広島県呉市の倉橋島へ地域おこし協力隊として移住した前中詩織さん。2023年3月に3年間の任期を終え、そのまま定住することに。今回は島でのお正月の過ごし方をレポート。
毎年恒例、新年は桂濱神社でお手伝い
大晦日の23時半、桂濱神社(かつらはまじんじゃ)の境内。倉橋に移住してからの4年間、新年はいつもここで迎えています。地域おこし協力隊として倉橋町でお仕事をさせてもらっていた際、職場で知り合った宮司さんからお声をかけていただき、大晦日から元旦の桂濱神社の授与品所のお手伝いに入らせてもらったのが始まり。
普段あまりできない体験をさせてもらっているのと、お正月たくさんの方に新年のあいさつができることがうれしく、毎年の恒例となっているのです。
大晦日の桂濱神社の雰囲気はとても心地よいです。近くのお寺から聞こえる除夜の鐘の音がかすかに聞こえるだけの静かな夜。神社にはいつもはない提灯がたくさん下げられていて穏やかな光を放っています。正直、深夜なのでめちゃ眠いのですが(笑)、この場所に来さえすれば眠気も冷めてくるから不思議。
神社でのお手伝いは、授与品所でのお札やお守りの授与です。今年は年末から年始の境の数時間と元旦と2日の日、授与品所に座っていました。元旦はもう1人のお手伝いの女の子と。
宮司さんご夫婦はとても親切な方で、境内での時間も穏やかに過ごせました。お世話になっている方に、今年も神社でたくさん会うことができ、年始は落ち着いた気持ちで過ごさせてもらいました。
お正月は桂濱神社の御朱印が拝受できる
宮司さんご夫婦が神社におられるお正月には、お正月限定の御朱印も押されます。辰がとてもかわいい!! 私もいただいて、家に帰って早速御朱印帳に収め、大切に保管しました。
1月3日は、広島県に移住してから恒例になっている厳島神社の初詣へ。倉橋島から厳島神社のある宮島まではクルマと船を使って2時間ほどで行けます。朝から行ったのと、この日は雨予報のせいか、いつもより混雑していなかったようで、すぐに拝殿の方へ向かうことができました。
大聖院にも参拝に行き、「火の用心守り」を授与していただきました。このお守りには先が燃えたあとのある木の皮のようなものが入っています。宮島では大晦日に火難除けの祭り「鎮火祭」が行われ、大鳥居が目の間にある御笠浜(みかさのはま)が燃え盛る大小さまざまなたいまつによってまばゆい炎に包まれるそう。その燃え残ったたいまつの一部を持ち帰り、火難除けのお守りにするのだとか。
そんな話を聞いてからは、住んでいる倉橋は家が密集しているところが多いので、お守りとして毎年いただいているのです。
宮島のもみじまんじゅう食べ歩き
宮島に来たらいつも食べるのが「コロコロもみじ」。中にあんこもなにも入ってない小さなもみじまんじゅうの形のカステラを、ディップソースにつけて食べます。はちみつフロマージュのソースが個人的には好きですが、ほかにも抹茶やあんバターなど5つの味があります。名前のとおり、コロコロしていてほんとにかわいい。楊枝入れにはおみくじもついているのも、楽しくていいですね。
ほかにもいつも気になっていたお店で焼きたてのもみじまんじゅうも購入! まだホカホカ温かくやわらかくて、いつもよりさらにおいしい! お茶もいただいちゃったりしてほっこりしました。
<取材・文・写真/前中詩織>
前中詩織さん
兵庫県出身。広島県最南端の島、呉市倉橋町の元地域おこし協力隊。大阪でグラフィックデザイナー、兵庫ではガラス工場で商品を製造。地域おこし協力隊を退任した後も島に住み、イラストやモノづくりといった得意分野を生かし、倉橋町の魅力を楽しく発信している。