広島県安芸高田(あきたかた)市の山あいの集落で、両親とおばあちゃん、山で保護した犬「てん」と暮らす水戸家のmizutomidoriさん。お父さんの実家である今の家に移住して7年目、愛犬てんと家族のにぎやかな暮らしのレポートをお送りします。今回は、秋の楽しみのひとつでもあるキノコについてご紹介。
安芸高田の里山で採れるさまざまなキノコたち
ようやく気温も下がり、安芸高田市の里山にもついに秋がやってきました。水戸家の裏山には父がホダ木(菌を植えつけた原木)を置いていて、いろいろなキノコの収穫ができるキノコ園のようになっています。
今年も10月上旬、土の中からいっせいにマイタケが顔を出しはじめました。小さな赤ちゃんマイタケは約1週間でぐんぐん成長し、収穫時期をむかえます。マイタケが終わり11月に入ると次はナメコです。こちらも生えはじめるとニョキニョキとすごい勢い。ただの木にしか見えないホダ木から突然生えてくるのですから本当に不思議です。
ほかには黄色が鮮やかなタモギタケやヒラタケ、シイタケ、クリタケ、オオイチョウタケなどがあり、シイタケとナメコは原木にドリルで穴を開けて種駒(菌)を打ち込む植菌をしています。
昔は祖父母もシイタケを栽培して乾燥シイタケを出荷していたようで、ホダ木の管理が大変だったことなど、おばあちゃんが懐かしそうに話してくれます。
山の中は静かでまるで違う世界のよう
せっかくのキノコシーズンなので、今年は父の案内で少し山を歩いてみました。最近は山に入る人が減って荒れたところもありますが、一歩足を踏み入れるとそこは違う世界のようでとても静かです。一番の目的はやはりマツタケやコウタケなのですが、そう簡単に見つかるものではありません。昔はまわりの山でも大量のマツタケが採れていたそうですが、今では採れたとしてもほんの少しだけの貴重な存在です。
今回はムラサキシメジやクリフウセンタケを見つけることができました。ムラサキシメジは目立つ紫色で、初心者の私でもすぐにわかるありがたいキノコです。
ほかには食べられないキノコばかりでしたが、私の好きなロクショウグサレキンという小さな緑青色のキノコもありました。
山の中にはこのキノコの影響で緑青に染まった木片があちこちに落ちていて、割と簡単に見つけることができます。この木で染色ができると知って、以前試してみたことがあるのですが、うまく染めることができませんでした。またいつかチャレンジしてみたいなと思っています。
近隣では熊の目撃情報も
最近は近くで熊の目撃情報が相次いでいて、家のすぐ側でも柿の木の枝が折れていたりと出没の痕跡があります。父がキノコを探しに行くときも、ラジオと熊よけの鈴で対策をして山へ入っています。キノコ園ではちょうどナメコやヒラタケが生え始めたところ。本格的に寒くなる前にもうすこしキノコが楽しめそうです。
【mizutomidori】
広島県安芸高田市の祖父母の家へ移住して7年目。家族とおばあちゃん、犬のてんとの田舎暮らしの日常をInstagramで発信中。