まねすることで外国語に親しむ。多言語を楽しむヒッポファミリークラブ

英語、スペイン語、韓国語、ドイツ語、フランス語などの「多言語」を、年齢・性別・国籍を問わず、さまざまな世代の人たちと一緒に楽しみながら身につける活動を行うクラブがあります。その活動をレポートします。

22言語に親しむヒッポファミリークラブ

ホームステイ受け入れでゲストと地域の秋祭りへ
ホームステイ受け入れでゲストと地域の秋祭りへ

 ヒッポファミリークラブは、年齢・性別・国籍を問わず、さまざまな世代の仲間たちが集まり、英語をはじめとした複数の言語を自然に楽しく身につけるための活動をしています。スペイン語、韓国語、英語、日本語、フランス語、中国語、ドイツ語の7つの言語を基本とし、ほかにもイタリア語、ロシア語、タイ語、マレーシア語、ポルトガル語、インドネシア語、広東語、アラビア語、ヒンディー語、台湾語、トルコ語、スウェーデン語、スワヒリ語、ベトナム語、モンゴル語など、22の言語に親しんでいます。

 活動としては、毎週各地で開催されているクラブのほか、外国にホームステイに出かけたり、ホームステイの受け入れをしたりと、国際交流を盛んに行っているそう。

「最近ではこれまで交流がなかったモンゴルへのホームステイも行われて、とても大きな反響がありました。参加した皆さんに体験談を聞きましたが、とても貴重な体験ができたと喜んでいましたよ」(ヒッポファミリークラブ江戸川区担当 小山妙子さん)

 また、人間がことばを見つけ生み出していく脳の働きに焦点をあて、東京大学、マサチューセッツ工科大学と共同で、「多言語の脳科学」を研究するプロジェクトを2016年4月より実施。多言語習得にかかわる脳のメカニズムの解明に向けても取り組みを進めています。

耳や口でまねて多言語に親しむ

みんなで多言語自己紹介
みんなで多言語自己紹介

「国や人種の違いを超えて、どんなことばを話す人ともコミュニケーションできるようになれたら…」。そんな思いから、多言語を自然習得するヒッポファミリークラブは1981年に誕生。主に「多言語の自然習得活動」、「国際交流活動」、「研究・開発活動」の3つの活動をしています。

「多言語を自然習得する」、というのは、赤ちゃんがことばを習得するプロセスに注目したもの。多言語の音声が流れるスピーカーを家のあちこちで流して、日常的に耳にする環境をつくったり、耳にしたことばをまねて口にすることで言語の音、イントネーション、リズムに慣れることからはじめます。
 各地で開催されているクラブでは、年齢・性別・国籍を問わず、だれでも参加できる「多言語の歌と踊りを交えたゲーム」や、多言語での自己紹介などを、さまざまな世代の人たちと一緒に行います。

「自己紹介で参加者が話している言語が理解できないとしても、答え合わせや意味を調べる、ということは、ここでは行いません。ほかの人が話していることばをまねることからはじめて、くり返し行うことで、音がなじみ、自然に口から出るようになります。大事なことは、自分が持っている音を総動員して、目の前の人に言いたいことを伝えること。間違いなど気にせず、聞こえてきたままの音をどんどんまねしてみてください」(小山さん)

クラブに参加して多言語活動を体験

多言語を使ってゲーム
多言語を使ってゲーム

 今回、実際に江戸川区で開催されたクラブに参加してみました。ぽつぽつと参加者が集まり、順番に多言語で自己紹介していきます。ある人はフランス語、別の人はタイ語で名前や家族構成、居住地、趣味などを紹介します。初参加の筆者は耳慣れないながらも、会はにこやかな雰囲気で進みます。

 その後は多言語を使ったダンスやゲームほか、皆でスピーカーから聞こえる言語の音をまねて口に出してみる、などの活動を行いました。体を動かしながらほかの参加者にならって行う多言語のコミュニケーションは、明るくにぎやかで、年代・老若男女問わず楽しめる内容。

 子どもが保育園のときにこの活動を知り、10年ほど参加しているという女性は、「最初は私もいつか海外で生活してみたかったな、とか、子どもたちをホームステイに行かせたいなという目的で参加していましたが、たくさんの人に出会って、コミュニケーションをとったりしながら続けるうちに楽しくなってきて、今は子どもたちより楽しんでいます。ここでは、〇〇のお母さんではなく、私自身でいられることや、世代や国籍を問わずいろんな友達ができるのも魅力です」

 留学生や海外からのゲストを多く受け入れているという女性は、「子どもがスペインやメキシコなどに交流に行くたびに、ひと回りもふた回りも成長して帰ってくるのでいつも驚いています。それで留学に行くだけじゃなく受け入れもするようになりました。うちにきたのは、ブラジル、イギリス、中国、台湾の子たち。この活動にはいろんな世代の参加者がいるのでコミュニケーション能力の高まりも実感しています」と話してくれました。

留学生のようくん
留学生のようくん

 この女性は、現在中国からの留学生(16歳・高校1年生の男の子)を受け入れていて、彼も一緒にクラブに参加して、学校で発表する日本語のスピーチを聞かせてくれました。母国と留学先での体験を比較し、将来の目標にふれる内容で、学んでいる言語で懸命に伝えようとする姿に、留学の意義の一面を教えてもらったように感じました。
 参加するとさまざまな体験ができる多言語クラブ。全国約700箇所で開催しているので、気になった方はクラブのホームページやチラシをチェックしてみてください。

<取材・文/カラふる編集部>

ヒッポファミリークラブ
ヒッポでは、いろんなことばを勉強しないで楽しく身につけています。そして、どんな国や地域やことばにも開かれた心を育みます。