広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して5年目、愛犬てんちゃんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。
雪が降り、一面の雪景色と愛犬てん
昨年の秋は暖かく、なかなか冬にならないなと思っていましたが、12月に入るとすぐに初雪が降り、次の日の朝には大霜が。庭で最後まできれいに咲いていたダリアも、この霜で一気に真っ黒になって枯れてしまいました。そのあと、クリスマスの前には続けて大雪が降り、あっという間に一面の雪景色となりました。
私の住む地域は安芸高田市の中でも雪の多いところです。年末年始は雪も降らず、天気のいい日が続きましたが、降り積もった雪はまだまだ溶けそうにありません。部屋は凍えそうなくらいに寒いし、たくさん降ると雪かきも大変。それに、長い間ペーパードライバーでこちらへ移住してから車に乗るようになった私にとっては、雪道での運転も不安でいっぱいです。
それでも美しい真っ白の景色と、大喜びで走る愛犬てんの姿を見ているとわくわくします。冬はそんな季節です。
ユズをくり抜いてつくる「ゆべし」
12月の中旬になると、11月につくって干しておいた「ゆべし」が食べ頃になります。ゆべしはユズをくり抜いて、みそ、果汁、米粉、みりんやお酒、クルミなどを混ぜたものを中に詰めてから蒸して、それをてるてる坊主のように包んで1か月くらい干したものです。
今回使ったクルミは近所の方が分けてくださったもの。1つ1つ殻から中身を出すのは大変ですが、とてもおいしいクルミです。
ユズはほかにも、ユズみそやジャムをつくったり、果汁もいつでも使えるように冷凍しておきます。この頃になると、フユイチゴの実もあちこちで見かけます。こちらも甘酸っぱい冬の味です。
大雪となったクリスマスには、水戸家では定番のパエリアをつくりました。昨年に球根を植えたので、今回のサフランは家でとれたもの! 花が咲いたらひとつに3本ずつ付いているめしべを大切につみとって乾燥させます。めしべをとっているときから、すでにパエリア独特のいい香り。こちらに住んでからはこんなふうに、身近でとれる材料でおいしいものがつくれることがよくあります。
年末恒例のもちつきとこんにゃくづくり
年末には恒例のおもちつきとこんにゃくづくりが待っています。前日に七輪で粒あんを炊いておいて、丸い平もち、あんこもち、ヨモギもちとつくっていきます。それからもち花も。柳の枝を使うので水にさして飾っておくと年が明けてから、ふわふわの芽が出てきます。
だんだんと葉っぱになって、枝からは根っこが出てくることも。それがまたかわいくてわが家ではしばらくの間飾ったままにしています。
こんにゃくは、畑で育ったこんにゃくイモをゆでてからミキサーにかけ、少しおいてから凝固剤を入れます。外の釜で大きな鍋にお湯をわかして、コンニャクを丸めながら落とし、何回か湯を変えてしっかりゆでると出来上がりです。つくるのは少し面倒ですが、手づくりのこんにゃくはやっぱりおいしい。ユズみそをつけて刺身こんにゃくにしたり、おでんに入れていただきます。
新年の朝にはハマグリとホウレンソウとおもちの入ったお雑煮を食べて、それから近くのお宮とお寺へ初詣に行きます。
いつもと同じ変わり映えのないお正月ですが、家族みんなが元気で過ごせたことにほっとしています。今年もみなさまにとっていい1年になりますように。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して5年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。