「うますぎちゃって気を失うよ!」絶品トロサワラが人気の呉市のマルシェ

広島県呉市の倉橋島へ地域おこし協力隊として移住した前中詩織さん。2023年3月に3年間の任期を終え、そのまま定住することに。今回は島で開催された、楽しいことおいしいものいっぱいのマルシェイベントをレポート。

倉橋町でマルシェイベントを開催

看板
会場の入り口に置かれた手書き看板

 2023年10月、倉橋町の桂浜(かつらがはま)の右側にあるシーサイド桂ヶ浜荘で行われた、「出張鈴木心写真館」の開催に合わせ、2日間「倉橋ZIMAE市」というマルシェイベントが行われました。

 マルシェ自体は今回で3回目の開催で、島でとれた自慢の魚や野菜がメインとなり会場を盛り上げます。ほかにも倉橋島でがんばっている&関わっている仲間たちのお店が所狭しと並び、子どもたちが喜ぶ体験コーナーなども設けられました!

笑顔や笑い声あふれる出張写真館

写真館
シーサイド桂ヶ浜荘内で行われる写真館の様子

 倉橋ZIMAE市は、1年前の10月「出張鈴木心写真館」が行われた際に、第1回目を行ったのが始まり。今年も写真館に合わせて、何か月も前からマルシェの方も少しづつ準備が行われました。

 この「出張鈴木心写真館」は、東京で広告写真などを手がけるカメラマン、鈴木心さんが出張して記念写真を撮影してくれるというイベント。去年も近くで撮影を見させてもらっていたのですが、本当にすごい! 撮影時間はたった数分で、その人や家族のいちばんいい瞬間を写真に記録してくれるのです。お客さんが入って来た瞬間から緊張を解き、幸せそうな表情を導き出すチームプレイもすてきです。

 私も今回は家族で参加。撮影の数分が本当に楽しく、みんなすごく自然な表情で笑っている写真を撮っていただきました。最初は「写真かぁ…」という雰囲気だった家族も、写真を見て「来年も撮ろう!」と言うほど。

絶品トロサワラの浜焼きを堪能

バーベキュー
漁師&農家さんブース前ではBBQグリルが置かれ、その場で魚や野菜を焼いてくれる

 マルシェ会場に戻ると、そこには自慢の産品がいっぱい! お客さんはみんな手になにかしらうまいものを持って歩いています。出店している私もおなかがぐ~っとなってしまう前に、ちょこちょこ食料調達へ。サワラや焼き野菜だけでなく、タコやタイのおにぎりやボイセンベリーのスムージー、スパイスカレーにベーグルなどなど…。

サワラ
舌がとろけそうなほど美味しいサワラのあぶり
焼きナス
熱々トロトロで美味しい焼きナスは特製トマトソースを添えて

 旬のものや島のおいしいものが1度に食べられて本当に幸せ。トロサワラのあぶりは「食べたらもう、うますぎちゃって気を失うよ!」の言葉のとおり、意識が遠のきそうなくらいの絶品でした。

 天気も1日目はとてもいい気候、2日目は海からの突風に少し悩まされましたが、両日雨も降らず、気持ちいいマルシェ日和。近くの火山(ひやま)への登山ツアーなども開催され、山頂でコーヒーやおにぎりを食べてきた人もいたようです。山の上でランチ、気持ちよさそうですね。

海の生き物に触れる「タッチプール」が大人気

タッチプール
大人気だったタッチプール。いろんな生き物が入っている

「タッチプール行ってくる!」そう言って何回も触りに行く子もいるくらい大人気だったタッチプール。いつも子どもたちが取り囲んでいる状態でした。プールの中にはカニやヒトデ、お魚も。

 海が近くにあっても、こんなに近くでいろんな生き物を見て触れるのはめずらしいので、すごく いい体験だなぁ~と思いました。今さらですが…こっそり触りに行けばよかった。

ネギの苗
苗植え体験用のネギの苗。青々としてきれい

 ネギの苗植え体験も楽しそうでした。農家さんが育てたきれいでイキイキしたネギの苗。そのネギが植えられたポットを手にしているお客さんもちらほら。自分で植えたネギが成長するのを見られるので、イベントの後も楽しめるのもいいですね。

お菓子の販売とシルクスクリーンで参加

体験参加
トートバックにマルシェのロゴを2色刷りで印刷

 このイベントで、私はシルクスクリーン体験のコーナーと焼き菓子の販売で参加。シルクスクリーンで使用する柄は、今回のマルシェのロゴを製作したデザイナーさんが調整してくれました。チラシが2色構成だったので2色のインクで刷り、このマルシェイベントのスタッフTシャツも、前日に何人か集まりがんばってシルクスクリーンで作成しました。みんな同じTシャツを着ていたので、マルシェに統一感がでていた気がします。

とび箱
海岸に設置された“フリー跳び箱”にも挑戦! 結果は…

 実際に子どもたちが体験してくれて、うれしそうに自分の刷ったトートバックを持って帰ってくれました。私は、ものづくりの楽しさが少しでも広がれば、と思って活動しているので、「楽しかった!」という言葉がもらえたのがうれしくて、これからもがんばれる力がもらえました。

 そんな「倉橋ZIMAE市」。次回の予定は来年の春あたり。次はどんな楽しいことができるか、 私たちも本当に楽しみなマルシェイベントです。お楽しみに。

<取材・文・写真/前中詩織>

前中詩織さん
兵庫県出身。広島県最南端の島、呉市倉橋町の元地域おこし協力隊。大阪でグラフィックデザイナー、兵庫ではガラス工場で商品を製造。地域おこし協力隊を退任した後も島に住み、イラストやモノづくりといった得意分野を生かし、倉橋町の魅力を楽しく発信している。