梅を干して4年ぶりの夏祭りも終了。安芸高田の初秋の里山暮らし

広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して6年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は、梅仕事と久しぶりの夏祭りについてです。

梅を並べて天日干し。今年の梅仕事は完了

自分で漬けた梅干し
自分で漬けた梅干しは愛着がわいて、とてもかわいい

 夏の盛りには、家のまわりはどこもかしこも草ぼうぼう。お盆に向けて少しでもきれいにしたいところでしたが…。この暑さではなかなか外の仕事もはかどりません。

 8月のはじめ、水戸家では梅の土用干しとハブ草のお茶づくりを行いました。先月の終わりに赤ジソで漬けた梅をかめから取り出して、くっつかないように並べて干します。強い日差しのなか、ほんの数時間で梅の表面には塩が吹いて白っぽくなりました。3日間の土用干しをすることで、梅干しは保存性が高まったり、実が柔らかくなったりするんだとか。

 初めてつくったときはなんのために干すのだろうかと疑問でしたが、確かに土用干しの後は「ちゃんとした梅干し」という感じに変化するので不思議です。シソも並べて、梅酢も容器ごと天日に当てます。土用干しが無事に終わったら、またひとつひとつかめに戻すのも楽しい作業です。一昨年漬けた梅干しが残っているので、食べるのはまだまだ先になりますが、6月から始まった今年の梅仕事はこれで終了となりました。

ハブ草のお茶づくりとおばあちゃんの退院

ハブ草を運ぶ母
ハブ草を運ぶ母。来年用の種を取るために、少し残して収穫します
ハブ草
花も葉っぱもふんわり柔らかい。作業中も、良い香りが広がります

 梅干しは梅の収穫量によって、つくったりつくらなかったりですが、ハブ草のお茶づくりは毎年のこと。5月につくった茶葉とブレンドして毎日飲むお茶になるので、大切な仕事です。
 昨年と同じく、葉っぱや花を茎から外し、少し置いてしんなりしたらもんで干します。黄色のかわいい花とつぼみも入るので出来上がりもきれいです。

 それからやっと、入院していたおばあちゃんが2か月半ぶりに家に帰ってきました! 転倒してひざの下を骨折していたのですが、リハビリをがんばってもうすっかり元気。96才とは思えない回復力にみんなびっくりです。家に帰ってからおとなしくしていたのは最初の数日で、その後はこちらの心配をよそに動き回り「もうできない」と言っていた畑仕事も、やっぱり気になるようです。今は畑のまわりの草を少しずつ取ったりしながら過ごしています。
 お盆前に退院したので、お盆に来てくれるたくさんの親戚にも久しぶりに会うことができました。

散歩中
シルバーカーを押して家の周りを散歩中。しっかり歩くことが健康の秘訣です
てんちゃん団子
お盆には欠かせない、サルトリイバラの葉っぱでつくるかしわもち。今回は姉がてんちゃん団子もつくってくれました

家族みんなで過ごす夏祭りの夜

 今年は4年ぶりに地域の盆踊りも行われました。コロナ禍でしばらく開催できずにいたので、こうしたイベントができるのはとてもうれしいことです。盆踊りの演目には、昔からこの地域に伝わっている「手踊り」もあります。歌や太鼓も地元の方が担当して扇子を持って踊るのですが、これがなかなか難しく、上手な人を横目で見ながらなんとか参加することができました。
 たくさんの人がにぎやかに集まって楽しい時間を過ごし、最後には打ち上げ花火も! 小さな集落のお祭りとは思えないほど大迫力の花火が上がって感動の夜でした。

夏祭り
久しぶりの夏祭り。家族みんなで楽しみました
カミナリも苦手なてん
楽しい花火も、この季節に多いカミナリも苦手なてん。毛布を被って震えながら耐えているところ!

 先月やってきたニワトリたちも元気いっぱいです。飛んでくるカナブンを走って追いかけ、なんと空中でキャッチして奪い合って食べています。カエルをくわえて走り回っていたことも。それぞれの個性もわかってきました。人懐っこい子、葉っぱが好きな子、虫をいつも狙っている子など見ていてあきません。

 8月の終わり頃になると、どこからともなく葛(くず)の花のいい香りが漂ってきて、道端には秋らしい野花が咲いているのも見かけるようになりました。いつの間にかトンボもたくさん飛んでいるし、秋の虫も鳴いています。まだまだ暑いようで季節はしっかり前に進んでいます。

スイカを食べるニワトリ
家で採れたスイカを食べるニワトリたち。みんな食欲旺盛です

【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して6年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。