広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して6年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は、梅雨の時期の過ごし方と梅仕事についてです。
蒸し暑い日が続く梅雨。愛犬てんも夏毛に衣替え
季節は梅雨に入り、じめじめとした雨と蒸し暑い日差しが交互にやってきています。この暑さに慣れるまではみんな少し疲れ気味。水戸家の愛犬てんも、毛がどんどん抜けて夏仕様に衣替えの真っ最中です。
そんな6月は実りの時季で、クワやジューンベリーの木には実がたくさんついて小鳥たちのご飯になっています。家の周りの地面には、ヘビイチゴの粒々とした赤いかわいい実があちこちに。このヘビイチゴの実は味がなくておいしくないかわりに、お酒に漬けて虫刺されの薬をつくることができます。
白いウツギの花が咲く頃になると、山ぎわのやぶの中には自生のキイチゴ(おそらくビロードイチゴ)も実り始めます。こちらはとても甘酸っぱくおいしく食べられるので休みの日のたびに採って冷凍しておいて、ジャムやアイスにしたりと楽しんでいます。
ピンポン玉くらいの大きな梅の実を収穫
6月の中旬からは梅仕事です。昨年は裏年(うらどし)で収穫量が少なかったのですが、今年は表年(おもてどし)、枝が重みでしなるほどたくさんの実をつけてくれました。
まずは青梅を収穫。毎年、砂糖で漬けて梅シロップをつくるのですが、今回は知り合いに教えてもらったレシピでスパイスも一緒に漬けてみました。炭酸で割るとクラフトコーラのような味わいで、これからの暑い夏にぴったりです。
色づきはじめた梅は梅干しにするため塩漬けに、それから完熟した梅でも、果肉ごと食べられるスパイスシロップをつくりました。母は梅肉エキスづくりに挑戦。毎年だと大変ですが、たくさん実るのはだいたい1年おきなのでいろいろと試したくなります。
塩漬けにした梅は白梅酢があがってきて、いい香りがしています。来月には畑のシソも大きくなって、赤く染めることができそう。
里山の夜はホタルが舞うことも
先月足の骨を折って入院したおばあちゃんは、現在リハビリに励んでいます。病院でじっとしているのは退屈で、ベッドの上でもしっかり運動しているそう。入院後、母は急におばあちゃんの畑まで担当することになって大変! 芽の出た大豆を定植したり、サツマイモを植えたり、小豆をまいたり…やることはたくさんあって忙しい毎日です。これから退院しても、おばあちゃんが今までのように畑仕事をするのは難しいかもしれません。もともと高齢になって年々手伝うことも増えていたため、こうして少しずつ教わりながら仕事を引き継いでいけたらいいなと思っています。
この時季、夜に外へ出るとちらほらとホタルを見かけます。私が子どもの頃にはもっとたくさん飛んでいて、おじいちゃんが竹ボウキを持って張りきっていたのを思い出します(竹ボウキをそっと振るとホタルが簡単に捕まえられます)。
昔ほど多くはありませんが、ホタルがゆったりと光りながら川や田んぼの上を飛んでいる姿はとても幻想的できれいです。まだ雨の日が続きますが、夏至を過ぎるとまた一段と日差しが強くなりました。本格的な夏がもうすぐやってきそうです。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して6年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。