ゴミ袋に名前を書いて出す!津軽で驚いたローカルルールとグッズたち

ところ変われば、生活上のルールや必需品がことなるもの。東京から青森県藤崎町に移住した笠原綾子さんも、いろいろ驚くことがあったそう。今回はゴミ出しルールや清掃作業、雪かきに必要なグッズを教えてもらいました。

町名、名前を記入するゴミ出しルールに驚く

リンゴをもつ笠原さん

 東京生まれ東京育ち。仕事もいろいろ変わったりしましたが、東京以外の土地で生活したことがなかった今までの人生。職場は台東区、新宿区、港区、中央区、足立区など、東京都内の異動はあったものの特にすごい生活の変化はありませんでした。とはいえ多少の変化というか、ルールの違いを感じるものに「ゴミ出し」のルールがあります。

 例えば、この区域は燃えるゴミは火金曜日、燃えないゴミは水曜日。でもこっちの区域は、燃えるゴミは月木曜日で、燃えないゴミは金曜日とか。それからゴミの分別もすごく厳しい地域と、ゆるい地域があります。都会のゴミ分類は結構適当だなぁと思ったこともありました。

 そして2020年、人生初の東京都以外への移住で青森県藤崎町に引っ越したのですが、この地区でのゴミ出しルールは、東京のゴミ出しルールと違ったのです! 引っ越して最初に、ゴミ出しの曜日・ゴミ収集の場所などはちゃんと教えてもらったのでいわれたとおり、可燃ゴミの日に収集場所の小屋があり、そこにゴミを捨てに行きました。そして、捨てたゴミの存在なんてすっかり忘れていたのですが…。

藤崎町のゴミ袋

 なにやらゴミ収集小屋の中に持って行かれないまま放置されているゴミ袋がある。「ん? 私の出したゴミじゃないよね? ちゃんと燃えるゴミの日に、燃えるゴミ出したもん!」と思っていたのですが。なんと数日後、近所のおじさんが家に来て「あのゴミ出したのあんたか?」と聞かれました。

 私はちゃんと燃えるゴミの日に燃えるゴミを出しましたと伝えました。すると、「地域指定のゴミ袋に入れて出した?」と聞かれ「え、指定のゴミ袋? なんですかそれ? 聞いていません」

 なんと、その地域は地域指定のゴミ袋にゴミを入れ、その町内会の町名、そして自分の名前を書いてゴミを出さないと持って行ってくれないのです! まさかのゴミに自分の名前を書いて出すとは。びっくり仰天です!

 ゴミ袋のことを教えてくれたおじさんが、親切にもゴミ袋を2〜3枚持って来てくれました。町内会の名称も教えてくれました。売っている店も教えてくれました。トコロ変わればルールも変わる! いやはや、びっくりです。地域によってこんなにもゴミ出しルール違うものなのですね。

側溝の草刈りは大事な作業。参加するには鎌と手袋が必須

側溝清掃に使う鎌と手袋

 そんな訳で、今ではちゃんと指定されたゴミ袋を薬局で買ってゴミを出すことを覚えましたが、それ以外にも東京では買うこともなかった、というか存在すら意識したことがなかったグッズもいろいろあります。その一部をご紹介したいと思います。

 そのグッズとは「草取り鎌」と「作業用手袋」です。この草取り鎌は「町内会側溝掃除&草刈り」という行事があり、知るきっかけになりました。いろいろな「?」マークが頭の中でぐるぐるしました。まず「側溝」ってなんですか? ということ。

青森県津軽地方は、言わずと知れた雪国です。私が住んでいる地域の道路脇には「溝」があります。これは下水道かと思っていたらそうではなく、冬になったら雪を捨てる場所になります。その側溝を夏の間に、町内会の男性陣が掃除、女性陣は、道に生えている雑草をきれいに刈り取る作業をするのですが、そのときに使うのが「草刈り鎌」です。町内会の女性陣、私以外は全員「鎌」を持っていました。手袋も私は普通の布の軍手を買っていたのですが、それよりも薄手で、水も弾くゴムの手袋がよいと教えてもらいました。翌日ホームセンターに行き、生まれて初めて「鎌」を購入。

スコップだけでも5種類。雪かきにはさまざまなグッズが必要

捕まえてびんに入れたカメムシ

 青森に移住して初めての冬を迎える少し前。町役場の方が「冬に備えるために」というレクチャーをしてくれました。青森の中でも津軽地方は雪が多い地域です。ここ数年は雪が少ない年が続いていたそうですが、今回の冬は雪が例年通り、もしくは多いとの予報は発表されていました。

 その証拠に、秋頃カメムシが多く発生していました。私の家にも何度か入って来て驚かされました。カメムシが多い年は、大雪になるという噂です。そこで、雪かきに必要なグッズの数々を教えていただきました!

雪かき用のジャンパーと手袋

 除雪しているときには目立つ色のジャンパーで。手袋もまるでスキーでもするみたいなごついもの。靴はもちろん滑り止めのついた靴底に防水機能がある靴。そして冬でもあったかい長靴。これぞ雪国、完全装備!

雪かきグッズ一式

 雪かき用のスコップ各種。車に積んでおく除雪小スコップ、車の雪落とし棒、雪かきプラスチックスコップ、雪かきアルミのスコップ、雪を押し出すスノーダンプ、雪を運ぶママさんダンプ、道路の雪かきで注意を促す赤いカラーコーンです。

スノーダンプとカラーコーン

 役場の方に買い物にもつき合ってもらい、コレ全部買いました。スコップだけでも5種類!こんなに必要なのか?と思いましたが、実際今回の豪雪を体験して言えることは「これ全部必要!」です。

雪かき用ブーツ

 そんなわけで、青森県津軽地方での冬を満喫している今日この頃です。青森に移住してまだ半年ですが、毎日新鮮な驚きと感動がいっぱいです。今回購入した雪かきグッズも今冬は大活躍しています。青森の冬はやっぱりすごいです。東京で過去体験した大雪なんてかわいいモノに感じます。

スコップをもつ笠原さん

<撮影・文/笠原綾子>
青森県藤崎町の地域おこし協力隊員。2020年に52年間住んだ東京を離れ、移住。町のPRや情報発信に携わっている。