滑川で「昭和レトロ祭り」開催。昭和のファッション・メイクの体験コーナーも

WEBライターを経たのち、現在は富山県滑川市の地域おこし協力隊として活動する田中啓悟さん。今回は、昭和にタイプスリップした気分になれるイベント「滑川昭和レトロ祭り」をレポートします。

昭和の面影が残る街並みを再現

滑川市晒屋地区の風景
会場となった滑川市の晒屋地区

 2024年10月12日(土)、滑川市で初となる「昭和レトロ祭り」が開催されました。富山地鉄中滑川駅近くにある晒屋(さらしや)地区の街並みや空き家内を、昭和時代のように演出する本イベント。私は実行委員として、開催まで準備を進めてきました。

 当日は朝の7時半から会場設営を始め、11時のイベント開始に間に合うように動き回ります。こういったイベントの実行委員は初めてでしたが、早朝スタートのおかげか、いいマインドで1日をスタートすることができました。

 今回、この晒屋がイベントの会場に選ばれたのは、かつて滑川市でもっとも栄えていた市街地だったから。現在は大きな県道沿いに多くのお店が立ち並んでいますが、昔はこれらが晒屋に集中していました。

並ぶテーブルやイス
暗渠の上に並べられるテーブルやイス

 前日に運び込んでいたテーブルやイスを並べ、ブース用のテントを組み立てるなど、出店者が来る前にできる準備を進めます。この場所は現在、暗渠となっていますが、昔は富山湾へと続く川を眺めることができました。

滑川生まれ、滑川育ちの水野市長も来場

晒屋を練り歩く大勢の参加者
晒屋を練り歩く大勢の参加者

 イベントが始まると、早速たくさんの人が。昔のこの地域を知っている人や、昭和の懐かしさを体験しにきてくれた中年層以上の人が多数。普段はクルマが通る道でゆっくり食事をしたり、当時の雰囲気を語り合いながら通りを歩く人々の姿が見られました。

飲食店ブースの前でポーズを取る人達
服装から気合い満点の「ヨシ‼Jiro」店員の皆さん

 市内の洋食レストラン「ヨシ‼Jiro」の皆さんは、総出で今回のイベントに参加。お子さまランチやナポリタン、クリームソーダなど、懐かしさを感じる料理で会場を大いに盛り上げてくれました。

テレビカメラに向かってポーズを取る4人の男性
テレビの撮影にも全力で応える。中央でサムズアップしているのが水野市長

 当日はテレビの取材も。水野達夫市長もノリノリで撮影に応じます。滑川生まれ、滑川育ちの市長は、この晒屋が盛り上がっていた時代を知る一人。市民とフランクに接し、積極的にコミュニケーションを取る姿が印象的でした。

昭和のファッションやメイク体験ができるフォトスポットも

2つの部屋の内装
昭和アンティークで彩られたフォトスポット

 会場には昭和体験の1つとして、当時の家具や雑貨が散りばめられたフォトスポットを準備。写真左は市内にある古道具とれじさん、右は富山市で昭和雑貨を主に扱う古道具camelさんにご協力いただき、すばらしいスポットになりました。

 どうすれば昭和らしさがあふれる空間になるのかを追求し、開催ギリギリまで試行錯誤した経験をとおして、次の開催につながるいいイメージが得られたと実感しています。

昭和風の衣服に身を包んだ人たち
個性あふれる衣装をまとって

 フォトスポットに訪れた来場者は、昭和レトロな服装に身を包んで写真撮影。写真に収めるとあら不思議。部屋の雰囲気に合わせたインテリアの数々が、一気に昭和へとタイムスリップさせてくれます。

女性にメイクをされている女性
昭和メイク体験も

 別会場では「昭和メイク体験」と題し、当時はやったメイクを体験できるブースを設置。メイクをしてもらい、その足で晒屋のレトロイベントを楽しむという流れが生まれ、たくさんの人が来てくれました。

 イベントの来場者は500人前後と、初開催にも関わらず、なかなかのにぎわい。滑川を知らなかった人から「いいところがあるね」といってもらえたり、晒屋が栄えていた時代を体感して驚く市民の姿を見て、地元への愛着が増すいい機会になったのではないかと思います。次回はぜひ、皆さんのご来場をお待ちしています。

<取材・文・撮影/田中啓悟>

田中啓悟さん】
大阪府大阪市出身。大阪の専門学校を卒業後、WEBライターとしてデジタルゲーム関連の記事を執筆。その後、「訪れたことがない」という理由で富山県に移住し、地域おこし協力隊として、空き家バンクの運用・空き家の利活用をメインに、地域の魅力発信やイベントの企画に携わっている。