広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して5年目、愛犬てんちゃんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は雪遊びと、mizutomidoriさんの安芸高田市への移住のきっかけ、豆もちづくりについてです。
愛犬てんと雪合戦!大人も犬も雪で遊びます
まだまだ寒い日の続く2月のはじめ。家のまわりは降り積もった雪でいっぱいです。水戸家には現在小さな子どもはいないのですが、雪遊びをしないまま冬が終わってしまうのはなんだかもったいない…! ということで、愛犬てんと雪合戦をして、母と姉とソリすべりをして、今年も1人でいそいそと雪だるまをつくりました。てんは雪でできた白い犬を気に入ってくれたのか、見るなり近づいてにおいをかいで、最後には2匹の間におすわりして「帰るよ」と声をかけても動かないほどでした。
安芸高田市へ移り住むまで、私たち家族は広島市内に住んでいました。子どもの頃は、夏休みと冬休みに現在住んでいる安芸高田市の祖父母の家に宿泊。その頃の私たちの遊びといえば、竹筒の鉄砲でリュウノヒゲ(ジャノヒゲ)の青い実を飛ばしたり、土でケーキつくって花や葉っぱでデコレーションしたり、缶けりをして走り回ったり…。冬にはかまくらをつくって、つららで遊び、それから田んぼの急斜面でスリル満点のソリすべりも!
こんなふうに自然の中でめいっぱい遊んだので、おじいちゃん、おばあちゃんちでの思い出は楽しいことばかり。私は子どもの頃からずっと、いつかこの祖父母の家で暮らしたいと考えていました。
家族とともに祖父母の家へ移住を決めた
私が安芸高田市へ住むことになったきっかけは、当時一緒に暮らしていた姉が転職と引越しを決めたことでした(結局引越しはなくなりましたが)。子どもの頃からの思いや、前の年におじいちゃんが亡くなっており、おばあちゃんが元気なうちにいろいろ教わりたいと考えていたこと、定年を機にひと足先に田舎暮らしを始めた父と母がとても楽しそうだったことも、移住を決める後押しになりました。
移住してよかったことはたくさんありますが、いちばんは人とのつながりを感じられることです。人づき合いが得意でなくあまり社交的とはいえない私に、こんなにも知り合いが増えるとは思いもよりませんでした。田舎の家はゆとりがあって、納屋でお茶をしたりと気軽に人を呼びやすいのもあり、いろんな方が遊びにきてくれます。これもこれまでの生活では考えられないことでした。
最初は不安もあった安芸高田市での生活は、家族やまわりの皆さんに助けてもらって、あっという間に居心地のいいものになりました。これからどうなるかはわかりませんが、今のところ、自分らしく暮らすことができています。
ほんのり甘い、水戸家の手づくり豆もち
毎年、米麹とみそづくりが終わってほっとひと段落したあとは、黒豆の入った板状の「豆もち」をつくります。昔はもっと頻繁におもちつきをしていたようですが、最近では、秋祭りの頃、年末、寒の終わりのだいたい3回です。
豆もちといえば塩味のものもありますが、水戸家の豆もちは昔から砂糖の入ったほんのり甘い味です。こげ目がつくまでこんがり焼いて、そのままなにもつけなくてもおいしく食べられます。つくるときは仕切りをした箱に流し込むだけなので簡単ですが、ひと晩たって固まったおもちを切るのは結構大変です。それでも年に一回の豆もちはみんな大好きで、たくさんつくって冷凍したり親戚に送ったりしています。
2月も終わり頃になってくるとだんだんと春の日差しになり、おばあちゃんと近所のお友達も外で日向ぼっこしながらおしゃべりができるようになりました。あたたかくなってくると雪で折れた枝の片づけや、畑の準備などやることがたくさんあります。鳥たちのにぎやかな声も急に聞こえはじめてみんなそわそわ。家にこもる季節は終わって、これから忙しくなりそうです。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して5年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。