広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して7年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は、あちこちで芽吹き、春めいてきた里山での暮らしについて。
ツクシやフキノトウも顔を出す
少しずつ春めいてきた里山では、3月に入るとミツマタやアセビの花が咲いて、菜の花の周りにはもチョウも飛びはじめました。このまま一気に暖かくなるかなと思っていたら、また寒さが戻って季節は足踏み状態に。春分の日とその翌日にはなんと一日中雪が降りました。あたりはすっかり白くなって真冬のような景色です。咲いたばかりの花にも雪が積もって冷たそうでしたが、この時季の雪は溶けるのも早く全体がシャーベットのように透けて美しい光景が見られました。
この雪が溶けてしまうと、あとは春に向けて一直線です。毎年春先には家の側の小さな川からカゲロウがいっせいに羽化するのですが、今回も外で庭仕事をしていてふと振り向いたら、たくさんのカゲロウが飛んでいて驚きました。
茶色だった地面はいつの間にか草に覆われて緑色になり、ツクシやフキノトウも顔を出しています。羽のきれいなキジも近所をうろうろしていますし、カワラヒワやセキレイも飛んできました。カエルの鳴き声も久しぶりに聞くとうれしくなります。みんな今までどこに居たのでしょうか。あっという間に周りはにぎやかです。家のニワトリたちも、カゲロウを追いかけたりミミズを見つけてみんなで奪い合ったりと生き生きしています。
畑の準備を開始。ツバメもやってきました
早速畑の準備も始まりました。父と母は自家用の野菜を無肥料、無農薬で育てています。なかなかうまくいかないこともありますが、できるだけ固定種や在来種を栽培して家で種をとり、また翌年につないでいける野菜づくりを目指しています。ビニールで覆った苗床のポットからは、種をまいて1週間くらいでかわいい芽が出てきました。キヌサヤ、グリンピース、スナップエンドウなどの豆の支柱も立てて、冬の間さびしげだった家の前はすっかり畑らしくなっています。
おばあちゃんもようやく外に出られる気候になって、みんなに負けじと草取りをする毎日です。
3月の終わり頃になると、ついにツバメがやってきて家の周りを飛びはじめました。冬が終わってしまうのも少し名残惜しい気がしていましたが、やっぱり春はわくわくします。私がこちらに移住してきてから、もう7回目の春となりました。毎年見ていてもこの時季の変化には圧倒されて、自然の力のすごさを感じます。次々に芽吹いていろんな花が咲く季節。これからが楽しみです。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して6年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。