広島県安芸高田市(あきたかたし)の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して5年目、愛犬てんちゃんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。
イチョウの葉っぱが美しい安芸高田の11月
11月に入ると、水戸家のシンボルツリーでもあるイチョウの木はみるみるうちに黄色く色づきました。日が差して、葉っぱの間からキラキラと光が落ちる様子は本当にきれいです。全体が黄色くなってから葉がすべて落ちるまで10日くらいしかありませんが、今年はちょうど天気のいい日が続いたので、しっかり眺めて楽しむことができました。
秋祭りで迫力ある奉納神楽を楽しむ
安芸高田市の私の住む地域では、11月に秋祭りの奉納神楽が行われます。今年はコロナ禍での3年ぶりの開催となりました。安芸高田市には22もの神楽団があるそうで、団員は皆さんそれぞれが普通に仕事をしながら練習をして活動されています。普段の様子からは想像できないくらいの、大迫力で舞ったり演奏したりする姿はとにかくかっこいい!の一言。
今回は時間を少し短縮して行われましたが、通常であれば夜から始まって深夜2時、3時頃までみんなで食べたり飲んだりしながら、神楽を鑑賞します。神楽はわかりやすい内容になっていて、神楽や歴史に詳しくなくても十分に楽しめます。
子どもの頃も、秋祭りの時季には帰省して、寒くて暗いなかを懐中電灯片手に会場まで歩き、親戚みんなで神楽を観ました。私はとくに「悪狐伝(あっこでん)」の狐と「八岐大蛇(やまたのおろち)」の大蛇が大好きで、どちらもちょっと怖くてドキドキしながら登場を待ったものです。眠たくなっても我慢して最後まで観て、星空を眺めながら寒い夜道を歩いて帰るまでが、秋祭りの思い出です。
今回のお祭りも、迫力ある神楽で大満足の夜となりました。昔からこの地で受け継がれてきたものを、今も変わらず観ることができるのは団員の皆さんや地域の方々がずっとがんばってこられたおかげだなと、あらためて感じる夜でした。
手づくりのツリーでクリスマスの準備を
こちらへ移り住んでからは、街中のようにクリスマスの飾りを見かける機会はあまりありません。少しでもクリスマス気分を味わえるように、水戸家ではツリーを飾ることにしています。昔、苗木用に育てていた背の低い杉の木があるので毎年この杉を切ってツリーにします。
飾りは赤いナンテンの実。それから、鳥が運んできたのか今年になって突然生えて、ミツマタの枝に絡まっていたスズメウリの実を使いました。このスズメウリは白くて丸い実がたくさん連なっていて、今にもピカピカ光りだしそう。ツリーの飾りにぴったりです。
クリスマスツリーを出す頃になると、だんだんと冬の準備も必要になります。ビニールハウスにビニールを張ったり、霜や雪でだめになる前に残ったハーブを収穫したり、寒さに弱い植物に落ち葉をたくさんかぶせたり…。
この冬の雪はどれくらい降るでしょうか。雪大好きのてんにとってはもうすぐうれしい季節がやってきます。
<写真・文/mizutomidori>
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して5年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。