとゆでるので、わが家では塩を気持ち多めに入れています。ゆで時間は約40分。途中、ゆで加減をチェックしながら調整してください。
ゆで上がったら鍋のまま10分ほどおいて塩分を浸透させれば完成! この10分が待ちきれず、熱い熱いと言いながら食べてしまうのが常なのですが…。
ゆで上がった落花生はほんのりピンク色。みずみずしくて甘くてしょっぱくて、なんとも言えないおいしさです。親指の第一関節ほどもある大粒豆は食べ応えも十分。無限に食べ続けてしまうのでご注意を。
ザクザクのピーナツバターが絶品
ピーナッツつながりでもうひとつ。私のイチオシ「千葉ザクザクピーナッツペースト SPREAD &BAKE」をご紹介します。トースト用のピーナッツペーストなのですが、これがすこぶるおいしい! 細かくカットされたピーナッツチャンクがたっぷり入ったホイップタイプのペーストで186g、789円。
おいしさの秘密はパンに塗ってからトーストする独自の食べ方にあります。普通は焼きあがったトーストにピーナッツクリームを塗りますが順序が逆なのです。トースターでブリュレされたペースト表面のカリカリ食感も◎。普通の食パンが、ローストされたピーナッツチャンクとバターの香ばしくて甘い香りが漂うスイーツのような逸品になってしまいます。
塗ってから焼く、という発想はなかったのですが、コレとってもいいです。南房総市の道の駅ローズマリー公園の「はなまる市場」でも人気ナンバーワンを誇っています。
手軽な千葉土産としていろいろな方にお渡ししていますが、どなたにも喜んでもらえる鉄板アイテムです。千葉県内の道の駅「うまくたの里」(木更津市)と「ローズマリー公園」(南房総市)でしか販売していないとのことだったのですが、ECサイトでも購入できるようです。気になった方は「千葉ザクザクピーナッツペースト」で検索してみてください。
<取材・文/房州未来研究所>
房州未来研究所
雑誌編集者として働いたのち、千葉県館山市に移住。現在は、よそ者目線で南房総のすてきなヒト・モノ・コトを掘り起こしている。