―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第21回:久保田夏菜アナ(広島県)]―
全国47都道府県で活躍する女子アナたちがご当地の特産品、グルメ、観光、文化などさまざまな角度から地方の魅力をお届け。今回は女子アナ47メンバーの久保田夏菜アナが自身の体験をもとに田舎暮らしのメリットを紹介します!
コロナ禍で関心高まる地方移住。なぜ田舎暮らしを始めるのか
コロナ禍で地方移住や田舎暮らしを始める人が増えている――。内閣府が2020年に発表した調査結果によれば、「地方移住の関心が高くなった」と回答した人が20代で22%、30代で20%に上り、コロナによるテレワークなどで働き方が変わり、都市部から地方部への関心が加速しています。
かくいう私も3年前、広島市中心部から車で1時間の安芸高田市に移住。子育てはもちろんですが、緑あふれる大自然の中でのびのびと暮らしたいという思いから、土地探しや物件探しを始めました。
最初は職場も遠く、田舎暮らしが成立するかどうかはわからないので、「ものは試しで」状態でスタート。難しければ、また市街地に戻ろうというぐらいの気軽な気持ちでした。
でも、実際に移住してみると、魅力がいっぱい! 自然に囲まれた中での田舎暮らしは想像していた以上に楽しく、これまでの何倍も生活が豊かになったと感じています。
通勤の距離は往復約60kmですが、まったく苦にならず、むしろ職場までの通勤時間(1時間半)は、アナウンサーの私にとっては、大事な時間になっています。発声練習をしたり、フリートークの構成を考えたり、ラジオを聴く勉強の時間にあてたり…。自分と向き合える時間になっているのです。
大自然、家族時間の増加。田舎暮らしのメリットは?
そんな経験者として今回は田舎暮らしのメリットを3つ紹介していきたいと思います。
①大自然が身近にある
田舎暮らし最大のメリットと言っても過言ではないのが、この大自然が身近にあることです。田舎暮らしでは、カレンダーからではなく、家から見える景色で季節の変化を感じられます。
カエルが鳴けば、田んぼに水が張られた田植えシーズンの4月下旬。夜風が冷たくなれば、秋も近い8月後半。金木犀の香りが漂えば、そろそろ10月。山の色がさみしくなってくると、冬の到来…。四季の移り変わりに心が弾んだり、さみしくなったり「自然と接し、一喜一憂できることが幸せだ」と思うのです。
さらに、自家栽培している野菜からも季節を感じられます。オクラは1週間放っておけば木のようになってしまう、大根はもったいないからと間引かなければヒョロヒョロにしかならないなど、いろいろと学んでいます。鹿に食べられて全滅したことも…。
そんな試行錯誤の中育てた旬の野菜たちは新鮮そのもの。豊かな食にもつながっている、と思うのです。
②家族の時間が増える
私の場合、広島市中心部に住んでいたときは夜、家族で一緒に食事をするのは週に数回でした。しかし、田舎暮らしを始めて夜に出かける回数は減りました。バスはあるものの、終電を逃すまでは飲まなくなったというのが理由です。
さらに、一緒に野菜を育てたり、DIYをしたりと、家族の時間が増えました。それは、自分たちの暮らしを自分たちの手でつくっていくというスタイルに変わったからだと思います。
③生活費がかからない
田舎では駐車場を借りるという概念がほぼありません。住居も賃貸だったとしても、家賃はかなり安く済みます。
また、私の住んでいる安芸高田市は、ありがたいことに子育て支援が手厚く、助かっています。児童手当に加え、在宅育児への給付金などがあったり、子どもの医療費も18歳まで500円。さらに、ご近所さんがお裾分けをしてくれたり、お返しに庭にできた柿を持って行ったりと、ご近所づきあいのおかげで食費も抑えられ、かつ温かい気持ちにもなれます。
もちろん、田舎暮らしはいいことばかりではありません。カメムシが多かったり、日本家屋ならではの隙間風による寒さに悩まされたり……でも、それも田舎暮らしだからこそ味わえる、とプラスに考えるようにしています。
私が田舎暮らしを数年して感じるのは「田舎暮らしを楽しむコツはバランス」ということです。
住まいは田舎ですが、職場は広島市中心部。両者を知っているからこそ、お互いの魅力がわかり、楽しむことができるのだと思います。また、ネット社会とはいえ、田舎に行けば肌で感じる世の中の動きは分かりづらいものです。でも、それも「オンオフを切り替え」と考え、バランスをとった生活を送れば、メリハリある豊かな暮らしに繋がるのだと思います。
<取材・文・撮影/久保田夏菜(地方創生女子アナ47)>
―[地方創生女子アナ47ご当地リポート/第21回:久保田夏菜(広島県)]―
久保田夏菜アナ
自然大好きアナウンサー。2年前に田舎に移住し、毎日1時間半かけて職場へ通う。仕事は、バラエティ番組や情報番組が中心。休日は、畑仕事に汗を流す。ライフワークは、カンボジアの田舎にある地雷村に通うこと。現地では、自らカメラを回し、取材を行い、内戦の爪痕に苦しむ村人の現状を伝える活動にも取り組む。2018年、ヒロシマ平和創造基金「国際交流奨励賞」受賞
地方創生女子アナ47
47都道府県の地方局出身女子アナウンサーの団体。現在100名以上が登録し、女子アナの特徴を生かした取材力と、個性あふれるさまざまな角度から地方の魅力を全国にPRしている。地方創生女子アナ47公式サイト