笠岡市に移住して知った絶景スポット。だれもいない道で夕日をひとり占め

30歳を目前に「海沿いに住みたい!」「一軒家でのんびり暮らしたい!」と考え、岡山県笠岡市へ地域おこし協力隊として移住した女性が日々の暮らしや岡山県の魅力をご紹介。今回は、笠岡市で味わえるおすすめの日常の絶景風景を紹介。

四季折々の花を楽しめる道の駅笠岡ベイファーム

女性が広大なひまわり畑に立っている
道の駅笠岡ベイファームのひまわり畑

 笠岡市の観光地といえば、「道の駅笠岡ベイファーム」。年間約80万人もの人が訪れる場所で、お土産品を購入できたり、笠岡のグルメを堪能できたりします。なかでも人気は道の駅周辺に咲く四季折々の花々です。

 夏に現れるのが満開のひまわり畑。その数はなんと100万本! 圧倒の数に驚かされます。

一面に広がるコスモス
10月〜11月に見頃のコスモス

 菜の花やコスモス、ポピーなど季節によって種類が変わり、さまざまな表情を楽しむことができ、私も四季ごとに必ず訪れ写真に納める観光名所です。今回は住んでいるからこそ知った、少しディープなおすすめスポットもご紹介します。

大島地区で穏やかな瀬戸内海や笠岡諸島を眺める

瀬戸内海と遠くに山
瀬戸内海沿いに伸びる道をドライブ

 笠岡市は瀬戸内海に面するまち。穏やかな瀬戸内の海をのんびり見たいときに訪れるのが、笠岡駅から車で15分ほど南東に向かった「大島地区」です。海沿いの道路を走ることができるこの地域は、車はもちろん、バイク、サイクリングにもおすすめのスポット。

遠く笠岡諸島に靄がかかっている幻想的な風景
海に浮かぶ笠岡諸島は幻想的

 車を停めて眺める海は太陽の光がキラキラと反射し、波のない穏やかな姿に癒されます。車通りも多いわけではなく、ゆったりと海沿いをドライブができます。

木々がうっそうとしている山道
なんだか探検家のような気持ちにもなる御嶽山の山道

 また、大島地区にある「御嶽山(みたけさん)」もおすすめ。複数の登山ルートがあるこの山ですが、頂上までは車で登ることも可能。山頂からは瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島を眺めることができます。

 道は車1台が通れるくらいですが、きちんと整備されているので運転初心者でも安心して登ることができます。折りたたみイスを持って、海を眺めながら読書をしたり、コーヒーを飲んだり。自然の音だけが響く、極上の空間です。

果物畑や田んぼが広がる笠岡市北部

緑が青々とした美しい田んぼ
笠岡市北部の美しい田畑

 笠岡市は農業も盛んです。とくに活発なのが、笠岡市北部の地域。ここでは農業を生業とする人も多く、畑のある生活がとても身近。

田んぼ道を女性がのんびり散歩している
田んぼ道をのんびり散歩

 野菜を育てるハウスや、果物畑、夏には青々とした田んぼが広がっています。お天気のいい日に気の向くままにお散歩してみてはいかがでしょうか。

採れたてのカブ2個を手に持っている
「これ持っていきな」と地元の方にいただいたカブ

 農作業している地元の人と仲よくなってお土産に野菜をいただく、といったすてきな出会いもあるかもしれません。

きれいな夕日が楽しめる「十一番町緑道公園」と「笠岡湾干拓地」

遊歩道と夕景の瀬戸内海
十一番町緑道公園から続く、整備された長い遊歩道から眺める夕日

 移住をしてすぐに感じたのは「笠岡って夕日がとてもきれいだな」ということ。というのも、移住する前に住んでいた大阪市内では、高層ビルが立ち並び大きな空や夕日だけを見られる場所がかなり限られていたからです。

 笠岡で夕日を見るところとしておすすめなのが「十一番町緑道公園」です。その名のとおり笠岡市十一番町にある公園で、笠岡湾に沿った長い遊歩道があります。笠岡諸島を行き来するフェリーや船が通る、この場所に沈む夕日が大きく幻想的でとても美しいのです。

瀬戸内海を走る船と夕日
タイミングが合えば船と夕日の絶景を見ることができる

 さらに夕日を見るのにもうひとつおすすめの場所が「道の駅笠岡ベイファーム」のある「笠岡湾干拓地」。

 日中は道の駅へ向かう車通りが多い干拓地ですが、道の駅からさらに南西、海の方向に進むと車通りが一気に少なくなります。さらに道が大きな一本道になり、道の両脇の畑と夕日を楽しむことができます。

1本道に停めた自転車と夕日と
笠岡湾開拓地。奥まで伸びる1本道の先には大きな夕日が

 車でも行けますが、自転車やバイクで長い一本道をのんびり走るのがおすすめ。だれもいない空間で夕日を独り占めしているような気持ちになり「今日も1日がんばった!」と自分へのごごほうびのような感覚に。

 もともと私は「海沿いに住みたい!」という理由から笠岡に移住しました。海をいつでも眺められることに今でも「非日常感」を感じますが、出身が栃木県で田畑に囲まれて育ったからか、山や畑を見るとホッと安心感を得ます。

 私にとって笠岡は、安心感のある今までの暮らしと、新鮮な新しい暮らしをいいとこ取りできる「ちょうどいいまち」です。そんな自然の魅力たっぷりの笠岡市。まだまだ未開拓の絶景スポットをこれからも探していきたいと思います。

<取材・文> mamiko

mamiko
栃木県茂木町出身。大学時代は京都で暮らした後、大阪の老舗ヴィンテージショップにて販売員に。30歳を目前に、岡山県笠岡市へ地域おこし協力隊として移住。ブログやSNS等で笠岡市の情報発信をしたり、地域交流イベントを開いたりなど、さまざまな活動を行っている。